リンキング・ラブ

萩島宏の同名のネット小説から実写化映画化した本作は、両親の不仲危機に遭遇したアイドル好きの女子大生・美唯が、部屋に昔からあった魔法のランプの守護神によって1991年のバブル終焉期にタイムスリップ。大学生の若き両親に出会った美唯は、二人の恋を成就させて未来の危機を回避するために、何とその時代にAKB48の楽曲を持ち込んで、アイドル・グループASG16を母親と結成して奮闘する、奇想天外なタイム・スリップ・ファンタジー・ワールドが展開されます。
主演は、主人公のアイドル好きの女子大生・美唯を演じるのは、唯一無二の存在感とダンスを武器に宮本亜門演出のミュージカル「ウィズ～オズの魔法使い～」や数々の舞台で活動の幅を広げ、本作品で映画デビューで初主演を飾ったAKB48の田野優花。そして美唯の母親・由美子役には、現在公開中の『22年目の告白-私が殺人犯です-』（17）にも出演し、NHK「LIFE！～人生に捧げるコント～」でコントにも挑戦して幅広い才能を見せている女優の石橋杏奈。この二人に若き父親の茂手木健一郎を演じるのが、ミュージカル「テニスの王子様」でデビューして以来、注目度上昇中のイケメン俳優・白洲迅。そしてオーディションによってASG16のメンバーに選ばれた益田恵梨菜、樋井明日香、未浜杏梨、長谷川眞優、佐々木しほ、眞嶋優、古橋舞悠、森岡朋奈、磯原杏華、葉月、百合沙、落合萌、久田莉子、木下愛華のフレッシュな女優が顔を揃えています。また中尾明慶、落合モトキ、加藤諒、大倉孝二、浅田美代子、渡辺徹、西村まさ彦ら個性豊かな実力派俳優が脇を固めています。
劇中では、当時を象徴する流行や現象、「ぶっとび～」といった言葉などが数々登場するなど、現代とのカルチャーギャップを知ることができるとともに、圧巻なのが16人の女優たちが演じる女子大生たちによって結成されたＡＳＧ１６が、ＡＫＢ48の＜制服が邪魔をする＞＜Everyday、カチューシャ＞＜フライングゲット＞＜恋するフォーチュンクッキー＞の名曲、ヒット曲の4曲を劇中で完全コピーして歌とダンスを見事に表現。撮影クランクイン前１か月に渡るレッスンによって習得し、その圧巻のクライマックスは、音楽映画としてのテイストも見事に描かれています。
そして本田美奈子が1987年に歌って大ヒットした80年代の名曲＜Oneway Generation＞をThinking Dogsが本作品の主題歌としてカバーしているなど、映画の余韻をひときわ快いものにしてくれています。