女の叫びに、弁護士は手を差しのべた。それは嵐の夜、予期せぬ物語が始まった。

1997年アメリカ映画/カラー作品/ヴィスタ・ヴジョン/1時間54分 提供:東北新社/配給:日本ヘラルド映画

1999年4月9日よりビデオレンタル開始 1998年10月17日より丸の内ピカデリーほかでロードショー公開

公開初日 1998/10/17

配給会社名 0058

解説

『ザ・ファーム/法律事務所』『依頼人』『評決のとき』『レインメーカー』など次々映画化された作品がヒットを飛ばし、ハリウッドの映画制作者たちから絶大な信頼を寄せられているベストラセー作家ジョン・グリシャム。その彼が遂に初めて映画用にオリジナルストーリーを書き下ろし、超A級のスタッフ&キャストを得て映画化された大形法廷サスペンスが本作『相続人』です。南部を舞台に敏腕弁護士の活躍を描くという、従来のグリシャム作品のトレードマークをしっかりと踏襲する一方で、今回は事件に巻き込まれた主人公らが見えない敵に追われつつ、真相解明に挑むというヒッチコック・スタイルのサスペンス・スリラーの要素を取り入れた点が斬新です。アクション性豊かなストーリー展開と複雑に謎を散りばめた巧妙なプロットの面白さは、まさにフィルム・ライタヘーとしての新しいグリシャムの誕生を予感させます。小説では読むことの出来ない、正真正銘オリジナルの新生グリシャム映画をたっぷりとご堪能下さい。
この新たにグリシャム・ワールドをさらにユニークに発展させてみせたのがは『ザ・プレイヤー』『ショート・カッツ』など近年ますます円熟の境地を見せている個性派監督ロバート・アルトマン。もっとも大衆的なポジションにあるベストセラー作家のストーリーを、もっともアンチ・ハリウッド的なポジションを貫いてきたアルトマンが料理することで、グリシャムの世界がさらに豊かな実りへと飛躍することになりました。

ストーリー

リック・マグルーダー(ケネス・ブラナー)はジョージア州サバナに事務所を構える有能な弁護士。裁判では8年間負け知らずの彼は、今日もフロリダ州の訴訟で劇的な勝利を収め、愛車メルセデスで意気揚々とサバナへと引き返してきたところ。オフィスではロイス(ダリル・ハンナ)以下、スタッフや友人たちが勝訴を祝うパーティを準備して彼を迎える。だか招待客の中に別れた妻リアン(ファム・ジャンセン)の姿を見つけたリックは、顔を曇らせる。弁護士としての成功を追うあまり、家庭を顧みなかったことが離婚の原因だった。リアンが離婚の担当弁護士カールとつきあっていることもリックには腹立たしかったが、それ以上に苦しめているのは、最愛の息子たちと自由に会えないことだった。パーティが終わり、自宅に戻ろうと表に出たリックは、ケータリングの宅配係の女が雨の中、車を盗まれ悪態をついている場面に遭遇し、彼女を家まで送ることにする。彼女マロリー(エンベス・デイビッツ)の説明によると、車を盗んだのは父親ディクソン(ロバート・デュバル)だという。彼女は森の中でカルト的な思想を持つ仲間たちと暮らしているディクソンに、執拗にストーキングされて困っていた。涙ながらに苦情を訴える彼女にリックは心動かされる。その夜、ふたりはベッドを共にした。翌日、リックは再びマロリーの家を訪ねる。彼女を探すうち、リックは世にもおぞましい物を目にする。天井から吊るされた彼女の飼い猫の死体だった。ディクソンの仕業に違いない。急ぎ、事務所に引き返した彼を待っていたのは、他ならぬマロリーだった。リックは彼女を安全なところにかくまうため、私立探偵のグライト(ロバート・ダウニーJR.)に協力を頼む。呼び出されたクラウドは既にマロニーのことを知っていた。数年前、検事局の依頼てディクソンの属する集団の調査をしたからだと彼は説明する。リックはディクソンを強制入院させる手続きをとることにするが、ロイスはこの事件に懐疑的な態度を見せる。ディクソンを拘留した後、リックはマロリーの元夫ピート(トム・ペレンジャー)を訪ねる。ディクソンの異常な行動を法廷で証言してもらうためだ。だがピートが協力を拒んだため、リックはやむなく召喚状を取ることにする。審問会はリックの狙い通り進み、ディクソンの強制入院が決定される。翌日。子供たちと貴重な時間を過ごしていたリックだったが、そこへディクソンが仲間たちの助けで昨夜のうちに脱走したとの知らせが…。それは惨劇が始まりでしかなかった。

スタッフ

監督: ロバート・アルトマン
製作: ジェレミー・タンネン・ボーム
脚本: アル・ハイース
オリジナル・ストーリー: ジョン・グリシャム
製作総指揮: マーク・バーグ、グレン・A・トビアス、トッド・ベーカー
撮影: クー・チャンウェイA,S,C
編集: ジェラルディン・ペローニ
美術: スティーブン・アルトマン
音楽: マーク・アイシャム

キャスト

リック・マグルーダー: ケネス・ブラナー
マロリー・ドス: エンベス・デイビッツ
クライド・ペル: ロバート・ダウニー・ジュニア
ロイス・ハーラン: ダリル・ハンナ
ディクソン・ドス: ロバート・デュバル
ピート・ランドル: トム・ベレンジャー
リアン: ファムケ・ジャン・セン

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