原題:La migliore offerta

本作は、是非2度観て下さい! 結末を知ると、物語の構図は一転。2度目は全く別のストーリーがお楽しみ頂けます。

2013年/イタリア/カラー/131分/ 配給:ギャガ

2014年08月02日よりDVDリリース 2013年12月13日(金)、TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

(C)2012 Paco Cinematografica srl.

公開初日 2013/12/13

配給会社名 0025

解説


『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』の
トルナトーレ×モリコーネの黄金タッグが仕掛ける、極上のミステリー!

 イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督と、『ニュー・シネマ・パラダイス』以来、彼とずっとタッグを組んできた音楽のエンニオ・モリコーネ。世界中から称賛を浴び続け、確固たる地位と名誉を築いた57歳と85歳が再び手を取り合って、軽やかに大胆に新たなる時代の扉を開ける、最新作が完成した。
 シチリアを主な舞台に、観る者を感動の涙で包んできた二人が、圧倒的なストーリーテリングと、それを引き立てる哀切に満ちた音楽を披露するために選んだ、次なるステージ──それは、退屈な日常から遠く離れて、豪華で知的で刺激的な、謎解きのひと時を堪能させてくれる、極上のミステリー。
 イタリアの人々は、意表を突くこの挑戦の素晴らしいパフォーマンスに魅了され、あふれんばかりの拍手喝采を贈った。なんと『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』『ホビット 思いがけない冒険』を抑え、初登場第1位の大ヒットを記録、さらにイタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞、監督賞、音楽賞を始めとする、6部門に輝いたのだ。
 イタリアから始まり、ヨーロッパ全土へと広がった熱狂が、ついに日本にやってくる。

天才オークション鑑定士に舞いこんだ、ある屋敷の鑑定依頼。
そこには隠し部屋から姿を現さない依頼人と、
本物なら世紀の発見となる美術品が待っていた──

 物語の始まりは、ある鑑定依頼。引き受けたのは、天才的な鑑定眼をもち、世界中の美術品オークションを仕切る一流鑑定士、ヴァージル・オールドマン。それは、資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された絵画や家具を査定してほしいという若い女性からの、ごくありふれた依頼のはずだった。
 ところが──依頼人は嘘の口実を重ねて決して姿を現さない。ヴァージルは不審を抱きながらも、断ることが出来ない。なぜならその屋敷の床に、もしそれが本物なら歴史的発見となる、ある美術品の“欠片”が転がっていたのだ。ヴァージルは密かに持ち帰った“欠片”を調べると共に、依頼人の身辺を探るのだが、屋敷を訪れるたびに新たな謎と立ち向かうことになる。果たして奇妙な鑑定依頼の本当の目的とは──?
 
 
  国際色豊かな演技派キャストで奏でる
  ミステリーのその先に隠された、美しくも切ない人生の物語
  
 ヴァージルを演じるのは、『シャイン』でアカデミー賞に輝き、『英国王のスピーチ』でも同賞にノミネートされたジェフリー・ラッシュ。美術品の真贋を瞬時に察知する才能と、鮮やかなオークショニアリングの手腕によって、美術業界ではカリスマ的存在でありながら、私生活では人間嫌いで、芸術品しか愛することが出来ない。そんな心のない男が一転、謎の依頼人に翻弄され惹かれていく姿を、哀愁を込めて見事に演じ切った。
 屋敷の隠し部屋から出ようとしない、秘密を抱えた依頼人には、ヨーロッパの映画やTVシリーズで人気を誇るシルヴィア・ホークス。透き通るような白い肌と神秘的な眼差しが、ミステリーに官能を添える。その他、どんなものでも復元できる特殊技能を持つが、女性にはだらしのない男に、『クラウド・アトラス』で注目されたジム・スタージェス。ヴァージルとパートナーを組んで、オークションに罠を仕掛ける画家に、『ハンガー・ゲーム』のベテラン俳優ドナルド・サザーランド。国際色豊かな演技派たちが、何層にも重なる謎に、真実味を与える演技を披露する。撮影・美術・衣装・編集も、これまでトルナトーレと素晴らしい作品を作り上げてきたスタッフが集結し、ため息の出るような骨董品や名画の数々を存分に見せてくれる。
 鮮やかに騙されて楽しいのが、極上のミステリー。だが、この物語には、まだその先がある。美しくも切ない人生のミステリーが──。

