原題:The Look of Silence

2014年/デンマーク・フィンランド・インドネシア・ノルウェー・イギリス合作/カラー/103分 配給:トランスフォーマー

2015年7月4日、シアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開!

© Final Cut for Real Aps, Anonymous, Piraya Film AS, and Making Movies Oy 2014

公開初日 2015/07/04

配給会社名 0248

解説


「あなたはなぜ、兄を殺したのですか————」
虐殺に隠された“責任なき悪”のメカニズムを浮かび上がらせた
常識を覆す被害者と加害者の“対面”

衝撃の大ヒット作『アクト・オブ・キリング』を被害者側から見つめ返す、
慟哭のドキュメンタリー
第71回ヴェネツィア国際映画祭5部門受賞

本作の主人公は、60年代インドネシアで密かに行われた大虐殺で殺害された兄を持つアディ。2003年、アディはジョシュア・オッペンハイマー監督と出会い、監督が撮影した、かつての加害者たちが自らの虐殺を、誇らしげに語る映像に強い衝撃を受け、2012年に再会すると「兄を殺した加害者たちに直接あって、責任を問いたい」と提案。眼鏡技師という職業を活かし、加害者たちに「無料の視力検査」を行うことで彼らの警戒を和らげると、静かに視力を測りながら、徐々に核心をついた質問を投げかけてゆく。そこで目の当たりにしたのは、加害者の誰もが、虐殺を自分の責任とは捉えていないという事実だった———。

アディの提案を聞いた監督は、最初は「今も権力を握る加害者と直接対峙することはあまりにも危険」と反対したが、アディの強い意志に心を動かされ、対面に同行することを決定。本作は、アディの勇気によって生まれ、結果、殺人の実行者たちが、責任を感じることなく、大罪を犯しえる心理的メカニズムを浮かび上がらせ、『アクト・オブ・キリング』とはまた違う側面から、「悪」とは何かを映しだすことに成功している。

この度完成したのは、海外版を踏襲したティーザーとは全く違う日本独自のビジュアル。
主人公アディの背中越しに、加害者の姿が映しだされるという「対峙」を全面に押し出した、“静寂”と“恐怖”を兼ね備えたもので、監督も「素晴らしい」と絶賛したという。

同じ村で暮らし、今もなお権力を持っている加害者たちに対して、あまりにも身近な恐怖のために、半世紀にもわたって沈黙を強いられてきたアディとその家族。「加害者たちに罪を認めさせたい」という一心で、勇気を奮い立たせ、彼らに対峙していくアディが向かう先にいる加害者は、正面を真っ直ぐに向き堂々と、検査用の眼鏡の奥の眼光鋭く、静かでありながら、不気味で異様な雰囲気を放っている。

半世紀以上もの間、恐怖によって沈黙を強いられてきた大虐殺の被害者でありながら、勇気を持って加害者たちに対峙し、沈黙を破ったアディ。彼が対峙した加害者たちは皆、殺人という大罪を犯して今なお、罪の意識がなく、自分たちは正しいことをした、と堂々としているように見受けられるが、彼らの姿に、アディは何を思ったのか?アディとともに、加害者たちから放たれる言葉の数々から浮かび上がる“責任なき悪”の根本にある、人間という存在の怖さを見つめる『ルック・オブ・サイレンス』。ぜひ公開を楽しみにして欲しい。

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映画史上最も偉大で、最もパワフルなドキュメンタリーだ。人間という存在に対する、実に奥深い洞察である。 …エロール・モリス
深遠で、洞察力があり、驚くほど見事な映画だ。  …ヴェルナー・ヘルツォーク
『アクト・オブ・キリング』にも勝る衝撃。心を奪われ、不穏で、ハッと驚かされる。  …ロサンゼルス・タイムズ

ストーリー

スタッフ

監督:ジョシュア・オッペンハイマー
製作:ジョシュア・オッペンハイマー
シーネ・ビュレ・ソーレンセン
製作総指揮:エロール・モリス
ベルナー・ヘルツォーク
アンドレ・シンガー
撮影:ラース・スクリー
編集:ニルス・ペー・アンデルセン

キャスト

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