カルテル・ランド

メキシコ・ミチョアカン州。麻薬カルテル“テンプル騎士団”による抗争や犯罪が横行するこの地では、一般市民を巻き込んだ殺戮が繰り返されていた。政府は腐敗しきり、警察も当てにならない。そんな過酷な状況に耐え兼ねた内科医のドクター・ホセ・ミレレスは、ついに銃を手に市民たちと自警団を結成する。彼の行動は大きなムーブメントになり、各地で人々は武装蜂起し、ギャングや密売人たちを追い詰めていく。自警団のリーダーとして、一躍、正義のヒーローに担ぎ上げられたドクター・ミレレスだったが彼の組織は次第にコントロールを失い、思わぬ方向に暴走していく……。映画監督のマシュー・ハイネマンがメキシコ麻薬戦争最前線に乗り込み、決死のレポートでメキシコとアメリカの魔の連鎖、そして、肥大化した組織がたどる皮肉な秩序の崩壊を暴いていく。