原題:Torneranno i prati

イタリア映画祭2015 2015年ベルリン国際映画祭特別招待作品 2015年イタリア映画祭上映作品

2014年/イタリア/カラー/80分 配給:チャイルド・フィルム、ムヴィオラ

2016年4月23日(土)から岩波ホールを皮切りに全国順次公開 2015年4月29日(水・祝)〜5 月 5 日(火・祝)有楽町朝日ホール

公開初日 2016/04/23

配給会社名 1302/0690

解説


2014年が第一次世界大戦開戦から100年にあたるのを機に、戦争を非難し平和を願って作られた『木靴の樹』『ポー川のひかり』の巨匠オルミ監督の新作。1917年の冬、激戦地の一つだった北イタリアのアジアーゴ高原における一夜の戦いが描かれる。前線のイタリア軍は大雪で覆われた塹壕の中にこもり、オーストリア軍と対峙していた。寒さや飢え、病気に苦しむ中、司令部からは不条理な命令が下され、オーストリア軍からは容赦ない攻撃を受ける。ベルリン国際映画祭特別招待作品。

『緑はよみがえる』は83歳になったオルミ監督が、父への想いを込めて完成させた特別な作品。
オルミ監督は「父はヒロイズムに駆られて19歳で、第一次大戦に従軍しましたが、過酷な戦場での体験はその後の父の人生を変えてしまいました。戦友を思い、父が涙するのを見たのは一度きりではありません」と語り、いまだ世界のどこかで戦争がつづく現代に、1917年の戦争を描くことで、あらためて平和を問いかけています。
冬山の厳しい自然を、このうえなく美しい映像で表現したのは、監督の息子でもある撮影監督のファビオ・オルミ。娘のエリザベッタ・オルミがプロデューサーを務め、父オルミがずっと胸に抱き続けて来た父親への想いを映画に残すため、家族の力を結集しています。
出演は『海と大陸』『最後のキス』などで知られるクラウディオ・サンタマリア、『ジョルダーニ家の人々』のアレッサンドロ・スペルドゥティはじめとする実力派俳優たち。名もなき市井の人々を人間愛に満ちたまなざしで描き続けてきたオルミ監督らしく、塹壕の中の兵士一人一人の人間性を見つめています。ベネト州アジアーゴ高原の静かで厳しい自然の中に暮らすオルミ監督のまさに集大成と言える、心に響く映画芸術が誕生したと言えるでしょう。

ストーリー


1917年冬、イタリア・アルプス山中のアジアーゴ高原。冴え冴えと輝く月に、山が美しく照らされている。イタリア軍兵士の歌うナポリ民謡が、静まりかえった夜に響き渡り、姿をみせないオーストリア軍兵士からも、歌をせがむ声が聞こえてくる。塹壕に身をひそめ、寒さと死の恐怖におびえる兵士たちにとって唯一の楽しみは、家族、恋人から送られてくる手紙だけだ。着任したばかりの若い中尉は、想像とは違う初めての戦争に戸惑いながら、母への手紙にこう綴る。「愛する母さん、一番難しいのは、人を赦すことですが、人が人を赦せなければ人間とは何なのでしょうか」と。やがて一時の平和は破られ、オーストリア軍の激しい砲撃が開始される・・・。

スタッフ

監督:エルマンノ・オルミ
製作:ルイジ・ムシーニ
エリザベッタ・オルミ
脚本:エルマンノ・オルミ
撮影:ファビオ・オルミ

キャスト

クラウディオ・サンタマリア
ニッコロ・センニ

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