原題:那山 那人 那狗/Postmen in the Mountains

山里に心をつなぐ人間の"ぬくもり"が、大切な家族の"絆"が生きている。

2000年インド国際映画祭銀孔雀賞(審査員大賞) 1999年モントリオール映画祭「観客大賞」 1999年中国金鶏賞受賞 最優秀作品賞/最優秀主演男優賞

1999年/中国/93分/ドルビーSR/ビスタサイズ/翻訳:森川和代/字幕:清水馨 提供:キネマ旬報社/エフプロモーション/東宝東和

中国映画の全貌 2007にて上映::http://www.ks-cinema.com/schedule.html 2002年5月24日ビデオ発売&レンタル開始 2001年11月17日より新百合ヶ丘ワーナーマイカルシネマズ  2001年10月27日〜11月9日まで関内アカデミーにてロードショー 2001年4月7日より岩波ホ-ルほか全国にてロードショー

公開初日 2007/07/31

配給会社名 0002

解説


1999年、中国のアカデミー賞である金鶏賞では、チャン・イーモウの「あの子を探して」が圧倒的優位とささやかれていたが、結果は、フォ・ジェンチイの「山の郵便配達」が作品賞と主演男優賞に輝いた。

 「山の郵便配達」に描かれた家族のあり方と、清涼感あふれるドラマは、現代に生きる私たちにフォ・ジェンチイ監督が投げかけた、心から心へのメッセージであり、多くの人の心を揺り動かしたのである。  遠く離れた家族に、恋人に、便りを書く・・・そして返事を待つ。1通1通には、人々のさまざまな想いが込められて、人生の喜びや悲しみが綴られている。その手紙を日夜、集配する郵便配達の家族が、この映画の主人公である。

 じっと仕事に打ち込んできた父、寡黙で留守がちな父に心に隔たりを感じている息子、長い年月、いつもそばで父を支え、息子をやさしく包んできた母・・・心から心へ、世代を超えて受け継がれる郵便配達の仕事と、変わることのない家族の姿がここにある。かつてわが国にもあった懐かしさにあふれる自然の風景、山村の生活、夏祭りの高揚、美しい山の娘との出会い——それらはしっとりと穏やかな映像に映し出され、いつしか深い感動を観る者の心に呼び起こす。

 原作は1983年全国優秀短編小説賞と湖南省第1回青年文学賞を受賞したポン・ヂエンミンの短編小説「那山 那人 那狗」(あの山、あの人、あの犬)。脚本は監督夫人でもあるス・ウ。緑の山間の風景が印象的な撮影は、ジャオ・レイ。心洗われる音楽はワン・シャオファンなど中国の俊英スタッフが結集。父を演じるトン・ルゥジュンは、「紅いコーリャン」の”羅漢おじさん”で脚光を浴び,息子のリィウ・イェは、本作で金鶏賞最優秀助演賞にノミネート。この他、温和な母役にジャオ・シィウリ、愛らしい笑顔の山里の娘に、新星チェン・ハオなどキャストも注目の顔ぶれがそろった。郵便配達に同行するシェパード犬”次男坊”には動物好きならずともたまらないいとおしさを覚える。

ストーリー



1980年代初頭、中国湖南省に、現代でも交通手段のない険しい山岳地帯を仕事場とする、年老いた一人の郵便配達人がいた。

 送る人、受け取る人の想いを紡ぐ手紙を、大きなリュックに詰め込んで、何日もかけて配達する。愛犬”次男坊”とともに、山から谷へ、川を渡り、再び山へ・・・体に重いリュックを食い込ませて、彼は歩きつづける。  そして今日——。退職を目前にした最後の配達に、年若い息子を連れて行く。妻と息子へのいたわりの言葉を心に秘めて、仕事を息子に引き継ぐために。

 一方で、息子は幼い頃から父に心の距離を感じていた。仕事のために、いつも父は家にいなかった。母と二人で村で暮らし、彼なりに母を守ってきた。だが大人になったとき、彼は郵便配達の仕事を選んだのだ。

  二人は旅の中で、折に触れ、山里に住む人々の一途な心情と素朴さを肌で感じ、少数民族の美しい少女との出会い(かつて父も母と同じようにめぐり合い、結婚したのだ・・・)を通して、しだいに打ち解け、心を通わせていく。  緑濃い、美しい大自然の中で繰り広げられる、この特別な〈旅〉は、父、母、息子・・・そして家族の”絆”を取り戻す旅でもあった。

スタッフ

監督:フォ・ジェンチイ
製作総指揮:カン・ジェミン、ハン・サンピン
原作:ポン・ヂェンミン
脚本:ス・ウ
撮影:ジャオ・レイ
作曲:ワン・シャオフォン
美術顧問:リィウ・ミンタイ、ディン・ライウェン

キャスト

トン・ルゥジュン
リィウ・イェ
ジャオ・シィウリ
ゴォン・イエハン
チェン・ハオ

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