原題:Rak ti Khon Kaen

2015カンヌ国際映画祭<ある視点部門>出品

2006年/タイ・フランス・オーストリア合作/カラー/105分 配給:ムヴィオラ

2016年3月26日シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!

(C)Kick the Machine Films/ Illuminations Films

公開初日 2016/03/26

配給会社名 0690

解説


『ブンミおじさんの森』(10)でカンヌ映画祭パルムドール(最高賞)・ウィナーとなったアピチャッポン・ウィーラセタクン。これまで日本で劇場公開されたのは、『ブンミ〜』だけだが、初長編『真昼の不思議な物体』が2001年山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀賞を獲得したのを皮切りに、『ブリスフリー・ユアーズ』(02)がカンヌ国際映画祭ある視点賞、『トロピカル・マラディ』(04)は同審査員賞、そして『ブンミ〜』(10)で、ついにカンヌのパルムドールに輝き、トップクラスの映画作家として注目を集めると同時に、美術作家としても「ヨコハマトリエンナーレ」(11)への参加やヒューゴ・ボス賞ノミネートなど世界的に活躍している。そのアピチャッポン監督の待望の最新作が2016年3月に公開となる。

舞台はタイ東北部の町コーンケン。原因不明の“眠り病”にかかった兵士たちが移送されてくる仮設病院。そこでは色と光による療法が行われている。ある日、その診療所を訪れたジェンは、前世や過去の記憶を見る力を持った若い女性と知り合う。そして、かつてその病院の地下に王の墓があったことを知り、古代の人々と兵士たちの眠り病に関係があることに気づく……。

これまでのアピチャッポン作品にも共通するモチーフ、タイ東北部、病院、森、前世、記憶をさらに感動的なイマジネーションで描く本作は、アピチャッポンの映画作家としてのさらなる進化を感じさせ、また近年のタイにおける政治状況に対する想いも込められた紛れもない傑作だ。カンヌではコンペ部門への参加が早い段階から期待されていたが、なぜかコンペではなく、<ある視点>部門へ。その処遇に多くの映画ジャーナリストがカンヌ批判を繰り広げたことでも話題をよんだ作品である。

来る2016年は、この新作『光りの墓』に先駆けて、1月に“幻の傑作”としてファンの間で人気が高い2006年作の『世紀の光』を日本劇場初公開し、あわせてアピチャッポンの旧作長編とアートプログラムをあわせた特集上映を開催。またアートの分野でも、福岡、青森、横浜での展覧会やワークショップ、9月から開催される「さいたまトリエンナーレ2016」への参加、その後には東京都写真美術館での個展も控えている。日本において、一年を通してアピチャッポンの才能を堪能できる画期的な<アピチャッポン・イヤー>となるのは間違いない。

ストーリー







タイ東北部。かつて学校だった病院。“眠り病”の男たちがベッドで眠っている。病院を訪れた女性ジェンは、“眠り病”の青年の面倒を見はじめ、眠る男たちの魂と交信する特殊な力を持つ若い女性ケンと知り合う。そして、病院のある場所が、はるか昔に王様の墓だったと知り、眠り病に関係があると気づく……。

スタッフ

監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン

キャスト

ジェンジラー・ポンパット・ワイドナー
ジャリンパッタラー・ルアンラム
バンロップ・ロームノーイ

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