原題:ORIGINAL SIN

その愛は毒(ポワゾン)。人生を狂わせ、心まで裸にする。

2001年2月23日全米公開

2001年/アメリカ映画/カラー/シネスコ/ドルビーSR、SDDS/6巻/3178m/ 上映時間116分/日本語字幕:稲田嵯裕里/ ギャガ・ヒュ−マックス共同配給 

2007年12月07日よりDVDリリース 2002年4月21日DVD発売&レンタル開始 2002年4月21日ビデオ発売&レンタル開始 2001年11月23日より(祝・金)日本劇場他全国東宝洋画系にてロードショー

(c)2001METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2001/11/23

公開終了日 2001/12/14

配給会社名 0025

公開日メモ アンジェリーナ・ジョリー&アントニオ・バンデラス主演、この秋最高にセンセーショナルな官能のラブ・ミステリー 今、世界的に大ブレイク中のアンジェリーナ・ジョリーが魅せる官能の愛の世界! 原作はウィリアム・アイリッシュ「暗闇へのワルツ」(ハヤカワ文庫刊)、トリュフォー監督が69年に映画化した『暗くなるまでこの恋を』のハリウッド超豪華リメイク版。

解説




1985年「ナインハーフ」、1992年「(ラマン)愛人」、
そして2001年、新たなるセンセーショナルな官能の世界。

〜「暗くなるまでこの恋を」超豪華なハリウッド・リメイク版〜

 「どんな代償を払っても人には愛が必要です」…これまでハリウッドがこれほど熱く、激しく、直情的に、ただ愛だけを語ったことがあったろうか。わけありの二人、しかも根っから愛など信じていない二人の男女の間に思いがけなく芽生えた純愛は、これまで描かれたどんな恋愛よりも濃く、苦く、それだけに甘美な味がする。二人の変転の人生の中で時に消えながら、それでも生き延びて行くこの純愛は、矛盾に満ちた罠となって二人をおとしめ、苦しめることもある。ある時には醜く歪み、ある時には清純を装うこの純愛はまさにミステリーといってよく、その矛盾が生む底知れぬサスペンスは観客をもひきずり込まずにはいない。だが、その果てに汚濁にまみれた二人は言うのである。「どんな代償を払っても人には愛が必要です」と。

 よくも悪くも極彩色のこの恋愛を、ハリウッドはアントニオ・バンデラス、アンジェリーナ・ジョリーという、当代一の大人の色香の漂うスターに演じさせて、毒をも純愛に変えてしまう大人の恋を濃厚、絢爛、厚みのある豪華な恋愛映画に仕立ててしまった。

 原作は、男と女の間におけるサスペンスを描き続けてきたウイリアム・アイリッシュの『暗闇へのワルツ』。フランスの映画監督フランソワ・トリュフォーはアイリッシュの原作を『黒衣の花嫁』と、この『暗闇へのワルツ』(映画題名は『暗くなるまでこの恋を』、主演はジャン・ポール・ベルモンド、カトリーヌ・ドヌーヴ)の2作を映画化しているが、トリュフォーがひたすら愛にこだわったのに反し、本作の監督マイケル・クリストファーは「彼らのパワフルな性的欲望と複雑な動機のおかげで、闇の世界深くへと突っ走る飽くなき愛への欲望を描きたかった」と語る。クリストファー監督はピュ−リッツァー賞を受賞したことのある劇作家、脚本家で、『恋におちて』『イーストウィックの魔女たち』などの脚本を書いた後、主演のアンジェリーナ・ジョリーがゴールデン・グローブ賞を受賞した『ジ−ア/悲劇のスーパーモデル』で監督デビュー。本作では、感情の危険なゲームの底に流れる官能的な色合いを見事に映像化している。

 スペインの監督ペドロ・アルモドヴァルの秘蔵っ子だったバンデラスは今やアメリカ進出を成功させ、妻のメラニ−・グリフィスを主演に『クレイジー・イン・アラバマ』(98)で監督デビューを果たしたばかり。久しぶりに彼の持ち味の性的魅力を十分に発揮しながら、純愛を演じてみせるにくさがよい。一方、99年『17歳のカルテ』でオスカーも手にし、美貌と演技の両方を開花させたジョリーは、本作でも虚実皮膜のストレスの愛の演技を美しい体をさらしながら体当たりで演じ、見事という他はない。バンデラスVSジョリーの色香プラス演技合戦がこの映画のみどころと言ってもよい。

 撮影監督はメキシコ映画界ニューウェイヴのトップを走るロドリゴ・プリエトが、「風景の熱気と登場人物の暗い情念の両方をとらえられる」カメラマンとして起用され、アメリカのスタジオ作品へのデビューを果たした。音楽にはこのところ映画音楽作曲家として第一人者といわれるテレンス・ブランチャ−ドが起用されているが、本作のエンディング・テーマ曲「You Can’t Walk Away From Love」は「この映画の美しさと官能に魅せられて」作ったグロリア・エステファンの作詩・作曲であることに注目したい。製作総指揮は約5000作品の権利を持つ文学界の巨匠シェルドン・アベンド。

