2017年/日本/カラー/106分/配給:アークエンタテインメント

2017年7月15日(土)渋谷シネパレスほか全国公開

(C)2017クエールフィルム

解説

Ⓒクエールフィルム

本前を向けば、本当の自分がそこにいる。
不器用で引っ込み思案なヒロインは、
あなたかもしれません。

NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、連続テレビドラマ「結婚できない男」、「オトナ女子」などで知られる人気脚本家・尾崎将也による、長編映画監督作『世界は今日から君のもの』。
尾崎が書き下ろしたのは、不器用な女の子が一歩外の世界に足を踏み出す姿を、時に微笑ましく時にウルッとさせながら温かく見守る成長の物語だ。

離れて暮らしながらも娘への愛ゆえに過保護になり、新たな挑戦を邪魔する母親。ちょうどいい距離感を掴みきれない心配性の父親。そんな両親の間で揺れ動きながら、本当の自分をなかなか見つけることができないヒロインが、イラストを描くという特技を開花させたことをきっかけに、少しずつ閉じこもっていた殻を破っていく。社会で働く責任、のしかかる期待、恋の予感、女同士の友情、自立するということ。模索したっていい、迷ったっていい、たとえそれが遠回りでも…立ち止まりさえしなければきっと道は見えてくる!

尾崎将也が門脇麦をイメージして書いたオリジナルストーリー

オリジナルな自分を見つけ出そうともがくヒロイン・小沼真実を演じるのは、持ち前の独特な雰囲気を活かしてテレビドラマ・映画で大活躍中の女優・門脇麦。尾崎は、自身が脚本を務めたフジテレビ系連続テレビドラマ「ブラック・プレジデント」に出演した門脇の演技と個性的なオーラに一目ぼれ。当て書きする形でどことなく風変わりでピュアな女の子を創造。
門脇もフワフワとした真実の姿を等身大に表現することで、名脚本家からのラブコールに見事応えた。

真実のイラストを描く才能を見抜くゲーム会社社員の矢部遼太郎を、若手実力派の三浦貴大が優しさを醸し出して好演。ひょんなことから真実を居候させることになるスタイリストの安藤恵利香は、人気モデルの比留川游。真実の心配性の父親・英輔を個性派のマキタスポーツ、真実を精神的に縛る奔放な母親・美佳をYOUが演じる。真実が描く温もりのあるイラストを手掛けたのは、詩人でもあるイラストレーターの丸岡永乃。エンドロールにもイラストを提供し、最後まで作品に温かみを宿す。

ファッションにもガーリーなこだわり

ストーリーを、よりオシャレに彩るファッションにも注目。外の世界に踏み出せないものの、自分の世界をきちんと持っている真美の性格をビジュアル面で表すために、門脇が身に着ける衣裳はすべて古着からチョイス。細部にわたるそんなこだわりが、映画『アメリ』のオドレイ・トトゥのような “ちょっと風変わりな女の子”を現代日本にリアルに誕生させた。

一方、真美とは正反対の性格の持ち主ながらも友情をはぐくむ恵利香は、職業・スタイリストという設定だけに登場毎にテーマの異なるスタイルを披露。洗練されたポジティブな大人女子感漂うコーディネートを、支度チームが演じる比留川本人と相談しながらクリエイト。サバイバルゲームのシーンでは、クールさとセクシーさが共存するブラックレザースタイルでインパクト大だ。

主題歌は藤原さくらの「1995」

エンディングを飾るのは、フジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」でも注目を集めた、シンガーソングライターの藤原さくら。カントリー調のメロディーと英語歌詩による楽曲「1995」が、ヒロインの心に寄りそう。

Ⓒクエールフィルム

ストーリー

引っ込み思案な性格で自分の世界に閉じこもってきた

真実(門脇麦)は、そんな娘との距離感を

上手く掴むことができない父親・英輔(マキタスポーツ)

2人暮らしを送っていた。

 

過保護ゆえに娘の個性を認めない母親の美佳(YOU)と英輔は真実が高校生の時に離婚。 卒業後、真実は自立するために機械部品工場でアルバイトをし、自分の足で歩みはじめるが、バイト休憩中に立ち寄った海辺でクラゲに気をとられ、海へダイブ。 その際の怪我を理由にアルバイトをクビになり、ニート生活に逆戻りするはめに。

 

そんなある日、常々娘の将来を心配していた英輔が、

新たなアルバイト先を見つけてくる。

 

それは発売前の新作ゲームに不具合がないかを実際にプレイして探す“デバッカー”という仕事だった。真実は英輔にいわれるがまま大手ゲーム会社MAGESに通い、誰とも会話せずに黙々とゲームをプレイし、バグ探しをこなす日々を送る。

 

ある日、休憩中に非常階段で一人菓子パンを

食べていた真実は、新作ゲームのキャラクター“忍”の

イラストが描かれた社外秘の資料を拾う。

 

それは製作部ディレクターの矢部遼太郎(三浦貴大)が担当する新作ゲームのキャラクターで、納期間近にも関わらず、イメージに近づかないビジュアルの修正に窮していたものだった。

 

偶然資料を手にした真実はイラストを

本人に返そうとするも、引っ込み思案なあまり、

結局行動に移すことができなかった。

 

その翌日、矢部のパソコンに一通のメールが届く。

それは見事に手直しされた“忍”のキャラクターイラストだった。だが送り主のメールアドレスはいつも依頼しているデザイナーのものではない。そのセンスと熟練の仕事ぶりに感服した矢部は、正体不明の送り主に別のキャラクターの修正依頼を試しに送ってみる。

 

その正体不明のデザイナーこそ、真実だった。

 

引きこもり生活を送る中で真実は、好きな漫画やイラストを正確に模写することで現実逃避をして生きてきた。その5年間で培われてきた画力と腕前はプロ顔負けのもの。家族にも内緒にしてきた絵を描く趣味は、正体不明のデザイナーが真実であることを知った矢部によって、類まれなる才能として認められることに。ゲーム会社が主宰したサバイバルゲームに嫌々参加した真実は、そこで矢部と初対面し、新規ゲームのデザイナーとしての仕事を任される。単調な日々が一転、初めて自分自身の存在を肯定された真実は、気持ちを新たに真っ白なスケッチブックに向き合う。

 

ところが、これまで誰かの模写ばかりを描いてきた真実には

自由にオリジナルを描くことに戸惑うばかり。

 

そこにのしかかるプレッシャーと矢部への淡い気持ち。上手く消化できない真実は、仕事を放棄する形で家を飛び出してしまう。居場所を探す矢部や英輔から携帯に入る着信。それらを無視して歩き続ける真実の足を止めたのは、母親・美佳からの電話だった。

 

すべての事情を英輔から聞いた美佳は、

いつものように

良かれと思って傷心の真実にこう告げる。

 

「自分の身の程をわきまえて」。真実は思い出す、幼少期にゴミ捨て場で拾ったビーズやビー玉の宝物を母親に勝手に捨てられ、“自分”がなくなってしまったような気持ちになったことを。やはり自分は変われないのだろうか。真実がそんな思いに捕らわれたとき、目の前にどこかで見たことのある女性が立ちはだかる。それは真実がサバイバルゲームで運よく倒せた唯一の相手で矢部の元恋人・安藤恵利香(比留川游)。ひょんなことから真実は恵利香の家に転がりこむが……。

スタッフ

監督・脚本:尾崎将也

キャスト

門脇麦
三浦貴大
比留川游
岡本拓朗
安井順平
駒木根隆介
マキタスポーツ
YOU

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https://youtu.be/TYqWH4lypNw
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