原題:CRUEL RUTHLESS CUNNING

乱れた秩序が加速する・・・ 私が欲しければ、あの娘のバージンを奪いなさい。

1999年度アメリカ映画/コロムビア映画作品/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給/ カラー/ビスタサイズ/全5巻/2,672m/1時間37分/ドルビーSR・SRD・SDDS/字幕翻訳:稲田嵯裕里

2009年04月01日よりDVDリリース 2007年06月20日よりDVDリリース 2007年06月27日よりDVDリリース 1999年10月23日より渋谷シネパレス他にて全国一斉ロードショー

http://www.kinowelt.de/filme/Cruelintentions/Index.html http://www.fox.ch/cruel_intentions/ http://www.filmblik.nl/cruel/cruel.html

© Copyright 1999 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc. All right reserved

公開初日 1999/10/23

配給会社名 0042

解説

マンハッタンの豪壮なタウンハウスに住むキャスリンとセバスチャン。血のつながらない姉弟であるふたりは、ともに名門進学校の生徒だ。この若さでふたりは金にも賛沢にも飽きるほど浸り、欲望のおもむくままに生き、色恋の裏表にも通じている。今やときめくのは、他人に仕掛ける恋の陰謀と、互いの恋の駆け引きだけ…。
スキャンダラスな名作「危険な関係」4度目の映画化の主人公は、何とティーンエイジャーだ。頽廃的な中年貴族の世界をそのまま現代の若者たちのあいだによみがえらせて、不思議に説得力があるのは、時代そのものもまた主役だからだろうか。微妙な感情表現、心理の綾を紡ぎだすようなセリフの応酬に挑むのは、まさしく今全米で大ブレイク中のティーン・アイドルたち。ヒット作「ラストサマー」で鮮烈な印象を残したサラ・ミシェル・ゲラーとライアン・フィリップが、それぞれメルトュイユ侯爵夫人ならぬキャスリン・メルトュイユ、バルモン子爵ならぬセバスチャン・バルモンに扮して、現代のニューヨークを舞台に、奸智に長けた罠を張りめぐらし、誘惑し、裏切り、裏切られ、傷つけ、傷ついていく・幼さと官能が入り交じったような雰囲気のある、斬新かつスリリングなセクシュアル・ラブストーリーだ。
ふたりの賭けの対象にされる清純なアネットに扮するのは、「カラー・オブ・ハート」などで一躍、注目株となっているリース・ウィザースプーン。セバスチヤンにセックスの手ほどきを受けるセシルには、大器を感じさせる新人、セルマ・ブレアが扮し、残酷なドラマに笑いを注入している。こうした若い人たちを、ルイズ・フレッチャー、スウージー・カーツ、クリスティン・バランスキーといったベテラン女優陣が支える。
金に糸目をつけない上流ティーンエイジャーたちの衣装もまた、画面に色どりを添えている。あくまでも細身のキャスリンやセバスチャンが、まるでモデルのように最新のファッションを身にまとって登場する。メールが行き交うこの時代に、書簡体というスタイルを
とった原作に忠実に、手紙が鍵となり、日記が決め手となる。「メールなど、お宅とガキのやるものだよ」とセバスチャンは言ってのけるが、それがまた妙におしゃれなのだ。
監督のロジャー・カンブルは、原作の熱心なファンであり、若い観客のために翻案できると確信して脚本を書いた。これまでにも「ジム・キャリーはMr.ダマー」などで脚本家として映画に関わってきたが、監督はこれが初めて。若者向け映画の復活をめざす「ラストサマー」「ラストサマー2」のプロデューサー、ニール・H・モリッツはただちにこの企画に惹かれ、監督もカンブルに依頼した。撮影監督は、「ボルケーノ」「ブレイド」などのセオ・バン・デ・サンデ。美術は、「トータル・リコール」のセットなどを手がけたジョン・ゲイリー・スティール。編集は、「ウォーターダンス」のジェフ・フリーマン。衣装は「死にたいほどの夜」のデニーズ・ウィンゲイト。