ストーリー




ポワゾンその愛は毒(ポワゾン)。人生を狂わせ、心まで裸にする。

愛にアディクト(中毒)———
文通だけで決めた結婚から始まった官能の昼夜。
しかし深すぎる欲望が純愛に変わる時、
女はすべて奪い、男の前から姿を消した・・・。

 19世紀後半のキューバ。コーヒー輸出業で成功したルイス・バーガス(アントニオ・バンデラス)は身なりを整え、緊張の面持ちで船が着くのを待っていた。ボルチモアの新聞が今しも妻を求める男と夫を求める女をここで引き合わせようとしていた。ルイスは愛など信じてはいなかった。美人でなくともいい、誠実で子供を産んでくれる女を求めていた。新聞の交際欄を通じて、ルイスのそんな要求に応え、アメリカ人の
女がルイスと結婚するためにやって来ることになっていた。アメリカ人の妻は、この地で富の象徴であり、また仕事を円滑に運ぶための手段にもなるはずだった。

 ところが、ジュリア・ラッセル(アンジェリーナ・ジョリー)を名乗り、ルイスの前に現れたのは、送られた写真とはあまりにも違う、まぶしいほどに美しい女だった。

 「何度も告白しようと思ったけれど、勇気がなくて。あなたを失望させたみたい。引き返してもいいのよ。」「写真でわたしを誤解しないように試したの。」ジュリアはそうも言った。外見に惑わされる男かどうか試したのだと。ルイスも実はジュリアに真実を告げていたわけではない。女が自分の銀行預金に興味を持たぬよう、経営者ではなく、ただの勤め人だと言っていた。そのことを告白すると、ジュリアは艶然と微笑み、「美人でも我慢する?」と訊いた。ルイスも思わず「金持ちでも我慢する?」とおうむ返しに訊いて、二人は笑い合い、すでに準備されていた結婚式の主人公になった。愛など信じていなかったルイスはこうしていきなり恋に落ちた。

 情熱の日がやって来た。すべてを与え、すべてを奪いたい。ルイスは狂わんばかりにジュリアにのめり込んだ。「自分を見失っている」。周囲はそう心配したが、ルイスはジュリアを愛するあまり、彼女のために自分の銀行口座を二人の名義に作り変えるのだった。

 まもなく、情熱に少しずつ水をかけるような事象が起こり始めた。手紙で紅茶しか飲まないと言ったジュリアは、コーヒーしか飲まなかった。ある日、劇場で一人席を立ったジュリアが楽屋裏で役者と親密に寄り添い、またある日にはジュリアの姉と名乗る女が届いた妹の手紙は偽物だと言ってきた。抱き寄せると葉巻の匂いのすることもあった。うるさいと彼女が腹を立てた鳥が、鳥籠の中で首が折られて死んでいることもあった。それに、ジュリアは誰にも触れさせぬ大きなトランクを運び込んでいた。
そんな中、探偵を名乗るダウンズ(トーマス・ジェーン)が現れ、ジュリアの姉の依頼を受けて妹殺しの犯人を探していると告げる。彼女の姉は、本物のジュリアは実は既に殺されているのではないかという疑惑を捨て切れなかったのである。

 そしてある日、ジュリアはルイスの預金をほぼ全額引き出し、結婚指輪を置いて忽然と姿を消した。愛は憎悪に変わった。ルイスは「殺してやる」とピストルを持ち、わずかな手がかりをもとにジュリアを探しにハバナに向かう。だが、ハバナで自分にしたと同じセリフで男を籠絡しているジュリアを見た途端、ルイスの憎悪の気持ちは萎えて、ひたすら彼女を取り戻したい気持ちが蘇ってきた。「君は僕の命だ。君なしでは生きていけない」。そう告白するルイスにジュリアは、自分は捨て子で施設で育ち、絵葉書の城からキャッスルと名前を付けられたと語る。「過去を捨て、僕だけを見て」。激しい一夜の後、ルイスはジュリアにつぶやく。ルイスは今やジュリアだけしか見えなかった。そして、二人の愛を妨げるものすべてを抹殺するつもりだった。
「女の死体を発見した」と、ジュリアの殺人を匂わせる探偵のダウンズを撃ち殺し、ジュリアと逃亡するため列車の切符を手配しに外に出たルイスは、そのあと探偵がニヤリと起き上がって、ジュリアに「その顔が俺をそそる」と迫ったことを知らない…。

スタッフ

監督/脚本:マイケル・クリストファー(『恋に落ちて』『虚栄のかが火』脚本)
製作:デニース・ディノービ
プロデューサー:ケイト・グインズバーグ、キャロル・リース
ライン・プロデューサー:マイケル・S・グリック
エグゼクティブ・プロデューサー:シェルドン・エイベンド、アショック・アムリトライ、デビッド・ホバーマン
共同プロデューサー:エドワード・L・マクドネル
撮影監督:ロドリゴ・プリエート
プロダクション・デザイナー:デビッド・J・ボンバ
コスチューム・デザイナー:ドンナ・ツァコブシュカ
編集:エリック・シアーズ A.C.E.
音楽:テレンス・プランチャード
原作:『暗闇へのワルツ』(ウイリアム・アイリッシュ著/ハヤカワ・ミステリ文庫刊) 
サントラCD:カルチュア・パブリッシャーズ 
エンディング・テーマ曲:『ユー・キャント・ウォーク・アウェイ・フロム・ラブ』
グロリア・エステファン(Epic Records International)

キャスト

ジュリア・ラッセル:アンジェリーナ・ジョリー
ルイス・アントニオ・バーガス:アントニオ・パンデラス
ウォルター・ダウンズ:トーマス・ジェーン
アラン・ジョーダン:ジャック・トンプソン
オーガスタ・ジョーダン:アリオン・マッキー
サラ:ジョアン・プリングル
ホルヘ・コルテス:ペドロ・アルメンダリス
エミリー・ラッセル:コーデリア・リチャーズ
ワース大佐:グレゴリー・イッツィン

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