原題:THE CHAMBER

過去に葬られ、獄中に封じ込められた “弁護士一家爆殺事件”の恐るべき真実

1996年製作/112分/カラー/Hi-Fiステレオ/原題:THE CHAMBER 字幕版:UHF-760,吹替版:UHF-761/

2004年08月25日よりDVD発売開始

©1996 Universal City Studios,Inc.All Rights Reserved.

解説

発表される小説がことごとく絶賛され、各国で熱狂的支持を集めるジョン・グリシャムは、今や世界一のベストセラー作家と言われている。「評決の街」「ザ・ファーム/法律事務所」「ペリカン文書」「依頼人」など、いずれも映画化されヒットを記録してきたが、その決定版ともいえる作品がここに登場した。  94年に発表、グリシャム作品のなかでも“とりわけすばらしい感動を与えてくれる”と絶賛された「処刑室」。映画は謎解き、サスペンスフルな展開に加えて、主人公の人間的な成長を浮かび上がらせ、死刑廃止論と人間の無知と偏見の恐ろしさを訴えていく。登場人物は肉親の絆の強さに苦悩し、エモーショナルな感動をラストに用意する。アメリカの良心がここにはある。

ストーリー

1967年4月、ミシシッピー州グリーンヴィル。公民権運動へ積極的に取り組む、ユダヤ人弁護士クレーマーの法律事務所が爆破された。現場は大惨事となり、クレーマーは両足を切断、双子の息子達は即死した。間もなく、警察は重要容疑者として、白人至上主義団体KKK(クー・クラック・クラン)のメンバー、サム・ケイホール(ジーン・ハックマン)を拘束した。
 2回の公判の結果、ケイホール被告に無罪判決がくだり、クレーマーは悲しみのあまり、自ら命を絶った。
 あの事件から30年が過ぎた。ケイホールの弁護を担当していたシカゴの法律事務所では死刑反対論者で26歳の弁護士補佐、アダム・ホール(クリス・オドネル)が、ケイホールの弁護を志願。なぜなら彼は、ケイホールの孫であったからだ。
 アダムの父エディは、ケイホールの逮捕後カリフォルニアに移り、家族全員の名前を変えてから、自らの命を絶った。ケイホールは、1980年に行われた第3回の公判で死刑判決を下され、ミシシッピー刑務所の死刑囚舎房に収監されていた。死刑執行は96年4月13日に決定していた。
 アダムはジャクソンに住む伯母のリー・ボーエン(フェイ・ダナウェイ)を訪ねた。しかし銀行家夫人として社交界に顔が広いりーは、自分の素性が露わになることを恐れていた。その翌日、アダムは刑務所を訪れ、ケイホールと面会する。が、アダムが自分の正体を告白する前に、サムは彼の正体に気付いていた。
 正式にサムの代理人となったアダムは、精力的に動き出す。連邦裁判所に駆け込むと、ミシシッピー州知事マキャリスター(デヴィッド・マーシャル・グラント)と会う。カリスマ的で野心に燃えた政治家である彼は、80年に3回目の公判を実現させ、サムを法廷に引きずり出し、死刑判決を勝ち取った当時の検事補だった。しかも、ケイホールに温情措置を与えることのできるのは彼だけだった。アダムは彼の請願を提出する。同時に、彼の法律顧問ノーラ・スターク(レラ・ローコン)の助けを借りることにした。
 ノーラの協力の下、当時爆破事件を担当した元FBI捜査官レトナーに会いにいく。しかし、レトナーは決定的な証言を決して口にしない。そんな折、ノーラが新たな事実を発見。それを証明するファイルが連邦裁判所で保管されていることを知る。だが、ファイルはサムの署名なしでは公開できない。アダムは最後の手段としてノーラと共に、連邦裁判所の管理局へ忍び込み、そのファイルを捜し当てる。そこには“RW”という、謎めいた文字が書かれていた。
 ある時、伯母リーは、アダムに一冊の本を見せた。そこには木につるされた黒人を囲んでいる白人の写真があり、幼いケイホールの姿があった。「問題は、サムはモンスターになるように育てられたの」とリーは呟いた。
 執行日まであと4日。証言台に立ったアダムは言う。「彼は、生まれたときには選べなかった・・・。彼の家族が、州が、彼を作ったのです。それがサムの悲劇なのです」
 力尽きて事務所に戻るアダム。と、そこにレトナーが。RWとはローリー・ウェッジ(レイモンド・J・バリー)であると告げた。それまで公表されずサムが隠し続けた、爆破事件の共犯者であった。
 徐々に事件の真相が明らかになる中、執行の日は容赦なく近付いてくる。そしてついに運命の日がやってきた・・・・・。

スタッフ

監督: ジェームス・フォーリー
製作: ジョン・デービス
ブライアン・グレイザー
ロン・ハワード
脚本: ウィリアム・ゴールドマン
クリス・リース
原作: ジョン・グリシャム
撮影: イアン・ベイカー
編集: マーク・ワーナー

キャスト

アダム・ホール: クリス・オドネル(大滝 寛)
サム・ケイホール: ジーン・ハックマン(石田太郎)
リー・ボーエン: フェイ・ダナウェイ(沢田敏子)
E・ガーナ・グッドマン: ロバート・ブロスキー(藤本 護)
ローリー・ウェッジ: レイモンド・バリー(西村知道)
サージェント・バッカー: ボー・ジャクソン(大川 透)
マキャリスター州知事: デヴィッド・マーシャル・グラント(津田英三)

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