原題:BIG SHOW

赤城麗子、海外公演決定!? ご存じ映画『のど自慢』のさすらいの演歌歌手・赤城麗子とお調子者のマネージャー・須貝ちゃんが “常夏の島”を鼻台に繰り広げる爆笑珍道中!

1999年日本映画/カラー/ 企画・制作:シネカノン/製作:シネカノン、東宝、日活/配給:東宝

1999年11月12日よりビデオレンタル開始 1999年5月15日より全国東宝系公開

記者会見の模様::http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/topics/9902/topics990207.htm

公開初日 1999/05/15

配給会社名 0001

解説

あの『のど自慢』で辛うじて立ち直った演歌歌手、赤城口子はその後、元気でやっているのか? そんな素朴な疑問に「いっちょ、お答えいたしましょう!」と動きだしたプロジェクトが、この『ビッグ・ショー! ハワイに唄えば』です。この冬、大喝采を浴びた映画『のど自慢』から飛ぴ出した、日本一元気なキャラクター、赤城麗子をめぐるこの物語は、いわば『のど自慢』のボーナス編です。
売れない演歌歌手がどんな思いで辛い営業を耐えているのか。何が彼女を突き動かすのか? 『のど自慢』の脚本執筆のために徹底してこの業界を調べあげた井筒監督が、麗子と頼りないマネージャー、須貝のために用意した新たな舞台が常夏の島、ハワイ。あの美空ひばりが夢の中で「東京キッド」を歌ったのも、若大将がハツラツと波しぶきをあげたのも、太陽の輝く楽園、ハワイだった!
しかし、あのふたりに優雅な休日は有り得ない。楽園気分を満喫したの束の間、麗子と須貝は一転してショー・ビジネスの地獄を見てしまう。ひょんなことから歌謡界のトップスター、都はるみの前座で歌うチャンスを得たにもかかわらず、尊敬する大先輩に大迷惑をかけた上に、舞台に穴を明けてしまうのだ。間の悪いことに年下の男と恋におちてしまった麗子、今度こそほんとうに歌をあきらめ、ハワイのタロ芋畑で専業主婦になる夢を見る始末。そのピンチにキテレツなプロモーター(加藤茶)も加わって、火に油を注いでしまう。歌と恋路の板挟み。いったいどうする赤城慶子……?
室井滋、尾藤イサオに、都はるみ、加藤茶、そして原田芳雄というゴージャスなキャストを迎えた『ビッグ・ショー!』。新進の山本太郎、竹内結子、女子プロレス界から渡辺智子という個性的な布陣も加え、豪快な笑いをちりばめながらも、井筒作品ならではの“心にグッとくる歌”を観客の胸に投げかけます。『のど自慢』では歌の中に人生の一瞬を垣聞見せる“普通の人々”の興奮を描きましたが、今回は“歌”と“人生”を切りはなすことのできないプロフェッショナルの世界が舞台。歌の世界に生きる人々の心の機敏をあぶリだした人間模様が描かれます。
製作の李鳳宇、共同脚本の安倍照男、撮影監督の浜田毅、音楽の藤野浩一ら、大ヒット映画『のど自慢』を世に送り出した実力派が再び桔集。「花」「T0MORROW」そして「上を向いて歩こう」であなたをイカせたあのハートフルな感動を、さらにヒートアップした極上の物語を、南の島からお届けします。

ストーリー

「のど自慢」出場を機に歌手としての自信を取り戻した赤城麗子(室井滋)とマネージャーの須貝(尾藤イサオ)。「おしどり涙」がちょっとだけ売れて気を良くしたふたりは新たに雇った付き人の高橋里美(竹内結子)を連れ、新曲の営業と慰安旅行を兼ねてハワイにやってきた。一晩だけ女子プロレスの前座で歌い、あとはビーチだ、買い物だ、とリゾート気分でやって来たのだが……。
地元プロモーターのジョー坂上(加藤茶)のキテレツな歓迎にひるみつつも、プロレスの客相手に気合いを入れて新曲「大阪しぐれ」(都はるみさんのカバー曲)を歌いあげる麗子。そんな彼女に、珍しく若い男性がサインを求めてきた。舞い上がった麗子は、止める須貝を振リ切ってその青年、日系4世のジミー(大森南朋)の車に乗り込んでしまう。
麗子を心配しつつヤケ酒をあおる須貝がバッタリ会ったのはハワイ公演に来ていた都はるみさん御一行。前座を務めるはずの新人歌手、漁火伸二(山本太郎)の入国許可が降りず、困っている事務所の幹部、田代(原田芳雄)や島田(菅原大吉)に向かって須貝は「ウチの麗子、いかがですか」とつい営業をかけてしまう。一方、夜のホノルルでロマンチックなデートを期待していた麗子は、タロ芋農場を経営するジミーの大邸宅で大家族全員に紹介されるという妙に健全なデートを終えて帰ってくる。
翌日、いきなり「前座」を告げられた麗子は顔面蒼白。実は麗子は、はるみさんの付き人時代に大チョンボをやらかし、現場から逃げ出してしまった恥ずかしい過去があったのだ。屈託なく接してくれるはるみさんの人柄に教われた麗子だが、デートの約束をしたジミーに連絡をつける間もなくステージに立つハメに。リハーサルの余裕もなく日系のお客様のリクエストで歌った「港町十三番地」は歌う方も聞く方もヒヤ汗ものの大失敗。
「もう歌えない」。再起不能にまで落ち込んだ麗子。その上「一緒にタロを育ててほしい」とジミーからプロポーズまでされ、心の整理がつかないままに翌日の舞台をすっぼかしてしまう。前座の契約は3日間。ジョー坂上に急遽ブッキングしてもらった女(武田久美子)は前代未聞のスーパー音痴だし、いつかはデビューさせようと温存していた高橋までも見切りをつけて逃げ出す始末。腹をくくった須貝は昔修行したジャグリングで場をつなごうと、涙ぐましい練習を始める。
須貝と決別し、農場を手伝う麗子に「一緒にタロを育てたほしい」とプロポーズするジミー。歌を捨てる決意をしたものの、大地に根を張って働いてきたジミー一家の日に焼けた笑顔を見つつ、麗子の心は迷い続ける。「私から歌をとったら何が残るんだろう…」
このまま終わるわけにはいかない! 意を決した麗子は必死にステージほ目指す。蝶ネクタイ姿の須貝がステージに進み出ようとしたその時、肩で息をした麗子が間一髪間に合った! 唖然とする観客を前にアカペラで「大阪しぐれ」を歌いだす麗子。胸にせまるその歌に、気がつくと都はるみの声が重なる。割れるような拍手。麗子の一世一代のビッグ・ショーが幕を開けた…!

スタッフ

プロデューサー: 李鳳宇、ジェームス・J・フリードマン、李柱益、石原仁美
脚本: 安倍照男、塩田千種、金子弦二郎、井筒和幸
監督: 井筒和幸
撮影: 浜田毅
照明: 渡邊孝一
美術: 大坂和美
録音: 鈴木肇
編集: 冨田伸子
音楽プロデューサー: 石川光
音楽: 藤野浩一

キャスト

赤城麗子: 室井滋
都はるみ: 都はるみ
マネージャー須貝: 尾藤イサオ
プロモーター・ジョー坂上: 加藤茶
都はるみの事務所の副社長・田代: 原田芳雄
麗子の付き人・高橋: 竹内結子
ジミー: 大森南朋
漁火伸二: 山本太郎
島田: 菅原大吉
メデューサ坂上: 武田久美子
日本人レスラー: 渡辺智子
ショーの司会者: 玉置宏

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