伊藤くん A to E
2018年/日本/配給:ショウゲート
2018年初春 全国ロードショー
©「伊藤くん A to E」製作委員会
解説
容姿端麗だが、自意識過剰で無神経すぎる【痛男】伊藤(いとう)誠二郎(せいじろう)。彼に人生を振り回される女たち。
【A】伊藤に粗末に扱われ続ける才色兼備の高級カバン販売員
【B】伊藤からストーカーまがいの好意を持たれる、バイトに身の入らないフリーター
【C】親友が想いを寄せる伊藤を寝取る、男を切らしたことのないタルト店の店員
【D】処女は重いと伊藤にふられ自暴自棄に初体験を済ませようとする大学生
・・・そして、【E】女たちの伊藤にまつわる恋愛相談をネタに新作ドラマで再起を図る売れなくなった脚本家
そんな【毒女】たちが伊藤に抱く恋心、苛立ち、嫉妬、執着、優越感、見栄、欺瞞、欲望…、人間なら誰しもが抱える“毒”が刺激的に鮮やかに描きだされ、ラストに放つ「痛男・伊藤」の一言で、物語は一転、全く別の扉を開きます。そんな予測不能でスリリングなストーリーが話題を呼び、遂に待望の映像化が実現しました。
主人公・伊藤誠二郎を演じるのは、現在放送中の日曜劇場「小さな巨人」でもその存在感を際立たせる実力派俳優・岡田将生。今夏には伝説の大ヒットコミックを映画化した『銀魂』、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の公開を控えるなど、その確かな演技力で変幻自在にキャラクターを演じ分け、話題作の常連。気品のある甘いルックスで圧倒的人気を誇りながら、『悪人』、『告白』でのヒール役の演技が評価され、2011年には日本アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。そんな岡田が本作では、関わる女たちの人生を翻弄する前代未聞の【痛男】を演じます。とにかくモテるが、行き過ぎた自己愛から、関わる人すべてを不幸にする ― イケメンなのに全く共感できない新しい形のダークヒーローともいうべき難役に「演じられるのは彼しかいない」と、廣木監督が白羽の矢を立てました。
そして、「伊藤」の存在に迫っていく崖っぷちの脚本家・矢崎莉(やざきり)桜(お)には、作品ごとに異なる魅力を放ち、女優として名実ともに一気に開花した、木村文乃。洗練された美しさを持ちながらも親しみやすさを兼ね備え、高い好感度を誇る稀有な女優として、映画・ドラマに欠かせない存在となっています。本作で木村が演じるのは、プライドだけは高く、腹の奥で毒を吐きまくり、他人の不幸を利用してまで返り咲こうとする崖っぷちの【毒女】という役どころ。好感度最低の「痛男・伊藤」に立ち向かう存在として、「これまでのイメージとギャップのある、腹黒くしたたかな木村文乃が見たい」という廣木監督の願いで今回のキャスティングが実現。新たな一面をスクリーンに焼き付け、初共演となる岡田将生と、互いに“毒”を持って演技合戦に挑みます。
本作でメガホンをとるのは、近年では『ストロボ・エッジ』『PとJK』など、青春恋愛映画での活躍が目立つが、実はもう一方で『ヴァイブレーター』『さよなら歌舞伎町』など、深く人間心理をあぶり出し、海外でも高い評価を受ける実力派・廣木隆一。本作の「華やかな甘い恋愛模様に秘められた、心の奥に潜むそれぞれの毒を、廣木監督の手によって描き出してほしい」と考えた製作陣が熱烈オファー。いよいよ、廣木ワールドの真骨頂を発揮します。物語は2つの視点で展開。伊藤がクズっぷりを発揮し【A~D】の女たちを振り回していく、まるでライブアクションを観るかのようなシーンの一方、4人の女たちが「恋愛相談」で莉桜のもとに駆け込む様が描かれます。一見優しくアドバイスする莉桜が、「こんな男のどこがいいのか」と、赤裸々で無様な彼女たちの悩みを心の中では毒づき、あげく新作ドラマのネタにしようと画策します。やがて2つの視点がクロスしていき、4人を翻弄していた【痛男】が実は同一人物で、しかも莉桜が主宰するシナリオスクールに通う伊藤誠二郎だったことが明らかになります。伊藤はこれまで、莉桜にとって優越感を持ち続けるために“飼い馴らしてきた”存在。そしてそこから、【E】莉桜自身が、赤裸々に無様に伊藤と向き合うことになってしまう――
今まさに話題の本格派キャストと、実力派監督によるタッグが、どんな化学反応を見せるのか。予測を裏切られ、観れば震撼する、未だかつてない恋愛ミステリーが誕生します。
※【痛男】「痛い男」の略。周りが引くような男 = ナルシスト、ケチ、俺様な態度、プライドが高い、といった特徴がある。
【毒女】「独身女性」を意味するネットスラング。いつまでも独身の女性でいそうな人=何か問題・毒がある人という意味も含む。
ストーリー
20代半ばで手掛けたTVドラマ「東京ドールハウス」で一躍売れっ子になり、過去の栄光でなんとか一流としてのプライドを保っている崖っぷちのアラサー脚本家・矢崎莉(やざきり)桜(お)(木村文乃)。腹黒くしたたかな【毒女】の彼女は、返り咲きたい一心で自身の講演会に参加した女性4人に目をつけ、彼女たちから受ける恋愛相談をネタにするための取材を始める。
◆相談者【A】・島原(しまはら)智美(ともみ)は、「伊藤」に5年片想い中だが粗末に扱われ続ける才色兼備の高級カバン販売員。
◆相談者【B】・野瀬(のせ)修子(しゅうこ)は、「伊藤」にストーカーまがいの好意を持たれるが、その解決も自分の人生も
他人任せなフリーター。
◆相談者【C】・相田(あいだ)聡子(さとこ)は、親友(実希)が想いを寄せる「伊藤」を寝取ってしまう、男を切らしたことがない
タルト店の店員。
◆相談者【D】・神保(じんぼ)実(み)希(き)は、処女が重いと「伊藤」にふられて自暴自棄になり、人気放送作家相手に初体験を
迫ろうとする大学生。
彼女たちを振り回す男たちは、みな容姿端麗らしいが、自意識過剰で幼稚で無神経。聞くにつけ首をかしげたくなるほどの「痛男」なのだ。
こんな男のどこがいいのか。いったい何者なのか。
莉桜は脚本に書き進めるうちに、【A~D】の女たちが語る「痛男」が全て同一人物ではないかと考えはじめる。
そしてある日、伊藤(いとう)誠二郎(せいじろう)(岡田将生)が莉桜の前に現れる。彼は、莉桜が講師を務めるシナリオスクールへ熱心に通う脚本家志望の生徒の一人。口先ばかりでこれまで1度も脚本を書き上げたことのない伊藤は、莉桜が最も軽蔑している生徒だったが、そんな彼が、なんと自分に関わった4人の女【A~D】たちの物語を描く企画を挙げているという。これまで取材で追いかけてきた「痛男」の正体が、最も見下していた自分の生徒「伊藤」だった。それだけでなく、莉桜が再起をかけて取り組んできた渾身のネタを彼に奪われそうになっている。二重の衝撃にショックを受ける莉桜【E】。追い詰められた彼女が起死回生をかけて起こした行動とは―。そして、突如動き出した伊藤の狙いとは―。予測不能な、衝撃のラストに誰もが震撼する―。
スタッフ
監督:廣木隆一
原作:柚木麻子「伊藤くん A to E」(幻冬舎文庫)
配給:ショウゲート
キャスト
岡田将生
木村文乃
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