ストーリー









一流の鑑定眼を持つオークション鑑定士──特殊な才能と、偏屈な性格

 かびに覆われた板きれが数世紀前の名画だと瞬時に気付き、僅かな筆の跡から贋作を見抜く、ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)。その本職はオークションを仕切る美術鑑定士だ。神の眼のごとき鑑定眼と豊かな知識、そして天性の鋭い勘で、世界中の一流オークションからのオファーが絶えない男だ。
 だが、芸術への熱烈な愛に比べて、ヴァージルは“人間”が苦手だった。早くに親を亡くし、結婚もせず、友人もいない。携帯電話は持たないし、食事も一人。度を超す綺麗好きでも、人を遠ざけていた。高級ホテルのような住居はホコリ一つなく、行きつけのレストランには名前入りの専用食器が置かれ、トレードマークの手袋は食事中ですら外さない。
 そんな彼の最上の楽しみは、自宅の隠し部屋の壁一面に飾った、女性の肖像画を愛でること。自分が仕切るオークションで、長年のパートナーであるビリー(ドナルド・サザーランド)に、価値が上がる前の名画を格安で落札させているのだ。
奇妙な鑑定依頼──突然のキャンセルと、嘘の言い訳

 ヴァージルのもとに、クレア・イベットソン(シルヴィア・ホークス)と名乗る女から、鑑定依頼の電話がかかってくる。1年前に亡くなった両親の屋敷に遺された家具や絵画を見てほしいというのだ。ヴァージルは屋敷を訪ねるが、約束の時間になっても、雨のなか門は閉ざされたままで、人の気配もない。事務所にかかってきたクレアの電話に「許し難い無礼な行為だ!」と怒るヴァージル。彼女の説明は、「交通事故で入院した」という信じ難いものだった。
 謝罪を受け入れて再訪すると、管理人が現れる。今度は夜中に熱が出たという子どものような言い訳だ。兄弟も親戚もいない天涯孤独、独身で恋人もいないはずだと管理人は説明する。広大な屋敷はかつての壮麗さを残しながらも、今では廃墟同然で、室内は荒れ放題。地下に降りたヴァージルは、床に転がった何かの部品に心を引かれ、密かに持ち帰る。
 修理店を営むロバート(ジム・スタージェス)に、部品を調べてくれるよう頼むヴァージル。以前フランスの小説家ジュール・ヴェルヌの“妻の髪を乾かしたドライヤー”を部品から再現してくれた、恐ろしく手先の器用な男だ。

依頼人の告白──姿を現すことが出来ない理由

 契約書類に署名が必要になっても、クレアは現れない。どうやら屋敷のどこかに隠れているらしいと気付いたヴァージルは、管理人に金を握らせて、クレアのことを聞きだす。年は27歳、11年間の勤務中に一度も会ったことがないと言う管理人は、「とても奇妙な病気だからです」と秘密を漏らす。同情と好奇心にかられ、さらに部品が欲しいあまり、クレアに歩み寄ろうとするヴァージル。だが、電話で「もう手を引いてください」と冷たく拒絶されてしまう。
 一方、ロバートが磨き上げた部品からは「ヴァーカンソン」という刻印が現れる。それは、18世紀の機械人形の製作者の名前で、本物なら莫大な価値がある。

やはりクレアは、屋敷の隠し部屋に暮らしていた。彼女はヴァージルとの扉ごしの対面を決意、震える声で部屋を出られない理由を告白する。
だが、それは新たな謎への入口に過ぎなかった。
機械人形は本物なのか? 鑑定依頼の本当の目的は? そしてクレアの過去に隠された秘密とは──?

スタッフ

監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
撮影:ファビオ・ザマリオン
美術:マウリツィオ・サバティーニ
衣装:マウリツィオ・ミレノッティ
編集:マッシモ・クアッリア
音楽:エンニオ・モリコーネ

キャスト

ジェフリー・ラッシュ
ジム・スタージェス
シルビア・ホークス
ドナルド・サザーランド
フィリップ・ジャクソン
ダーモット・クロウリー

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