原題:EVERYBODY LOVES SUNSHINE

信頼と絆が崩れたとき、彼らは“光(サンシャイン)”を求め彷徨う。

☆1998年英国映画祭第2部オープニング上映作品

1998年イギリス映画/102分/ビスタサイズ/ドルビーステレオ/翻訳:松浦美奈 提供:ソニー・プレイステーション、ホジーフィルムズ、MIDA 配給:ケイエスエス

1999年9月10日よりビデオレンタル開始 1999年3月20日中旬、渋谷シネアミューズにてロードショー 1999年4月大阪シネマ・アルゴ梅田にてロードショー

かきあげこのコラム::http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/hiroba/ageko/age11.htm アンドリュー・ゴス監督インタビュー::http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/topics/9903/topics990302.htm

公開初日 1999/03/20

配給会社名 0027

解説

洗練されたスーツを着こなし、その胸には一撃で“静寂”を与える銃口が光り輝く。彼等は黒いジャガーを乗り回し、我が物顔にマンチェスターを駆け抜ける。暴カ的でありながら魅力に満ちたストリートギャングの世界。恐れられていながら憧れの的であり、憎まれてはいるが尊敬されているギャングスター。自分達のテリトリーに絶対的な支配カを得るまで、彼らは誰にも止められない_。これはギャングの抗争を舞台に都会に生きる若者たちの姿を、ゴールディ×デビッド・ボウイがスタイリッシュに描いたネオ・プリット・ムービーなのです。
英国北部ではストリートギャングとチャイニース・マフィアの抗争が起こっていた。ギャングスター、テリーとレイが服役中にチャイニ一ズ・マフィアが支配権を握っていたが、彼等の出所により新たな抗争が勃発する。そこには自分違のテリトリーに絶対的な支配力を得るまで暴走するテリーと、暴力に血塗られた生活から脱却を望むレイの姿があった…。
主演のテリーにはドラムンベースの寵児で知られるゴールディ。相棒のレイには本作で初監督、脚本も兼ねている鬼才アンドリュー・ゴス。そして『パスキア』(96)でアンディー・ウォーホールを好演したデビッド・ボウイがクールで抜け目のない参謀のパーニーに扮しています。その他『フォトグラフィング・フェアリーズ』(97)のレイチェル・シェレイ、『ショッピング』(93)のクリント・ティアーが脇を固めている。また、ゴールディをはじめとし、ジャミロクワイ(97年アメリカのMTVミュージック・アワードの4部門で賞を獲得)、ストーン・ローゼス、デニ・ハインズ、シック等、今日最も有名なアーティスト達のエキサイティングなサウンドが、スクリーンに響き渡ります。
この作品はマンチェスター、リバプール、マン島で撮影された。マン島は田舎町なので、古いエ場の建物を作り直してマンチェスターの町並を再現し、雰囲気を出した。クレアの家や、チャイニーズマフィアとの商談に使われた場所はマン島の自然をそのまま使うことができ、ヨーロッパの美しい風景がスクリーンに広がります。監督のゴスは、モス・サイドのギャングの中で育った経験を生かしてこの脚本を書き上げ、95年にヨーロピアン・スクリプト・ファンドのヤングライターズ賞、96年にBAFTAのCar1賞を受賞しています。

