島に生きる。 石原慎太郎/原作・脚本 「オキナワの少年」の新城卓監督作品。

日本映画/カラー作品/製作・配給 新城 卓事務所

1998年5月30日シネ・ヴィヴァン六本木にて公開!!

公開初日 1998/05/30

解説

「沖縄から日本が見える」柳田国男や伊波普猷らの業績を引くまでもなく、沖縄に日本文化の原型が残されていると指摘されています。文化的にも政治的にも“沖縄”は“日本”を映し出す鏡としての存在感を示してきました。『秘祭』は、原作者である石原慎太郎氏が南西諸島・八重山に発想を得て、人口僅か十七人の過疎島を舞台に、東京からやってきた青年の前に立ち塞がる文化ギャップの壁、そしてそれを打ち崩そうとしたが故に起こる悲劇を通じて、現代社会と“日本”と照射した問題作です。今回の映画化には原作者・石原慎太郎自らが、弟裕次郎の作品以外では初めての脚本を担当します。監督には『OKINAWAN BOYS・オキナワの少年』で瑞々して感性を発揮した新城卓。15年ぶりに再度、故郷沖縄を題材にし、経済的繁栄の代償として神秘的なる物を犠牲にしてきた現代日本社会へ鋭い警鐘をならします。出演は、俳優としてのみならず作家としての活動も目覚ましい大鶴義丹、日本映画を代表する女優、倍賞美津子、その他、田村高廣、三木のり平、本田博太郎、石原良純などベテラン・個性派勢で固めています。

ストーリー

その島は沖縄・八重山諸島の中にあった。建設会社社員・高嶺敏夫(大鶴義丹)は、リゾート開発の作業を進めていた前任者が謎の死を遂げたため、その後任として島にやってきたのだ。彼は島の生活を知るために島民の人々の仕事を手伝い、生活を共にする。島民たちも彼を仲間として歓迎し、リゾート計画も好意的であるかに見えたが、「自分がだんだん島の人間になっていくのがわかりますよ」という敏夫に対して島の長である宮良部ヨシオ(田村高廣)は「島は島さ」という言葉を返すだけだった。そんなある月の夜、敏夫は島の巫女であるヨシオの娘、タカ子(倍賞美津子)に誘われるままにツクントゥモウラと呼ばれる浜辺で結ばれる。深い哀しみを抱えているかのようなタカ子に敏夫は島には、まだ自分の知らない秘密が隠されている事を感じはじめるのだった。やがて島に脈々と続く『秘祭』が行われることになり、帰島者、観光客、さらに祭の取材に訪れたテレビ・スタッフで、島はざわめきたっていた。“島ちゃぴ”“離島苦”に鈍感なよそ者と、閉鎖的で禁じ事の多い祭を行う島民たちとの間に、祭りはやがて暴動へと発展していく。そして島の秘密を知りすぎてしまった敏夫の身にも……。

スタッフ

原作・脚本 ………… 石原慎太郎
監督 ………… 新城 卓
製作 ………… 新誠 卓
企画 ………… 安次嶺 院
音楽 ………… 知名定男
題字 ………… 野呂雅峰
プロデューサー ………… 石矢 博、
平岡正明
撮影 ………… 鈴木達夫
照明 ………… 安河内央之
美術 ………… 稲垣尚夫
録音 ………… 久保田幸雄
編集 ………… 井上 治
キャスティング ………… 齋藤謙司
監督補 ………… 中田信一郎
助監督 ………… 井上 隆
製作担当 ………… 小宮慎二
企画協力 ………… 株式会社バズ・カンパニー
製作・配給 ………… 株式会社 新城 卓事務所

キャスト

大鶴義丹
倍賞美津子
石原良純
本田博太郎
梅津 栄
嘉手苅林昌
三木のり平
田村高廣

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