原題:CHAKA

その男に出会うと、誰もが翻弄されていく。

1999年劇場公開作品/カラー/35mm/ヴィスタサイズ/109分/製作・配給:ビジョンスギモト

1999年9月10日よりビデオレンタル開始 1999年7月3日〜7月16日、シネマカリテにてレイトロードショー

公開初日 1999/07/03

公開終了日 1999/07/16

配給会社名 0572

解説

ヤクザとハンバーガーショップに勤める著者。二人の間には何の接点もないはずだった。あるのはただの常連客とアルバイトという関係だけのはずだった。けれど若者はいつもそのヤクザを観察していた。何故彼に興味を抱くのかは自分でもよくわからなかったけれど…。“チャカ”と呼ばれる孤独なヒットマン・島と寂しげな若者・貴志。二人の出会いはけして偶然ではなかった。父と息子、父と島、そして島と息子。旧式のリボルバーを巡る三人の男たちの隠された“因縁”。『チャカ2』は昨年劇場公開され大きな話題を呼んだ『チャカ』の外伝ならぬ内伝(!)です。大人の純愛をテーマに描いた前作を時間的に遡り、より島自身の内面の葛藤を浮き彫りにしたメンタルな作品がここに誕生しました。
前作同様『シャブ極道』『しのいだれ』『悲しきヒットマン』などで知られる山之内幸夫の同名原作をべ一スに『男たちのかいた絵』の本調有香が却本を坦当。女性ならではの細やかな感情で主人公の胸中のみならず登場人物一人一人の心の動きを丁寧に描き込んでいます。主人公・島修には前作に続き竹内力。『ミナミの帝王』『仁義』などオリジナルビデオシリーズを数多く持つばかりではなく『制覇』『鉄 平成仁侠伝』など最近劇場公開作品に主演が続く彼が本作品では“力の抜けた演技”を見せ、大人の男の哀感を表現しました。また島に出会い、自分と銃との潜在的なつながりを知る若者・貴志に陰りのある表情が印象的な新鋭・益子和浩。島に想いを寄せる透子役に『ポストマン・ブルース』『冷たい血』など話題作に出演が相次ぐ遠山景織子。貴志の同級生・さとるには『喧嘩の花道』のやべきょうすけ、そして島に奇妙な感情を持つ刑事・榎本に『影武者』の実力派・隆大介。その他、山口仁、小野砂織、大和武士、伊藤洋三郎、菅田俊など魅力的なキャストが顔を揃えています。監督は前作同様、若手俊英・渡辺武。『凶銃ルガーP08』『蘇る金狼』(97)『なで肩の狐』などスピード感溢れる映像で男の世界を続けるハードボイルドアクションの旗手が、本作品では静かな地方都市での情景を切り取ることによって登場人物の心象風景を描くことに成功しています。

ストーリー

いつものハンバーガーショップ。その男は店に入ると無言でカウンターの前に立つ。「いつものでいいですか?」とオーダーを聞くアルバイトの若者に対し「ああ」とだけ答えて男はいつもの席に着く。このやり取りがもう何回二人の間で繰り返されたことか。しかし今日はいつもと違っていた…。とある都市。廃虚のような古ぼけたベットに横たわる島修(竹内力)。関東竜誠会江本組組員。組織に属しながらも一匹狼の立場を貫く男。“チャカ”と異名をとる彼は生きながらにして既に伝説のヒットマンだった。
突如ハンバーガーショップで起きた銃撃戦。数人の男に襲われ、素早く胸元の拳銃の引き金を引く島。銃口を向けられたその男たちは全員命を落とす。体に傷を負った島。そして一部始終を目撃してしまったアルバイトの若者。若い男の名は伊沢貴志(益子和浩)。彼は亡き父親が経営していた旋盤工場の二階に島を匿った。かつては腕のいい旋盤工だった父親。しかし経営に行き詰まり、多額の借金と家族を残して自殺した。今では、地元の佐久間組の管理下にあるこの建物の中で島と貴志はひっそりと暮らしはじめる。島は組織の中で唯一心を許せる深沢(菅田俊)だけに自ら居所を伝えた。貴志の幼なじみの透子(遠山景織子)は二人のために暖かい料理を作った。執物に島の行方を追う男がいた。刑事の榎本(隆大介)だ。かつて一度だけ島と出会い、そして島に撃たれたという過去を持つ榎本。そんな彼は島との二度目の出会いを渇望していた。ハンバーガーショップでの銃撃戦の時から、榎本は貴志をマークしていた。事件後行方をくらました犯人は島に間違いない、そして貴志が最初からこの事件に絡んでいたはずだと信じて疑わない榎本。彼はある目、島と貴志が潜む旋盤工場を訪れる。そして貴志に島と彼の亡き父との思いもよらぬ結び付きを告げるのだった…。

だんだんと島に魅かれていく透子。そんな彼女の気持ちに貴志が気づかぬはずはなかった。しばらくして島は深沢からの連絡で上京し、そこで中原組長襲撃の計画を聞かされる。一方、一志と透子は連れ立って出掛けた映画館でかつての同級生・さとる(やべきょうすけ)と再会する。今は佐久聞組のチンピラとなっているさとる、三人は久しぶりに無邪気で楽しい時間を過ごす。数日後、貴志の元に戻ってきた島。彼は貴志に向かって言う。「他のために銃を作れ。俺はそれを使う」貴志は島に問い返すのだった。「親父と同じことをするのか」と…。父と男、男と息子、旧式リボルバに隠された因縁…。

スタッフ

製作: 椙本英雄
企画: 瀬戸恒雄(東映ビデオ)、北條知子、山崎伸介
企画協力: RlKIプロジェクト、伊藤源郎
プロデューサー: 山口恵子
原作: 山之内幸夫(徳間書店刊)
脚本: 本調有香
音楽: TORSTEN RASCH
撮影: 小松原茂
監督: 渡辺武

キャスト

竹内力、益子和浩、菅田俊、遠山景織子、やべきょうすけ、隆大介

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