原題:FACE

“俺は今、35歳だ。24までは堅気だった。もし、まともに働いていれば倍の金は稼げただろう。 ”好調なイギリス映画にまた一つ心に残る名作が生まれた。

☆98年フランスコニャック国際ミステリー映画祭グランプリ受賞 ☆97年ベネチア国際映画祭正式出品作品 ☆97年トロント国際映画祭正式出品作品 ☆97年エジンバラ国際映画祭観客賞受賞作品

1997年イギリス映画/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/カラー/106分/ BBCフィルムズ&ディスタントホライズンプレゼンツ/協力:ブリティッシュ・スクリーン/ 配給:株式会社東北新社/日本語字幕:松浦美奈/後援:英国大使館、ブリティッシュ・カウンシル

1999年6月11日よりビデオレンタル開始 1998年12月19日より、恵比寿ガーデンシネマにてロードショー

かきあげこのコラム::http://www.nifty.ne.jp/rforum/fcinema/hiroba/ageko/age05.htm

公開初日 1998/12/19

配給会社名 0051

解説

ここ数年『トレインスポッティング』『フル・モンティ』『ブラス!』と話題作が続くイギリス映画。その人気を支えるのは、確かな演技力と個性を備えた俳優たちの層の厚さ。そして共通しているのはいずれの作品も今のイギリカの側面を描きながらワールドワイドに共感出来るテーマを持っていることです。本作『フェイス』についてもそれは例外ではありません。脚本のローナン・ベネットは「この作品は“フェイス”と呼ばれる武装強盗集団の物語である。5人のメンバーは、おのおのの理由から金儲けの犯行に荷担するが、一つの失敗によって何もかもが崩れ去ってしまう。それは金への執拗な<執着心>がもたらす破壊的な力、つまり今日の英国体質そのものである」と述べています。小さな欲望がすべてを破滅の縁まで追いつめること_。それは私達が共有している痛みそのものなのです。また、撮影は監督のアントニア・バードが20年近く住んでいたロンドンのイーストエンドで実際に行われ、映画に登場するキャラクターは彼女の知り合いをモデルに描かれています。『フェイス』は単なる犯罪映画ではなく犯罪者側の目を通じて現代社会において変りつつある犯罪そのものと犯罪に走った彼らの背景や動機をリアルに感じ取れる作品となっています。

ストーリー

舞台はロンドン、イーストエンド。“FACE”と呼ばれる武装強盗集団のリーダー、レイ(ロバート・カーライル)とその手ほどきをしたデイブ(レイ・ウィンストン)、観るからに抜け目のなさそうな顔つきのジュリアン(フィリップ・デイビス)は、道具と車両調達の担当、見張り役はレイのムショ仲間のスティーヴィー(スティーブン・ウォディントン)いずれも気心がしれた仲間ばかり。気がかりなのはこれが初めてのヤマになるジェイソン(デーモン・アルバーン)だ。日々の生活の中で<理想>の炎は消えかかっている。レイは自分たちが捨てた道を歩いている母や、地域のコミュニティ・センターで働く恋人のコニー(レナ・ヘディ)に会うたびに苦い記憶が甦る。犯罪を犯しても仲間への信義は欠かさず“OLD-STYLE FACE=昔かたぎ”を貫くレイにとってはそれが最後のより所となっている。そして彼らは、綿密な計画の上、造幣工場に押し入る。大金を手にするはずの5人であったが、予定通りに事は運ばず、少ない金を手にしたまま警察に追われる羽目に。何とかアジトに逃げ込み、分け前を決め、後で落ち合うことを決める。ところが翌朝、レイのところに現れたデイブは何者かに襲われ金を奪われたという。早速、レイも自分の分け前を隠していた友人の家に行くが、金は消えていた。一体、何が…。犯人を捜し始める彼らの後を警察が尾行する。仲間を疑いきれないレイは皆と別れ、コニーに「もう一度やり直したい。」と告げに行く。再び仲間と落ち合ったレイは、バーの男から「ジェイソンと彼の伯父がその前の晩、デイブと一緒にどこかに消えて行った」と言う。デイブを問い詰めると過去2年間の犯罪に目をつぶる代償として悪徳警官クリスに仕事をさせられてきたこと、娘のサラをネタに脅されてきた事を告白する。すべてはデイブの仕業だった。奪った全ての金はデイブからクリスに渡っていたのだった。レイたちはクリスの家で薬漬けになっているサラを見つける。金は警察署内の安全なところとまでは聞き出したが、逆上したデイブは怒りのあまりクリスを殺してしまう。レイは仲間にサラを車に乗せて待つように指示する。2人きりになったレイとデイブ。覚悟を決めたかのように静かに、金のありかや今までのことを話しすすり泣くデイブ。銃声がなり、家から出てきたのはレイひとりだった。危険を承知で3人は警察署へと向かった。スティーヴィーが警官の気をひき、3人はまんまと警察署内に潜り込んだ。はたして本当に金は見つかるのか?

スタッフ

監督:アントニア・バード
エグゼクティブ・プロデューサー:アナント・シン
プロデューサー:テヴィット・M・トンプソン、エリノア・デイ
脚本:ローナン・ベネット
オリジナル・スコア:アンディ・ロバーツ、ポール・コンボイ、エイドリアン・コーカー
コスチューム・デザイナー:ジル・テイラー
編集:ST.ジョン・オローク
プロダクション・デザイナー:クリス・タウンゼント
撮影:フレッド・タムス(B.S.C)
アソシエイト・プロデューサー:ヘレナ・スプリング
共同プロデューサー:ポール・ティバース

キャスト

レイ:ロバート・カーライル
デイブ:レイ・ウィンストン
スティーヴィー:スティーブン・ウォディントン
ジュリアン:フィリップ・デイビス
ジェイソン:デーモン・アルバーン
コニー:レナ・ヘディ
ソニー:ピーター・ヴォーン
アリス:スー・ジョンストン

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