原題:Being Good

誰かの子どもだった、すべての人に届けたい。

第20回釜山国際映画祭2015

2015年/日本/カラー/ヨーロピアンビスタ/DCP5.1ch/121分 配給:アークエンタテインメント

2015年6月27日(土)、テアトル新宿ほか全国ロードショー

(C)2015 アークエンタテインメント

公開初日 2015/06/27

配給会社名 1350

解説


大人も子どもも共有できる優れた作品に送られる文学賞「第28回坪田譲治文学賞」、2013年本屋大賞第4位に輝き、10代からシニアまで幅広い世代の人びとの心を掴んで大きな話題を呼んだ小説「きみはいい子」(著:中脇初枝〈ポプラ社刊〉)が、『そこのみにて光輝く』でモントリオール世界映画祭最優秀監督賞を受賞した呉美保監督によって映画化され、2015年初夏、テアトル新宿ほか全国にての公開が決定しました。幼児虐待、虐待の連鎖、ネグレクト、いじめ、学級崩壊——。子どもたちにまつわる現代の問題を孕みながらも、「ひとがひとを愛するということ」を描ききった傑作が誕生しました。すべての子ども、そして、かつて子どもだったすべての人に贈る、珠玉の一本です。

主演は、昨年の『横道世之介』でブルーリボン主演男優賞に輝き、来年1月より始まるNHK大河ドラマ「花燃ゆ」では高杉晋作役に挑むなど、いまもっとも注目を集める俳優、高良健吾。担任をうけもつクラスを学級崩壊させてしまう新米教師を演じます。そして、『そして父になる』でわが子をとり違えられた母親の戸惑いと苦悩を繊細に表現して高く評価された尾野真千子が、本作では一転、わが子に虐待を繰り返し、自身もかつて親に虐待された過去をもつ母親を演じます。

尾野真千子演じる母親のママ友に、『そこのみにて光輝く』で体当たりの演技を披露し、新境地を拓いたと高く評価された池脇千鶴。そして、高良健吾演じる新米教師の先輩役に、同じく『そこのみにて光輝く』で地元を牛耳る土建屋を残忍に演じきって大きな注目を集めた高橋和也が扮し、ともに『そこのみ〜』に続いての呉美保監督作品参加となります。また、家族を亡くした独居老人・あきこ役には、「フランダースの犬」「花の子ルンルン」などの名作アニメで親しまれたベテラン声優、喜多道枝が扮して、その優しさあふれる声で作品にあたたかみを与えているほか、あきこと交流する児童の母親役を演技派・富田靖子が演じ、不安を抱えながら子育てする親の脆さと強さを圧倒的な説得力で体現しています。さらに、NHK「ぼんくら」、『おおかみこどもの雨と雪』の加部亜門が富田靖子の息子に扮し、難役を見事に演じています。

そのほかにも、『ドライブイン蒲生』『福福荘の福ちゃん』など話題作への出演が続く黒川芽以、大劇場から気鋭の劇団まで様々な舞台で活躍し、大根仁演出ドラマ「リバースエッジ」等でも個性際立つ演技で注目を集める内田慈が出演するなど、この作品がもつ豊かな物語性を象徴するような、話題性と実力、個性を兼ね備えた素晴しいキャスティングが実現しました。

ストーリー



まじめだが優柔不断で、問題に真っ正面から向き合えず肝心なところで一歩を踏み出すことができない新米の小学校教師・岡野。近所のママ友たちとの表面的な付き合いの陰で自分の娘に手をあげ、自身も親に暴力を振るわれていた過去をもつ雅美。他人と会話をかわすのは、登下校の途中で挨拶をしてくれる名前も知らない小学生のみ、最近感じはじめた認知症の兆しにおびえる独居老人・あきこ。とあるひとつの街に暮らし、さまざまな局面で交差しながら生きているおとなと子どもたち。悩みや問題を抱えて生きる彼らが、人と人とのつながりに光を見いだし、小さな一歩を踏み出す姿を、『そこのみにて光輝く』の呉美保監督が、真摯にそして丁寧に映し出す再生と希望の物語。原作は、「第28回坪田譲治文学賞」、2013年本屋大賞第4位に輝いた小説「きみはいい子」(著:中脇初枝〈ポプラ社刊〉)。

スタッフ

監督:呉美保
原作:中脇初枝
脚本:高田亮
製作:川村英己
プロデューサー:星野秀樹

音楽:田中拓人
メインテーマ:“circles” (selective records) Takuto Tanaka featuring Vasko Vassilev 
配給・製作プロダクション:アークエンタテインメント   

キャスト

高良健吾 
尾野真千子
池脇千鶴 
高橋和也 
喜多道枝
黒川芽以
内田慈 
松嶋亮太 
加部亜門 
富田靖子

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