原題:SORA NO ANA

第10回PFFスカラシップ作品 人生は曇ってばかりじゃない

第30回ロッテルダム国際映画祭 国際批評家連盟賞・特別賞受賞 第51回ベルリン国際映画祭・ヤングフォーラム部門出品作品

2001年/35ミリ/127分/アメリカンビスタ/カラー ぴあ、フラミンゴ、ビームエンタテインメント提携作品 配給:ぴあ

2002年06月25日よりDVD発売開始 2002年06月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2001年6月22日〜7月2日第23回ぴあフィルムフェスティバルにてプレミア上映 2001年9月29日よりユーロスペースにて公開

公開初日 2001/09/29

公開終了日 2001/11/22

配給会社名 0148

公開日メモ 「PFFアワード'97」で準グランプリを獲得し、劇場公開もされた『鬼畜大宴会』が国内外で高い評価を受け、衝撃的なデビューを飾った熊切和嘉監督。第10回PFFスカラシップ作品として、4年ぶりに放つ第2弾は、過激な暴力描写とは一切無縁のさわやかな人間讃歌だ。

解説


「PFFアワード’97」で準グランプリを獲得し、劇場公開もされた『鬼畜大宴会』が国内外で高い評価を受け、衝撃的なデビューを飾った熊切和嘉監督。第10回PFFスカラシップ作品として、4年ぶりに放つ第2弾は、過激な暴力描写とは一切無縁のさわやかな人間讃歌だ。
舞台は監督の故郷・北海道ののどかな町。街道沿いでギャンブル好きの父とドライブイン<空の穴>を営む市夫は、東京からの旅行途中で恋人に見捨てられた妙子と出会う。
一文無しの彼女をバイトに雇い、共有する時間が増えるにつれて市夫はほのかな思いを募らせていく。
自らの殻を破るため、人生で初めて味わう真剣な恋に不器用ながらも誠実に突き進む市夫。だが、愛されることに臆病になっている妙子に、この恋愛はあまりに重過ぎた。激しい雨がやみ、必然的に訪れる別れ。しかし、抜けるような青空と柔らかな陽光は、市夫が踏み出そうとする新たな門出を祝福していた。

主演は北野武監督作品に欠かせない存在、『ソナチネ』『BROTHER』、是枝裕和監督作品『ディスタンス』で今や日本映画界の柱の1人として活躍する寺島進。人生の転機を迎えた、中年に差しかかろうとする男の感情の機微を真摯に醸し出す。相手役には、新藤兼人監督の『生きたい』(’99年)でデビューした新鋭の菊地百合子を抜擢。重要な役どころを自然体で演じ切り、今後の飛躍を期待させる。
吹き抜ける風が心地良く、木々や草原の緑が薫る自然の中で、人生に踏みとどまりそうになった男女の再生物語が優しい視線で紡ぎ出された。何度飛ばされてもドライブインの屋根の上でそよぐ<空の穴>の織が印象的で、観るものに勇気を与える感動が運ばれた。

ストーリー



どこまでも拡がる緑、道路、そして青い空。
妙子(菊地百合子)は、恋人・登(澤田俊輔)と一緒に北海道をあてなく旅していたが、ちょっとした口論がきっかけで、ガソリンスタンドにひとり置き去りにされてしまう。
ドライブイン<空の穴>で料理人として変わらぬ日々を送る市夫(寺島進)は、道楽オヤジの旭(外波山文明)と二人暮し。その旭は、市夫の愛車とともに輓馬開催地廻りのギャンブル旅にでてしまう。
登に捨てられ野宿を続ける妙子。空腹に耐えかねた妙子は<空の穴>で無銭飲食をするが、すぐに市夫に捕まってしまう。反省の色もない妙子の、しかし、余りにさみしそうな後姿を不思議そうに見送る市夫。その夜、野宿していたサイロが全焼し、妙子は市夫に拾われ<空の穴>での二人だけの共同生活が始まった。
店を手伝う妙子に、次第に惹かれていく市夫。妙子が東京への旅費が貯まった日、そんな市夫に応えるかのように、市夫に声をかける。
「・・・・一緒に寝ます・・・・?」
失った何かをお互いの存在で埋めようとする二人。
そんなある日、二人は偶然、登を見つける。市夫は妙子に登との”決着”を強要するが・・・。

スタッフ

製作:矢内廣、赤城聡、川島晴男
ブロデューサー:森本英利、天野真弓、中村和樹
ラインプロデューサー:高木竜
監督:能切和嘉
脚本:熊切和嘉、穐月彦
撮影:橋本清明
照明:大坂章夫
録音:吉田憲義
美術:西村徹
編集:熊切和嘉
スタイリスト:星輝明
メイク:木田茂
音楽:赤犬、松本章
助監督:亀井亨
キャスティング:窪田昭子
制作主任:田口雄介
アシスタントプロデューサー:和氣俊之
宣伝プロデューサー:荒木啓子

製作協力:株式会社フィルム・シティ
製作:ぴあ株式会社、有限会社フラミンゴ、株式会社ビームエンタテインメント
配給:ぴあ

キャスト

市夫:寺島進
妙子:菊地百合子
登:澤田俊輔
山崎:権藤俊輔
旭:外波山文明

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