いつまでもその手の中で泳いでいたかった。

1998年/日本映画/カラー作品/ヴィスタサイズ/91分/ケイエスエス 配給

1998/04/18 池袋・シネマロサにて公開

公開初日 1998/04/18

配給会社名 0027

解説

タイトルのドルフィン・スルーとは沖に出るために波の懐に潜り込んでイルカのように潜り抜けることを示すサーフィン用語で、波に乗る前のごく基本的な動作である。だが、青春という日々の中でもがき苦しむ少年にとって都会の荒波をうまくくぐり抜けるのは容易なことではなかった・・渋谷という若者の街を舞台にドラッグ、ヒップ・ホップ、ストリート・ファッション、などに身を固めながらも焦燥感と苛立ちの日々を過ごす若者の赤裸々な姿を描いた本作『ドルフィン・スルー』では、“ここから抜け出したい”と願う若者たちの、祈りにも似た想いが痛いほど伝わってくる青春群像映画です。原案は『アウトサイダー』にインスパイヤされた真木が10年間温め続けてきた企画です。尊敬する兄という存在の大きさに自分を見失う弟・誠。真木はその姿を通じてスクリーンの向こうにいる若者たちに“そこから抜け出せ!”というメッセージを放っています。また真木は本作で悟役としても主役をこなし、刹那的に生きた過去の過去を振り捨て、古着屋を営みながら愛する女性の女性の面影で共に生きる寡黙な男を肩の力の抜けた落ちつきのあるたたずまいで演じ、この作品に一層の深みを与えています。

ストーリー

渋谷を拠点とするチーム“ウォーリアーズ”のメンバー・誠(柏谷享助)は目的のない日々を過ごしていた。そんな誠にとってサーフィンが得意で誰からも信頼されている兄・悟(真木蔵人)の存在は自分を惨めに感じさせるコンブレックスでしかなかった。そんなある日、誠は思わぬことから兄の恋人・安奈(遠山景織子)の死に深く関ってしまい、兄に対して決して打ち明けられない秘密を持つことになってしまう。「俺の心の中には“兄貴さえいなければ”という最低最悪のコンプレックスが同居している。」そんな誠にとって心の支えとなるのは、デザイナー志望の親友・純平の存在と、スケボーで街を疾走することだけだった。そんな時、敵対するするチーム“悪夢”と“ウォーリアズ”がドラッグによるトラブルから大乱闘が起きてしまう。誠は“悪夢”のリーダー・隼人(丸橋聡)から激しい暴行を受けてしまうが、間一髪のところで駆けつけた悟に助け出される。だが誠は悟に口もきかずにその場から逃げ去ってしまった…。そんな誠に執拗に嫌がらせを続ける隼人。ついに誠はキレてしまい隼人に対して鉄パイプを振り下ろしてしまう!それが誠、純平、そして彼等を取り巻く仲間たちの運命を大きく変えてしまう事になるとも知らずに。

スタッフ

製作 ………… 尾川 匠
企画 ………… 服巻泰三、
伊藤秀裕
原案 ………… 真木蔵人
プロデューーサー ………… 瀬田 素
キャスティング ………… 田辺博之
音楽 ………… South Snow Valley
テーマ曲 ………… KUUIIMA KIIMA
音楽協力 ………… ZEEBRA
撮影 ………… 栗山修司
照明 ………… 鳥越正夫
録音 ………… 土屋和之
編集 ………… 奥原 茂
脚本 ………… 羽原大介
監督 ………… 伊藤秀裕
企画協力 ………… ブルーミングエージェンシー
制作協力 ………… エクセレントフィルム
制作・配給 ………… ケイエスエス

キャスト

真木蔵人
遠山景織子
柏谷享助
山田真早志
丸橋聡
瑠川あつこ
倉持裕之
浅田和義
森田純平
本田博仁
清水雄嗣
高瀬春奈(友情出演)
牧瀬里穂(友情出演)
大杉漣

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