1987年/アメリカ/カラー/105分 配給:boid

2015年4月13日公開

“RADIUM CITY” DOCUMENTARY FEATURE FILM (C) 1986 BY CAROLE LANGER

公開初日 2015/04/13

配給会社名 0539

解説


ラジウム・ガールズ——1910〜20年代アメリカ、時計の文字盤に夜光塗料を塗るペインターとして働き被爆した若い女性たちがいた。筆先をなめて尖らせるよう指導された彼女たちは、その後、腫瘍や骨障害で苦しみ、多くが亡くなっていった。『ラジウム・シティ 〜文字盤と放射線・知らされなかった少女たち〜』は内部被曝の存在が広く知られるきっかけとなったラジウム・ガールズの物語、その後の街に生きる人々を描いたドキュメンタリーである。

舞台となるのは、アメリカ中西部、イリノイ州オタワ市。半世紀以上たってもなお、取り壊された工場の欠片が町中に散らばり、ホットスポットを生み出している。キャロル・ランガー監督は、かつてのラジウム・ガールズやその家族、そしてオタワの住民たちによる証言を記録し、一本のフィルムとして完成させた。目に見えない放射能による被害、企業や政府の隠蔽体質、恣意的に引き上げられる安全基準値、地域経済における産業と雇用の抱える困難……浮き彫りにされるさまざまな問題は、現代を生きるわたしたちにとっても決して無縁のことではない。

本作は国内外の映画祭で高い評価を受け、米国のみならず各国のTV局で放映、アカデミー賞候補と目された。また、米国環境保護庁がオタワの除染作業にスーパーファンド法を適用するきっかけにもなった。

ストーリー





映画に出てくる、ショートボブにパンツルックの女の子たちの、パーマネントのあたった髪に洒落た帽子や靴、毛皮の襟巻きで着飾った女性たちの写真は、なんとなく思い描いていた質素な服装にひっつめた髪の女子工員というイメージからかけはなれていた。
————Phew(ミュージシャン)

かつて工場で働いた少女、その家族や生存者たちにインタビュー、その街に暮らす人々、街そのものに残されている目には見えない放射性物質。ただ淡々と丁寧かつ執拗な調査を積み上げてゆく手法と美しい映像のこの映画に、私は釘付けになった。
————小林エリカ(イラストレーター)

2012年5月、Phewと小林エリカのふたりから届けられたアルバムの、「ラジウム・ガールズ」たちの物語に衝撃を受けた。聞けばそのアルバムの発想の元になった映画があるという。古いドキュメンタリーだった。だがそこに映る彼女たちは、まるで未来のわたしたちの姿のようでもあった。なんとしてでもこの映画を公開しなくてはと思った。
—————樋口泰人(boid主宰)

スタッフ

監督:キャロル・ランガー
製作:キャロル・ランガー
撮影:ルーク・サッシャー
編集:ブライアン・コトナー
キャロル・ランガー
音楽:ティミー・カペロ

キャスト

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