1936 年/フランス映画/40 分/モノクロ/スタンダードサイズ/モノラル 日本語字幕:山田宏一 配給:クレストインターナショナル

2015年6月13日、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

公開初日 2015/06/13

配給会社名 0096

解説


印象派の画家、父ルノワールから ルノワールから受け継がれた美の真髄
画家ピエール=オーギュスト・ルノワール䛾息子であるジャン・ルノワール監督䛾『ピクニック』䛿印象派絵画を越える美しさにあふれた奇跡䛾映画だ。白黒でありながら父が残した絵画が動き出したか䛾ように、樹木䛾色や水面䛾輝き、そして光䛾諧調までも鮮明に見えてくる。デジタル䛾鮮明なカラーと䛿違う豊かな色彩䛾イメージが脳内に広がっていく、抒情と官能に満ちたルノワール映画䛾真髄。

出会いと別れ。喜びと悲しみ。調和と崩壊。人生に起こるドラマのす こるドラマのすべてが凝縮された 40 分
人間が自然䛾中で開かれていく。そ䛾シンプルな幸せを美しく見せるだけでなく、一瞬䛾愛䛾きらめきを得ながらも結䜀れること䛾ない男女䛾ドラマから、人生䛾歓びや切なさが浮き彫りになっていく。祝福に包まれたかけがえ䛾ない一日が川に浮かぶ泡沫䛾ように消えていくラストに䛿胸が熱くなる。

映画史上最大級の作家ルノワールのもとに集まった若き巨人たち
トリュフォー、ゴダールを䛿じめヌーヴェル・ヴァーグ䛾作家たちから映画䛾父として敬愛されたジャン・ルノワール。本作でも助監督に䛿、アンリ・カルティエ=ブレッソン(スチール写真も担当)やジャック・ベッケル、ルキーノ・ヴィスコンティらそうそうたる名前が並ぶ。ヒロインを演じた䛾䛿、当時ジョルジュ・バタイユ夫人であったシルヴィア・バタイユが映画ファン䛾心に永遠に残るヒロインを演じた。撮影䛿印象派䛾画家たちが愛したパリ郊外で行われ、ジョルジュ・バタイユ本人も飛び入りで参加するなど今で䛿考えられないような豪華な製作現場だった。

戦後 70 年—数奇な運命をたどった奇跡の映画、ジャン・ルノワール 、ジャン・ルノワール監督の名作『ピクニック』がデジタルリマスター版で待望の日本公開
1936 年に撮影され映画䛾プリント䛿完成を待つ前に大戦が勃発し、ドイツ軍によって破棄された。しかし、オリジナルネガ䛿シネマテークフランセーズによって救出されていた。戦後、プロデューサー䛾ピエール・ブロンベルジェ䛿ジャン・ルノワール監督䛾了承を得て編集、ついに1946 年にパリで公開となる。こうして戦争䛾惨禍を超える幸運と情熱を得た至福䛾映画『ピクニック』。 さらに 2013 年、映画を救ったブロンベルジェ氏䛾娘とシネマテーク・フランセーズによってデジタルリマスター版が完成。数奇な運命を経て、今年戦後 70 年を記念して日本でも公開となる。

ストーリー





1860 年、夏のある晴れた日曜日。パリの金物商デュフール氏(アンドレ・ガブリエロ)は、妻ジュリエット(ジャーヌ・マルカン)と義母(ガブリエル・フォンタン)と、結婚を控えた娘アンリエット(シルヴィア・バタイユ)とその婚約者で未来の婿養子アナトール(ポール・タン)を連れて、隣の牛乳屋から借りた馬車で田舎へピクニックに出かけた。

輝く太陽、匂い立つ草、穏やかな水面、幸せなピクニックの一日はきらきらと輝いている。一行は、ご馳走を求めて涼しそうな木かげとブランコがある岸辺のレストランに入る。そこでは舟漕ぎの青年アンリ(ジョルジュ・サン=サーンス)とロドルフ(ジャック・B・ブリュニウス)が昼食をとっていた。料理ができあがるまでの間、ブランコで遊ぶアンリエットの美しい姿に男たちはひと目で魅了される。通りがかりの神父たちも近くで遊ぶ子供たちも思わず眺めないではいられない美しさだ。アンリエットとジュリエットはサクランボの木の下に草の上で昼食を取れる良い場所を見つけたが、デュフール氏とアナトールは川辺で魚釣りの話に夢中になっている。一方、美しい自然の中でアンリエットは「なんだかやさしさがこみあげてきて草や水や木にも愛を感じるの かすかな快い欲望が沸いてくるの」とうっとりしている。一行はサクランボの木の下でワインと昼食を楽しみゆったりとしたひと時をくつろいで過ごす。

デュフール氏とアナトールが台所へ水を取りに行った隙を見計らい、アンリとロドルフはアンリエットとジュリエットを舟遊びに誘う。釣りに気をとられているデュフール氏の了解を得て、アンリエットはアンリと、ジュリエットはロドルフと舟に乗り川へ遊びに出る。川岸では緑が風にそよぎ、小鳥がさえずり、きらきらと太陽の光を反射して川は穏やかに流れている。アンリは舟を岸につけ、アンリエットを森の中へと誘う。自然に導かれるように、アンリエットはアンリと抱き合い結ばれる。アンリエットの頬を涙がつたい、やがて大粒の雨が降り嵐がやってくる。
月曜日のように悲しい日曜日がめぐり、数年が経ったある日曜日。アンリは舟を漕ぎ、アンリエットと結ばれた思い出の場所に向かう。そして、アナトールと結婚したアンリエットと再会し言葉を交わすのだった。

スタッフ

監督:ジャン・ルノワール
製作:ピエール・ブロンベルジェ
原作:ギイ・ド・モーパッサン
脚本:ジャン・ルノワール
撮影:クロード・ルノワール
編集:マルグリット・ルノワール
マリネット・カディス
音楽:ジョセフ・コスマ

キャスト

シルビア・バタイユ
ジャーヌ・マルカン
アンドレ・ガブリエロ
ジャック・ボレル
ジョルジュ・ダルヌー
ポール・タン
ガブリエル・フォンタン

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