ストーリー

キャスリン(サラ・ミシェル・ゲラー)とセバスチャン(ライアン・フィリップ)は義理の姉弟だ。それぞれの母と父が結婚した連れ子同士で、共に名門、マンチェスター進学校の生徒。両親が留守がちのため、マンハッタンの豪壮なタウンハウスに、メイドにかしづかれ、ふたりで暮らしている。
キャスリンは学園では生徒会長として人望を集めているが、いかにも殊勝らしく首から下げてし、る十字架には、コカインが詰まっている。セバスチャンは札つきのプレイボーイで女を落とすのが趣味、征服の記録を皮表紙の日記につけている。
競って快楽を追求するふたりだが、互いのあいだは最後の一線を越えない危うい関係を保ち、情事の戦果を報告し合うことで、じらし合い、挑発し合っている。
さて学園はただいま夏休み中。ふたりの夏の計画は…。
♂キャスリンの企み:うぶな新入生、セシル(セルマ・ブレア)の処女をセバスチャンに奪わせること。
あろうことかキャスリンを振ってセシルに乗り換えた、憎い男への復讐だ。セシルの母親に、娘の相談に乗ってやってくれと依頼された立場を利用するのだ。
♀セバスチヤンの企み:ティーン雑誌の記事で見たいまどき珍しくまじめな少女、アネット(リース・ウィザースプーン)を陥落させること。
アネットは結婚するまでは純潔を守る、と宣言しているのだ。しかもアネットは新任校長の娘で、休暇中はセバスチャンの伯母の邸宅に滞在中。名うてのプレイボーイにとっては挑みがいのある獲物だ。
姉弟は賭けをする。セバスチャンがアネットの陥落に成功したら、キャスリンはセバスチャンが欲しくてたまらないもの、つまりは自分との濃厚な一夜を与え、失敗したら、セバスチャンの愛車である56年型ジャガーをいただくというものだ。
セシルは黒人のチェロ教師、ロナルド(ショーン・パトリック・トマス)と恋をする。キャスリンはふたりを操って燃えあがらせておいて、一方ではセシルの母親に通報し、仲を裂いたりして楽しむ。手紙で釣ってセシルをまんまとセバスチャンの元に送りこみ、セックスの手ほどきをさせる。その合い間に自分は、堅物のロナルドをベッドに誘いこむ。一方セバスチャンはアネットに接近するうち、さわやかな彼女に本気で魅かれていく。最初はガードの固かったアネットも、セバスチャンの真実に触れ、ふたりは結ばれる。
何だか変わってしまったセバスチャン。キャスリンはおもしろくなし、。校長に通報してやる、そうすればあんたの評判もあの子の評判も傷つくのよ!「あたしたちは同じ穴のムジナなの」現実を突きつけられたセバスチャンは、アネットに訣別を告げにいく。「おれが恋なんかするかよ。全部ウソだったんだ」セバスチャンは、キャスリンに妨害されないようセシルとロナルドの仲をとりもってやったうえで、同類であるキャスリンの元に戻る。もちろん賭けの賞金を手に入れるためでもある。しかしキャスリンの態度は冷酷そのものだった。
「あたしはあんたに勝ったのよ。評判が傷つくとほのめかされただけで、あんたは初めて愛した女を捨てた。あんたはあたしのおもちゃにすぎないの。それにね、あたし負け犬とは寝ないのよ」我に返ったセバスチャンは、すべてを打ち明ける気で日記をもってアネットの元におもむくが、会ってもらえない。おまけに、セシルが慰みものにされていたことをキャサリンの密告で知ったロナルドに、街なかで迫られる。ふたりのもみ合いを止めに入って転倒するアネット。救おうとしたセバスチャンは車に跳ねられ、死んでしまう。アネットの腕に抱かれ、最後に愛の告白をしつつ。新学期が始まる日。チャペルではセバスチャンの葬儀がとりおこなわれている。生徒会長として壇上にあがり、弔辞を読みはじめるキャスリン。すると列席していた生徒が次々に退出、ひとりとり残されてしまう。
表に出たキャスリンは目を見張った。生徒全員がセバスチャンの日記のコピーを読んでいるではないか。そこには写真入りで、キャスリンの邪悪な陰謀、冷酷な二面性が暴露されていた。そして表題には、『残酷な企み』とあった。

スタッフ

脚色・監督:ロジャー・カンプル
製作:ニール・H・モリッツ
原作「危険な関係」:ジョデルロ・ド・ラクロ
製作総指揮:マイケル・フォトレル
撮影:セオ・バン・デ・サンデ
美術:ジョン・ゲイリー・スティール
編集:ジェフ・フリーマン
音楽:エドワード・シアラムーア
衣装:デニーズ・ウィンゲイト
共同総指揮:ウィリアム・タイラー、ルース・メロン、クリス・J・ボール
共同製作:ヘザー・ズィーゼン
キャスティング:メアリー・バーニュー、アン・マッカーシー

キャスト

キャスリン・メルトュイユ:サラ・ミシェル・ゲラー
セバスチャン・バルモン:ライアン・フィリップ
アネット・バーグローブ:リース・ウィザースプーン
セシル・コールドウェル:セルマ・ブレア
ヘレン・ローズモンド:ルイズ・フレッシャー
ブレイン・夕トル:ジョジュア・ジャクソン
グレッグ・マコネル(フットボール選手):エリック・メイビウス
ロナルド・クリフォード(チェロ教師):ショーン・パトリック・卜ーマス
グリーンバウム精神科医:スウージー・カーツ
ゴールドウェル夫人(セシルのママ):クリスティン・バランスキー

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