福島に生きる、東電に翻弄された四世代の家族を通して、 七十年に渡る日本の歩みを描いた愛と希望の物語。

2013年/日本/カラー/126分 配給:太秦

2014年6月21日公開

Ⓒ「あいときぼうのまち」映画製作プロジェクト

公開初日 2014/06/21

配給会社名 0864

解説


この場所で生きることは、罪なのでしょうか———。

本作『あいときぼうのまち』は、福島に生きる東電に翻弄された四世代一家族を通して、1945 年から 2012 年の約 70 年にわたる日本の歩みを描いた壮大な愛と希望の物語です。

監督は福島県出身で、脚本家の菅乃廣。本作が監督デビュー作です。20数年前、死が迫っていた父親が呟いたひと言「この奇病は昔原発で浴びた放射能が原因かもしれない」をきっかけにこの企画を立ち上げました。脚本は、昨年『戦争と一人の女』で監督デビューも果たした井上淳一。ノンフィクションや報道では東電と名指しできるのに、フィクションでは何故できないのかと疑問を感じこのシナリオを書いたという。この壮大なドラマの奥には、震災からたった三年で全て忘れ去り、また新たに始めようとしているこの国への怒りが静かにたぎっている。まさにスポンサーに頼らない独立プロでしか成し得ない、今年度もっとも物議を呼ぶであろう快挙ともいえる作品が製作されました。

ストーリー





1945 年、福島県石川町では来る日も来る日も学徒動員で英雄はウラン採掘をしていた。自分が何を探しているのかも知らず。1966 年、福島県双葉町では原発建設反対派の最後の一人となった英雄は村八分にされ、その娘・愛子を雇うところはどこもなかった。かつて淡い恋心を通わせた健次とも「原子力 明るい未来の エネルギー」という彼の原発推進標語の受賞もあり、避けるようになっていた。2011 年、震災前、東京電力で親子二代で働いていた健次は息子を癌で失ったばかりだった。そんな折、愛子と再会するのだった。愛子の孫娘・怜は、愛子と健次の関係を知り…そして訪れる 3 月 11 日。福島県南相馬市で暮らす家族に、津波と原発事故が押し寄せた。
全てを失った怜は、街の灯りを取り戻した東京を一人彷徨い、見知らぬ男に体を売り、被災体験を語り金を取る。
そして義援金募金詐欺をする沢田と出逢い、怜もまた街頭に立つことになるのだが——。
これは、日本の原子力政策に翻弄され、傷つき、失い、絶望しながらも“それでも生きて”いこうとする、四世代一家族の物語。一家族の 70 年間にわたる葛藤が、いま私たちに問いかけることとは。

スタッフ

監督:菅乃廣
脚本:井上淳一
オープニング曲:坂本龍一

キャスト

夏樹陽子
勝野洋
千葉美紅
黒田耕平
瀬田直

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