ストーリー

ベッパーヒル・エステイト。この街ではチャイニーズ・マフィアとストリート・ギャングによる血生臭い抗争が繰り返されていた。金とカと尊厳をかけたその争いは“死”という結果しか生まない。ストリートを仕切るギャングスター、テリー(ゴールティ)とレイ(アンドリュー・ゴス)が服役中に、チャイニーズ・マフィアの勢力は強大に、大胆になっていた……。
2台のジャガーがハイウェイを滑るように走る。友違、家族、そして敵までもが、皆一様に待ち望んでいた日。テリーとレイが刑期を終えて出所したのだ。テリーのオフィスではメンパーが集まり殺しの計画が練られていた。そこヘレイが現れ、嬉しそうにクラブを経営したいと話す。テリーの右腕であるパーニー(テビッド・ボウイ)が仲問のカーミットが殺されたことを伝え、報復作戦を説明するのだがレイは計画にのってこない。結局、レイ抜きでテリー達は地元の学生クラブに押し入り、チャイニーズ・マフィアの若手幹部を殺害する。これは中国人への復讐であり、警告だった。テリーの報復を知ったレイは、暴力で血塗られた生き方はもうできないとテリーに伝える。レイが望んでいるのは、普通の生活。だがテリーは、自分がギャングスターだという事を忘れるベきではないと説き伏せる。暴力が支配するこの街の中で、ひとときの安らぎを与えてくれる“オアシス”チャーチホールクラブを訪れるレイ。そこは、レオンと妻のヘレンが管理し、レイをはじめ、スパイダー、クリントン、ケンといったダンス仲問や近所の子供たちの溜り場となっていた。レオン夫妻は地元の子供たちをストリートから切り離し、犯罪と絶望しかない生活から抜け出すようにと願い活動しているのだ。その願いはレイに対しても同じであった。
熱気に溢れたクラブで、レイとスパイダー達のダンス・ユニットは踊りはじめ、人々の注目を集める。レイはその中で素晴らしくきれいな女性、クレア(レイチェル・シェレイ)に目を留める。一方、クラブの外では、テリーを見張る仲間が、突如現れた自転車に乗った2人組に銃撃されていた。騒ぎに全く気づかないレイは、クレアと彼女の家へ向かう。そして、お互いを求め合う二人。翌朝クレアの家を出たレイは、表にテリーの車を見つけ激怒する。そんな彼に昨夜の襲撃を知らせ、自分が二人の後をつけたのはレイの身を守るためだと言い返す。レイの怒りは収まるが、彼の意志はいまだ変わっていなかった。
数日後、クしアが白身の部屋で出かける支度をしていると、テリーがガードを引き連れて押し入ってくる。彼女はテリーを家から追いだそうと激しく抵抗するが、テリーの凶暴なパワーの前ではなすすべはなく、彼等に連れ去られていく。翌日、テリーは仲間と共にチャイニーズ・マフィアのステイーブンに会う。スティーブンはテリーに250,000ポンドを示談金として差し出し、テリーはそれを受け取る。だが、事を丸く納めようとするスティーブンを無視し、二人の中国人少年とクレアを車の中から引きずり出した。スティーブンは、白分違達は暴力に終止符を打ち、共存することを学ばなげれぱならないと主張するが、テリーは中国人少年一人を撃ち殺してしまう…。一触即発の空気が流れたその時、ボスのミスター・チャンが車の中から現れ、銃を取り上げて二人目の中国人少年を撃ち殺す。ミーティングの成果に満足したテリーはクレアを掴む。“レイの物は自分の物であり、自分の物はレイの物だ”と激しく言い放った。その友クラブ“ロイヤル”ではレイ達のダンスユニットのお披露目が行われ、熱狂的な歓声と共に夫成功を収めた。興奮さめやらぬ気持ちのまま外へ出たレイ達を迎えたのは狂ったように鳴り響くサイレンたった。その音に胸騒ぎを覚え現場に向う彼ら。そこには、先に家路についたレオンとネルソンが息絶え横たわっていた。レオンの死体を抱き、放心状態のレイ。二人を襲ったのがメルセデスに乗った数人だったことを聞きチャイニ一ズ・マフィアの仕業だとテリーは叫ぶ。そしてレイに拳銃を差し出すのだった…。

スタッフ

監督・脚本: アンドリュー・ゴス
制作: IACフィルムズ&テレビジョン、ザ・アイル・オブ・マン・フィルムコミッション
製作総指揮: ビョーグ・ヴェランド、ヘザー・プレイフォードーデンマン、サイモン・ジョンソン、ガイ・コリンズ
キャスティング: サラ・バード
ラインプロデューサー: ポール・フリフト
美術: ボール・クロス
衣装デザイン: フィオン・エリノア
編集: ジェレミー・ギブス
撮影: ジュリアン・モーソン
音楽: ニッキー・マシュー
プロデュサー: ジュアン・リエイ

キャスト

テリー: ゴールディ
レイ: アンドリュー・ゴス
クレア: レイチェル・シェレイ
レオン: クリント・ディアー
スティーブン: エイドリアン・パン
バーニー: デビッド・ボウイ

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