dead BEAT
原題:dead BEAT
TVゲームとチャチな犯罪。 退屈な男と憂鬱な男。 出口の見えない現実への焦燥感を、乾いた映像と静かな緊張感で描く
1999年日本映画/80分/カラー/スタンダード/製作・配給:GAGA communications/制作:excellent film/配給協力:Slow Learner
1999年8月7日(土)より渋谷シネマソサイエティにてレイト・ロードショー!! 連日21:00より1回上映
公開初日 1999/08/07
配給会社名 0025
解説
始まりは、柴田(哀川翔)とつるむ真(村上淳)が盗んだ一台のベンツだった。ベンツに残されていたのは、大量の現金が詰められたボストンバックと左目に眼帯をした若い女の死体。息を吹き返した謎の女と現金を巡り、3人の男の人生が交差する。
とらえどころのない毎日を浮遊するように生きる北川真役には、『trancemission』で主役を演じた若手の注目株である村上淳。紅一点、謎の女・エミを演じるのは真野きりな。ピーター・グリーナウェイ監督の新作『81/2WOMEN』に抜擢され、国際派女優としての飛躍が期待される女優である。その新人離れした存在感は要注意だ。
そんな個性的な若手を支えるのは、『修羅がゆく』『借王・シャッキング』など、多くのヒットシリーズを連発する哀川翔。自らの過去を心の奥に封じ込めつつ、それと訣別することもできない柴田雅人役で新境地をみせている。タフな生き様を貫く上村役には根津甚八。年齢と共に、俳優としての味わいを確実に深めている実力派である。
監督は、94年にズームアップ映画新人監督賞を受賞した安藤尋。静かな日常から壮絶なラストへ向う“死の鼓動”を、乾いた映像と静かな緊張感で描き出している。
ストーリー
めったに客のいないバー「bore」の経営者・柴田雅人(哀川翔)。
ありふれた団地の一室に妻と娘の3人で静かな生活を送る柴田だが、裏では借金の返済に追われて盗難車の売買に手を染めていた。
車を盗むのは、柴田とつるむ北川真(村上淳)の役割だった。
毎日を無気力に過ごす真は、とあるホテルの駐車場でいつものように1台のベンツを盗む。それがすべての始まりだった。
ベンツには、ボストンバックに詰められた大量の現金と、真っ赤なコートにくるまれ左目に眼帯をした若い女の死体が残されていたのだ。
女は息を吹き返したが、記憶がないという。
とりあえずエミと名乗るその女(真野きりな)は、真の家に居着いてしまう。
ある日、柴田の元に上村(根津甚八)と名乗る男が現われる。
真が盗んだベンツは上村のもので、エミはその情婦だったのだ。
ベンツに残されていた大量の現金は、上村が組織の金を横領したものだった。
過去に人を殺したことのある元ヤクザの柴田は、上村に自分と同じ匂いを嗅ぎつける。
この男には注意したほうがいい——
危険を感じた柴田は真の部屋を訪れ、しばらく派手な行動を慎むよう忠告する。しかしコトはすでに走り出していた。
上村の現金を持ってエミと共に逃走する真、エミを追う上村、上村が横領した金を追う組織。
「俺は暇のままでいい」と、客のいないバーに残る柴田の元に、逃走中のエミから電話が入る。
「ひとつ聞いてもいい? そこで何待ってんの?」。
眠っていたはずの熱い血のたぎりを抑えられなくなった柴田は店を飛び出し、ハンドルを握って走り出す。
上村との対決はもはや避けられないものとなって、柴田に重くのしかかっていた。
スタッフ
監督:安藤尋
脚本:伊藤秀裕、長田敏晴、及川中、安藤尋
音楽:大友良英
撮影:鈴木一博
照明:上妻敏厚
録音:沼田和夫
美術:小林和美
編集:冨田伸子
製作/配給:GAGA communications
制作:excellent film
配給協力:Slow Learner
キャスト
哀川翔、村上淳、真野きりな、根津甚八
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