ラスト・ワールド

世界の終わりに誰と生き、誰を見捨てるか？バーチャルとリアルの交錯する、終末後の仮想サバイバル討論会！

ギャレス・エヴァンス、モー・ブラザーズらを輩出し、いまアジア圏で最も熱い注目を集めている映画大国インドネシア。『V/H/S ネクストレベル』、『Killers／キラーズ』、『ザ・レイド』、『アクト・オブ・キリング』など、新進気鋭の次世代のクリエーターが続々と作品を発表するなか、かつてないほど斬新かつ実験的な作品が登場した。それがSF ドラマ『ラスト・ワールド』だ。

『エス〜es〜』『WAVE』など、これまでも特定の状況下に置かれた人間の心理的変遷を描く作品は、観客の予想を裏切り、魅了してきた。そして、ゲームからはじまり、TV アニメ化され人気を博した「ダンガンロンパ」をはじめ、『バトル・ロワイヤル』『ハンガーゲーム』など、そのシチュエーションに自分が立った時、果たしてどうするか？という想像力をひきたて、鑑賞後には、その内容よりもそのテーマに思いを馳せた人も多いだろう。著書「これから『正義』の話をしよう」で知られるマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」もまた、私たちが日々の生活の中で直面する難問において、「君ならどうするか？何が正しい行いなのか？その理由は？」と、学生に投げかけ、活発な議論を引き出し、その判断の倫理的正当性をディベート形式で問うていき人気を博した。そんな流れを経て、バーチャルとリアルが交錯する見事な映像とともに、突如与えられた役割、職業のもと、かつて見たことのない様な仮想サバイバル討論会（ディベート）が幕を開ける。

ジャカルタのインターナショナル・スクールで、鋭敏だがどこか謎めいた哲学の教師が、20 人の最上級生に、卒業試験として思考実験の課題を与える。それは、「迫りくる核の大惨事に備え、地下シェルターに入るにふさわしい人間を、自分たちの中から論理的に選び出せ」という、生徒たちが今まで経験したことのないような難解なものだった。世界が核戦争により終末を迎え、生き残ったのは 20 人の生徒たち。しかしシェルターでは 10 人しか生き延びることが出来ない。シェルターには 10人しか入れない。選ばれなかった者は必然的に死に直面することになる。
いつもの教室が突然、核の要塞に変り、核による滅亡の恐怖が現実のものになる。不可能な決断を迫られ、20人の若者は、生存本能が支配する一触即発の、型にはまった世界に入り込んでいく。あり得ない状況を生き抜くために日常化していく殺人、偽り、セックス、そして裏切り。観客は生徒たちの目を通し、複雑に絡み合い、どんどん緊張を増していく現実を目の当たりにする。

人類再生を目標とする終末仮想サバイバル討論・・・。そう、この映画を観終わった後、あなたも想像するだろう。
果たして世界の終りというに直面した時、あなたは、誰と行き、誰を見捨てるのか？を、究極の選択を迫られるのである。

映画『誘惑の恋人たち』のジョン・ハドルズが監督を手掛け、製作は『リディック』などを手掛けるジョージ・ザック。
主演には、『The Purge』『＋1／Plus One』など、ユニークな作品に出演し続けているリース・ウェイクフィールド、『ハリー・ポッター』シリーズのボニー・ライトら、新鋭のキャストが勢ぞろいした。そして KoRn のジョナサン・デイヴィスが音楽を手掛けた。