悼む人
70万部突破の2008年直木賞受賞作が遂に映画化! “彼”は聖者か、偽善者か。壮絶な物語が始まる
2015年/日本/カラー/??分/ 配給:東映
2015年09月04日よりDVDリリース 2015年2月14日公開
© 2015「悼む人」製作委員会
公開初日 2015/02/14
配給会社名 0004
解説
天童荒太が7年の歳月を費やし、魂を振り絞るように書き上げ2008年第140回直木賞を受賞し、70万部を超えるベストセラーとなった「悼む人」(文春文庫刊)がいよいよスクリーンに登場する。
原作に感動し、2012年には本作を舞台化11都市5万人の魂を震わせた堤幸彦が舞台に続き映画化に挑む。脚本は舞台も手掛けた大森寿美男。堤幸彦との最強タッグでスクリーンに至高の愛を届ける。
堤幸彦が新たに「悼む人」の映像世界を作り上げるためには主人公・坂築静人(さかつきしずと)が持つ独特の存在感と、孤独な瞳を体現出来る男が必要だった。堤が白羽の矢を立てたのは、高良健吾。撮影時期の約1年前からラブコールを送り、高良は快諾。高良は入念な準備を経て、 本年度ブルーリボン賞主演男優賞受賞後初の主演作となる本作で縁もゆかりもない死者を悼む旅を続ける<悼む人>を演じる。
夫を殺した罪を背負いながら主人公に出会い共に行動するヒロイン奈義倖世(なぎゆきよ)を演じるのは 3年ぶりの映画出演となる石田ゆり子。原作の熱狂的な読者だとの話を耳にした堤は石田と会いその真剣なまなざしと、儚げな容貌に倖世を見出した。今までの柔らかくたおやかなイメージを覆し、不幸のどん底に叩き込まれる倖世役で石田は限界へと挑む衝撃的な撮影に臨むこととなった。
主人公の帰りを待つ末期がんの母親、別れた恋人の子供を身籠もる妹。静人を追う人間不信の雑誌記者。そして奈義倖世に殺害されたはずの夫など「悼む人」静人を巡って様々な思いが交錯し、誰も見たことがない壮絶なドラマが始まっていく。
悼む人は聖者なのか? 偽善者なのか? 日本映画に新たな歴史が刻まれる。
ストーリー
地に躓き、右手を頭上に挙げて空中に漂う何かを捕らえるように自分の胸へ運ぶ。左手を地面すれすれに下ろして大地の息吹をすくうかのように胸へ運び、右手の上に重ねる。目を閉じて、何かを唱えるように唇を動かす青年……。週刊誌記者・蒔野抗太郎が出逢った坂築静人(高良健吾)は、死者を「悼む」ために全国を放浪している男だった。
蒔野は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの事件の記事を得意としていることから、エログロの蒔野、「エグノ」と陰で呼ばれていた。蒔野が個人的に開設したサイトには、醜悪で、卑猥で、人はかくも非道になれるのかという加害・被害の実体験の書き込みが全国から寄せられていた。
人の善意を信じられぬ、猜疑心の塊のような蒔野は、静人の不可解な行動=「悼み」に疑念を持つ。「そんなことをして一体何になるというのか?」蒔野は静人の化けの皮を剥ぐべぐ、彼の身辺を調べはじめる……
その頃、静人の母・坂築巡子は末期の胃癌を患っていた。病院での治療も効果があがらず横浜の自宅でターミナルケアを受けながら死を迎える決意をする。幼い頃から対人恐怖の傾向があり、他人の顔を見て話すのが難しいというハンデを背負う巡子の夫・鷹彦は会社を辞めて巡子の介護に専念する。二人の娘で静人の妹・美汐も、母の病を知り実家に戻った。やがて恋人の子供を身籠もっていることが判明するが、その恋人とは別れたという。そこには、静人の存在が影を落としていた……。
家庭内暴力を受けた女性をかくまい「仏様の生まれ変わり」と言われた夫・甲水朔也を殺害し4年の刑期を終えて出獄した奈義倖世(石田ゆり子)。身寄りはなく、行く宛もない。おまけに自らが手にかけた夫が亡霊のごとき存在と化し、肩口から語りかけてくるのだ。途方に暮れた倖世は二度と足を踏み入れぬつもりだった東北の町を訪ね、殺害現場で朔也を「悼む」静人と出会う。
動揺する倖世に、静人は問いかける。
「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?誰かに感謝されたことはあったでしょうか?」
静人の真意をいぶかる倖世は、夫を殺した事実を告げぬまま、静人と行動を共にする……。 静人=「悼む人」と、彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と憎しみ、罪と許しのドラマがいま、幕を開ける……。
スタッフ
原作:天童荒太 「悼む人」(文春文庫刊)
監督:堤 幸彦
キャスト
高良健吾
石田ゆり子
井浦 新
貫地谷しほり
椎名桔平
大竹しのぶ
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