ザ・クリミナル
原題:The Criminal
ヨーロッパ各国の映画祭が興奮した新感覚クライム・サスペンスに絶賛の嵐!!
2000年/イギリス/1時間40分/カラー/ドルビーSRD 配給:アルバトロス・フィルム
2001年8月24日DVDレンタル開始/2001年8月24日ビデオ発売&レンタル開始 2001年3月24日より渋谷・シネマ・ソサエティにて公開
公開初日 2001/03/24
公開終了日 2001/04/13
配給会社名 0012
公開日メモ ここ数年、世界中を賑わせているイギリス映画界に、またもや新しい才能が花開いた。弱冠27歳のジュリアン・シンプソン監督。ヨーロッパの若者、映画関係者、批評家、マスコミは絶賛
解説
ここ数年、世界中を賑わせているイギリス映画界に、またもや新しい才能が花開いた。弱冠27歳のジュリアン・シンプソン監督。ヨーロッパの若者、映画関係者、批評家、マスコミは彼のデビュー作『ザ・クリミナル』に大興奮。『トレインスポッティング』のダニー・ボイル、『ロック、ストック&トゥースモーキング・バレルズ』のガイ・リッチーに匹敵する新たな俊英と、誰もが絶賛の言葉を口にした。シンプソンは23歳の時に初めて短篇映画を撮り、すぐさま『ザ・クリミナル』の脚本にとりかかる。名もない若者の、初めて書いた長篇の脚本。とはいえ、それは並みの脚本ではなかった。その面白さは必然的にさまざまな出会いを呼ぶことになる。『レザボア・ドッグス』の編集を手掛けたマーク・ア—ロンズ、『トゥルーロマンス』の製作者マイケル・ヒュ—ザーといった人々が瞠目し、さらには、アメリカの大手エージェントをも即座に虜にした。資金提供に名乗りを上げる会社も数社にのぼり、最終的にはかのパルムピクチャーズが引き受ける。「脚本を読んで、この映画が観客を魅了しないはずはないと思った。こんなに素晴らしい才能に恵まれた若い監督と一緒に仕事をする機会を、どうしても見逃すわけにはいかなかったんだ」
誰もを魅了したこの脚本の、最初の着想は『ターミネーター』にあったという。「できあがった『ザ・クリミナル』を観ると、このはるか彼方に『ターミネーター』があったとはとても思えない。だが『ターミネーター』も、単純な追跡劇という点では同じで、しかも製作費用も高くなさそうだった。『ターミネーター』のサスペンスと面白さは、リンダ・ハミルトンが、自分ではなぜ追いかけられているのかわかっていないところと、ターミネーターがつねにすぐ後ろに迫ってきているという点にある」。
そして、『ザ・クリミナル』の主人公“J”という売れないミュージシャンの青年も、覚えのない殺人容疑をかけられ、つきまとう黒い影と警察から逃れるためにロンドンの街をさ迷う。たまたま悪い時に悪い場所に居合わせてしまったがために。プロデュースを引き受けたクリストファージョンソンは、シンプソンを撮形のニック・モリスに紹介する。シンプソンは以前からこのカメラマン(ニックは『エイリアン3』のセカンド・ユニットを撮影している)を尊敬していた。この追跡劇に、”フィルムノワール”を妨佛させるような映像を求めていた彼は、現代のカラー用フィルムや最新技術を使ってフィルムノワールの雰囲気を醸し出すためには、撮影担当者の重要性が問題になってくることを知っていた。「僕らはフィルムノワールの監督たちが現代のカラー用フィルムを使ったらどういう方法で撮影するだろうと考えた広角レンズでの撮影や、通常では使わないカメラアングルにも興味があった主人公をクローズアップで撮るだけなんていやだったんた。ニックはこの僕の考えを理解してくれた。尋問のシーンでは、たった一つの照明が出演者たちを頭上から照らすようにするその場面の陰影を考えれば、僕らがとういった映像を作ろうとしているのか、わかってもらえると思う。ジュリアンのやりかたはとてもエキサイティングで、ほかの映画では決しててきないような照明を試すことができた」。ロンドンに対して愛情と憎悪の両方を抱いていたシンプソンは、主人公”J”が置かれた状況を反映するような、残酷な町の姿を活かしたいと考える。
「Jは、この町そのものにも裏切られたと感じはじめる町の風景は、人の心を映し出すものでもあるんだ。暗い路地裏や袋小路のシーンの多さは、窮地に立たされているJの心境そのものだ」
脚本上の登場人物はそれぞれに個性がはっきりしていたが、シンプソンは特定の俳優を想定していたわけではない。しかし、シンプソンとプロデューサーのジョンソンは、人気テレビシリーズ「第一容疑者」のスティーブン・マッキントッシュを見てJ役にうってつけの俳優が見つかった!と同時に確信した。
「Jはどこにでもいるごく普通の人間だこれまでの人生に変わったところはなく、言うことだけは立派だが必死になって何かをした経験もないこの映画は、そんななんの変哲もない。一人の男が偶然にある不幸へと巻き込まれていく物語だ。僕たちは、J役には顔は売れていて、しかもこれまで演じてきた特定の役のイメージを引きずっていない俳優を望んでいた。その意味でスティーヴンはJを演じるのに完壁な役者たと思った」。脚本を読むなり、僕はこの作品の虜になってしまったんだと語るマッキントッシュ。彼は即座に出演を承諾した。そのほかのキャストも少しの妥協も許さずに、運命とも呼べるさまざまな偶然に助けられて決定していった。俳優たちは一様にジュリアン・シンプソンの映画に対する新鮮なアプローチに共感し、その才能を大いに信用したどう演じるか、どういう映像がふさわしいかということについて明確な答えをもちながら、最終的には俳優の裁量に任せるという彼のやり方は、俳優たちにとってエキサイティングなものになった。新世紀のイギリス映画界が仕掛ける“ネオ・ノワール・ムービー”このエンドレス・クライムに、日本の映画ファンが巻き込まれる日は近い。
ストーリー
これは陰謀なのか?偶然なのか?ある女性との運命的な出会いが全ての悪夢の始まりだった!
売れないミュージシャンJ。定職もなく、いつものように飲んだくれていたある晩、バーで魅力的な女性サラと出会う。ようやくツキが回ってきたと確信!しかし、思わぬ不幸が彼を襲う。サラを誘い、自分のアパートへ連れ込んだはいいが、そこでサラが何者かに惨殺されてしまったのだ!当然、殺人容疑者となってしまうJ。証拠不充分で逮捕は免れたものの、ここからが彼の本当の悪夢の始まりだった。彼は真犯人を独自に探し出そうとした瞬間から何者かに命を狙われることに!知らず知らずに事態は国際的犯罪組織という禁断の世界まで発展していくが…。決して足を踏み入れてはいけない地獄のような世界を体験する。彼に残された道は、自分の命のためそして、自分の無罪をぬぐうために姿の見えない”何か”と戦うことだった!!
スタッフ
監督、脚本:ジュリアン・シンプソン
製作:クリストファー・ジョンソン
製作総指揮:H・マイケル・ヒューザー
ダニエル・ジュネッティ
シュゼット・ニューマン
編集:マーク・アーロンズ
撮影:ニック・モリス
衣裳:ロージ・ハケット
キャスト
ホリー・エアード
イヴァン・アタル
バーナード・ヒル
エディ・イザード
スティーヴン・マッキントッシュ
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