原題:THE WASHING MACHINE

みんな、どこか少しずつ傷ついている。 一週間という時間の中に凝縮して描かれる、優しさの進行形。

☆大阪国際シネマドリーム・いずみさの映画祭'98出品作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/izumisano/

1999年/日本映画/35mm/カラー/ビスタサイズ/102分/制作・配給:ボノボ+スターポード 配給協力:スローラーナー

2001年9月28日DVD発売&レンタル開始 1999年4月24日よりBOX東中野にてロードショー! 1999年9月18日(土)〜10/1(金)大阪・扇町ミュージアムスクエア 1999年10月9日(土)〜24(日)福岡・シネリープル博多駅

いずみさの映画祭での舞台挨拶風景::http://www.nifty.ne.jp/fanta/izumisano/topics/980607/980607.htm#WASHING

公開初日 1999/04/29

配給会社名 0232

公開日メモ みんな、どこか少しずつ傷ついている。 一週間という時間の中に凝縮して描かれる、優しさの進行形。

解説

漫画家を目指して上京してきた木崎は、中古電器店で一人で店番と修理を任されている。得意は洗濯機の修理。漫画家の夢を諦めたわけではないけれど、ここでの仕事も気に入っている。気になることといえば、すでに店を辞めてしまった先輩社員・大紙に金を貸してからというもの連絡が途絶えてしまったこと。ある日、バツイチで落ち目のDJである電器店社長の一人娘・節子が出戻ってくる。木崎のところにちょくちょくやってくる節子だが、店に興味があるわけでもなさそう。しかも大紙と節子の間にはなにかあるようで気にかかるし…。
日常の時聞がゆっくりと流れるどこにでもあるような小さな町の中古電器店。中古製品同様に、自分自身に懸命であるがゆえに少しずつ傷を負った人々もまた、見えない糸を手繰り寄せるようにこの店に集まる。洗濯機の修理を淡々とこなしていく時聞。その一週聞という凝縮された時聞の中で、洗濯機の修理とともに穏やかな時の流れに身をまかせてゆく人々…。『草の上の仕事』や山崎まさよし主演の『月とキャベツ』、また本作と同時期公開の『きみのためにできること』が期待される篠原哲雄監督が、下町の気安さを感じさせる堀切7丁目双葉通り商店街を撮影舞台に、ゆっくりとした時間を紡いだ、優しいラブ・ストーリー、それが本作『洗濯機は俺にまかせろ』です。

主演の木崎には、『バタアシ金魚』でデビュー、同作品で数々の新人賞を受賞して以来、映画・ドラマに活躍する筒井道隆。節子には、『南京の基督』『キッチン〜kitchen』(イム・ホー監督)など、国内外を問わず広く女優として活躍する富田靖子。また、無為な日々を送る電気店の元従業員・大紙には小林薫が扮します。撮影はこれまでにも度々監督の話題作に参加し、その他、橋口亮輔監督の『渚のシンドバット』など新鋭監督と組んだ作品が注目される上野彰吾。ピチカートファイブ、HITOMI、カジヒデキ等のストリングスアレンジ・編曲で活躍する村山達哉が音楽を担当するほか、主題歌「ポーカーフェイス」を唱う染谷俊が俳優としても参加しています。

ストーリー

中古電器店の支店で一心不乱に洗濯機の修理をしている青年がいます。店番と修理を任されている彼は漫画家を目指して関西から上京してきた木崎です。もちろん漫画家への夢を諦めたわけではなく、みんなからなんだかんだ言われようとかまわず仕事が終わってからの時間を利用して描き続けてはいるのですが…。
ある雨の日、ずぶ濡れになった女性が店へやってきました。彼女は電器店の社長の一人娘で、バツイチ&落ち目のDJの節子でした。この日から節子は店へちょくちょく顔を出すようになったのです。といっても別に店にも仕事にも興味はないようで、奥の部屋で一人でゴロゴロしたり、木崎をからかったりしていました。両親のいる本店では出戻りとしては居心地が悪いのでしょう。
木崎には一つ気になっていることがありました。それは少し前に店を辞めてしまった先輩社員の大紙のことです。以前、大紙にお金を貸して以来、彼との連絡が途絶えてしまったのです。木崎には一緒に上京してきた吉田という友人がいるのですが、なかなか人と打ち解けない吉田ですら、大紙は簡単に打ち解けてしまうので、その人柄に尊敬に似た気持ちを抱いていたのです。洗濯機修理を続けたり、何やら問題のありそうな家庭に商品を引き取りに行ったり、社長の武勇伝を聞いたり、向かいのパン屋のアルバイトの女の子にどうやって声を掛けようかと思いあぐねたりで、毎日はそれなりに過ぎていくのでした。
いつしか節子に特別の感情を持ち始めていた木崎は、商店衛を歩いているのを見かけたのを機に二人で飲みに行くことに。そのままなんだかいい感じに。それから間もなく、またも偶然に節子を見かけることになりました。しかし、今度はあの大紙と一緒だったのです。しかもただならぬ雰囲気で。
今日は店の大売り出しの日。混雑している店内に洗濯機を選んでいるカップルがいました。商品の説明をしていると、そのカップルが店頭に並んでいる洗濯機の一つが自分たちが以前、粗大ごみとして捨てた物だと言いはじめたのです。店では粗大ごみになっていた物は扱っていないはずなので、強気に応対したのですが、結局はそのお客さんの言うとおり。こんな店信用できないと出ていってしまうお客さんたち。木崎が納得できないままむしゃくしゃした気持ちを抱えていたところ、その洗濯機は大紙の持ってきた物だと判明。意を決して大紙の家へ乗り込んで行くのですが…。

スタッフ

プロデューサー: 笹岡幸三郎、細川慶人
企画: 笹岡幸三郎、月形伸志
監督: 篠原哲雄
撮影: 上野彰吾
音楽: 村山達哉
主題歌: 染谷俊「ポーカーフェイス」(エピックレコード)
原作: 宮崎和雄(第65回小説現代新人賞受賞作品)
脚本: 松岡周作
美術: 金勝浩一
撮影: 上野彰吾
照明: 矢部一男
録音: 田中靖志
装飾: 鈴村高正
編集: 富田伸子
助監督: 大崎章
制作担当: 土本貴生
アシスタントプロデューサー: 東康彦
スチール: 桑野光
特別協賛: OCT大阪工業技術専門学校

キャスト

木崎敏郎: 筒井道隆
片桐節子: 冨田靖子
小暮秀子: 百瀬綾乃
吉田雅之: 田鍋謙一郎
片桐喬 : 橋本功
片桐千栄子: 入江若葉
スナックのママ: 根岸季衣
三千円の学生: 染谷俊
離婚しそうな夫婦・夫: 鶴見辰吾(友情出演)
おばあちゃん: 菅井きん
大紙泰司: 小林薫
隣の金物屋・嘉介: 桂茶がま
笑美子: 中村敦子
パン屋のおばさん: 山梨ハナ
花屋: 南みか
スナックの恵子: 梶原阿貴
ビデオを買う社長: 山崎一
色っぽい客: 石川泰子
離婚しそうな夫婦・妻: 平沢草
カップルの男: 清田正浩
カップルの女: 足立薫
裏ビデオの客: 長江英和
チンピラ: 山田幸伸
警官: 佐藤恒治
ピデオの夫婦・夫: 山崎大輔
ビデオの夫婦・妻: しみず霧子

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