原題:THE BIRD PEOPLE IN CHINA

どこか懐かしく、不思議な大人達の寓話

1998年製作/日本映画/上映時間1時間58分

2000年08月25日よりDVD発売開始 98年6月上旬公開予定

公開初日 1998/06

配給会社名 0143

解説

中国の奥地・雲南省は中国人にとっても秘境である。彼らは言う。ここでは何が起きても不思議ではない。
 自由に空を飛ぶ。人間は遥か昔から夢見てきた。誰でもきっと何かもかも忘れて空を飛んでみたいはず・・。「中国の鳥人」はそんな、どこか懐かしく、不思議な大人達の寓話。
 ひょんな事から商用で中国奥地・雲南省を訪ねたビジネスマン・和田と訳ありのヤクザ・氏家、そして中国人通訳・沈。道無き道を旅し、一行がたどり着いたのは「空を飛ぶ人−鳥人」の伝説が残る小数民族の村。日本文化の源流とも言われる雲南のこの小さな村の魅力に次第に魅せられて行く和田と氏家。果たして人は空を飛べるのか?和田のビジネスは本当にこの村に豊かさをもたらすのか?素朴で純情な村人たちとの触れ合いを通じて「現代人が忘れてしまっている何か」を思い出してゆく2人。
 椎名誠の同名小説が原作。監督は「新宿黒社会チャイナマフィア戦争」「極道戦国志/不動」の三池祟史。脚本は「岸和田少年愚連隊〜血煙純情篇〜」でも三池監督とコンビを組んだNAKA雅MURA。撮影監督は「喧嘩の花道」など多くの三池作品を手掛け、北野武監督の話題作「HANA−BI」でも注目されいる山本英夫。主人公の和田に「シコふんじゃった」「トキワ荘の青春」の本木雅弘、氏家に「八つ墓村」などの名バイプレイヤー石橋蓮司。沈に「砲艦サンパウロ」でアカデミー助演男優賞にノミネートされたマコイワマツ。鳥人学校の若く美しい先生にはオーディションで選ばれた王麗惣が抜擢された。
 撮影は中国・雲南電視台の全面協力を得て中国南西部(石林・昆明・大理・麗江)で大規模なロケを敢行。”人間飛行シーン”のCGをNHKエンタープライズ21CGチームが担当。日本文化の故郷と言われる雲南省の小数民族を取材したNHK特集が高い視聴率を上げ、多くの出版物が敢行されるなど舞台となる雲南は静かなブームを呼んでいる。(上演時間1時間58分)

ストーリー

商社に勤める変凡なサラリーマン和田(本木雅弘)は入院した同僚の岡村に代わって急遽、専門外のヒスイの輸入の為、中国・雲南省へ出張が決まった。
 目まぐるしい都会の喧騒を抜け出し、のどかな雲南省のとある無人駅についた和田。変な日本語を話す中国人通訳・沈(マコ・イマツ)と無事に会えたと思ったのも束の間、氏家は岡村に騙されたボスに命ぜられ、鉱脈の取り引きを見張りに来たのだった。
 こうして、それぞれの理由により不本意ながら中国の奥地にやって来た和田と氏家の2人の沈と共にミャンマーとの国境に位置する小数民族の村へと向かう。
 道無き道を進3人は途中、嵐に見舞われ和田は大切な書類を失う。この先は車で行けないと、亀に引かれる船を用意する沈。和田と氏家の不安は増すばかりだ。さらに沈が頭を打ち記憶喪失になるも、一行は何とか目的の村に辿り着く。そこで和田と氏家が見たものは、背中に羽根を付けてピョンピョン飛び跳ねる子供たちだった。「鳥人学校」で”飛ぶこと”を教える愛くるしい青い瞳の娘、燕(王麗惣)。純粋で素朴な村人たち・・・。和田と氏家はこの雄大で美しい山々に囲まれたゆっくりと時間の流れる村でしばらく過ごすことになる。
 軽い興味から「鳥人学校」を訪れ、イギリス人である燕の祖父がこの村にあった「鳥人伝説」の証拠を見つけ出した事を知る二人。英語で残された日記、墜落した姿のままで池に残る英国空軍機。燕の歌うスコットランド民謡「アーニーローリー」。親切心と興味から燕の祖父の数奇な運命を辿るうちにその生き様にそして燕に憧れを抱く和田。一方氏家もこの豊かな自然を持つ村に魅かれはじめる。しかし二人の帰国の時は近づいていた・・・。

スタッフ

製作:岩切靖治、古里靖彦
製作協力:中沢敏明
エクゼクティブプロデューサー:鳥山 誠
企画:宇田川文雄、伊藤秀裕
企画協力:平田道弘、清水敬之
プロデューサー:渡邊範雄、辻裕之、王子精波
監督:三池祟史

原作:椎名誠(「中国の鳥人」新潮社刊)
脚本:NAKA雅MURA
音楽:遠藤浩二(SOUND KID'S)
撮影監督:山本英夫(J.S.C.)
照明:田部谷正俊、原由己
録音・調整:中村淳
美術:増本知尋
装飾:尾関龍生
編集:島村泰司
音響監督:柴崎憲治
助監督:加藤文明
美術監督:伊藤ゲン
衣裳:磯井篤郎
挿入歌:「アニーローリー」スコットランド民謡 唄/ザ・スコラーズ(東芝EMI)
「女のきもち」 唄/角川博(BMGビクター)

キャスト

和田誠治:本木雅弘
氏家:石橋蓮司
沈増元:マコ イワマツ

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