原題:Everyday

2012年/イギリス/カラー/94分/ 配給:クレストインターナショナル

2013年11月9日公開

(C)7 DAYS FILMS LIMITED 2012. ALL RIGHTS RESERVED.

公開初日 2013/11/09

配給会社名 0096

解説


5年の歳月をかけて撮った“毎日”。
名匠マイケル・ウィンターボトムの原点回帰
一つの家族を通して普遍的な愛と時間の尊さを描く、珠玉の感動作。

ステファニー、ロバート、ショーン、カトリーナの兄妹は、毎朝シリアルを食べ、学校へ通い、母カレンはみんなを学校へ送った後にスーパーで働き、夜はパブでも仕事をする。どこにでもある毎日。でも、違うのは父親がいないこと。
時々夜も明けきらない頃に眠い目をこすりながら母カレンと一緒に、ノーフォークの小さな村にある家からバスと電車を乗り継いで長い旅をする。連れて行かれるのは、父親が服役している刑務所だ。会えるのはほんのわずかな面会時間だけ…。
本作『いとしきエブリデイ』は、父親不在のある家族の日々を通して、当たり前と思っている“愛”と“時間”の尊さを、美しい映像と音楽で描き出した珠玉の感動作。少数のスタッフと5年の歳月をかけ、12年ぶりにマイケル・ナイマンとタッグを組んで誕生したマイケル・ウィンターボトム監督渾身の作品だ。
ウィンターボトム監督は、トマス・ハーディ原作の『日蔭のふたり』(96)、難民問題を扱い第53回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した『イン・ディス・ワールド』(02)など感動作からサスペンスまで、ジャンルの全く違う作品を次々に手がけ国際的にも高い評価を得てきた。なかでも多くの人を魅了したのが、䜂かり輝くロンドンの街を舞台に、そこに生きる人々を優しく包み込むような視点で描いたヒューマンドラマ『䜂かりのまち』(99)。ドキュメンタリー出身のウィンターボトム監督の手腕がいかんなく発揮され、ドキュメンタリーとフィクションの境界を自在に行き来してみせた。『䜂かりのまち』と対を成す作品と監督自身が言う本作でもまた、優しく穏やかなまなざしでそこに流れる家族の時間を丁寧にみつめていく。『いとしきエブリデイ』は、父親が出所してくるまでの5年間の日々のディテールを辛抱強く積み上げていくことによって、誰もが当たり前と思っている時間、家族、人間関係など、日々見落としがちな大切なことを浮か䜃上がらせていくことに成功している。

限りなくリアルで、限りなくポエティックな奇跡のような一篇 。

本作は映画の中で年月の経過を描くというアイデアから始まり、ある家族にもたらされる長い不在の時間に焦点が絞られた。刑務所で服役している父親を待つ母親と子供䜂とりという設定からキャスティングが始まり、まずは次男役を演じたショーン・カークが見出された。後にショーンに3人の兄妹がいることがわかり、結果として4人兄妹の設定となった。この実人生でも実の兄妹である彼らのキャスティングこそが、子供たちから奇跡ともいえる自然な演技を引き出し、まるでドキュメンタリーと見紛うようなリアルさを生みだした。撮影がスタートした時点では、長女ステファニーは8歳、長男ロバートは6歳、ショーンはまだおしゃぶりをくわえる4歳、一番下のカトリーナはおむつも取れない3歳だった。撮影は5年間に渡り定期的にまとまった時間の単位で、彼らの家と実際に通っている学校で行われた。両親役には『䜂かりのまち』で共演したシャーリー・ヘンダーソンとジョン・シムを起用。子供たちとプロの俳優たちによって醸し出される空気は、リアルでありながら映画の中でしか存在し得ない詩情あふれる魅力を放っている。そして、観る者もいつしかこの家族をカメラと一緒になって見守るようになっていくのだ。
父親への甘え、次第に芽生えてくる父親との距離。そして全力で子供たちに愛を注ぐ母と一日千秋の思いで家族の面会を待つ父。本当の家族のような親密な時間。愛する夫であり父親の長い不在を家族はどうやって耐えるのか?
愛は、絆は持続できるのか?子どもたちの成長や変わりゆく家族の関係性を通して、あたりまえに過ぎていく毎日が何よりも大切な“時間”の堆積であるということにあらためて気づかされる時、私たちの心はポッと暖かな明かりが灯ったような感動に包まれる。そしてまた新たな“エブリデイ”がやってくることに感謝したくなるのだ。

イギリスの牧歌的な風景に合わせて流れるマイケル・ナイマンの叙情あふれる音楽 。

『䜂かりのまち』、『めぐり逢う大地』(00)でウィンターボトムと一緒に組んだ巨匠マイケル・ナイマンが音楽を担当。湿った森、緑あふれる草原、赤く染まる空、乾いた牧草などイギリスの牧歌的な風景に合わせて流れる叙情あふれる旋律が、映画に一層の深みを与えている。刑務所にいる夫が家族との面会を終え、一人ベッドに戻るとき。まだ幼い長男がたった一人で狩をしに森の奥深くに入るとき。降りしきる雨の中みんなで肩を寄せ合って歩くとき。こうした思わずためいきをつきたくなるような、さりげない一瞬を雄弁に語るナイマンの音楽は心に深く染み入り、一種のセラピー効果があるともいえるほどだ。また、音楽のセンスでは定評があるウィンターボトムだけに、ナイマンの音楽以外にも子供たちが歌う動物の歌、聖歌など、一度聴いたら忘れられない音楽が効果的に使われている。

ストーリー




夕暮れの帰り道に見えるケシの花。一人ぼっちで歩く水仙の花畑。
二度とない同じ“毎日”

ステファニー、ロバート、ショーン、カトリーナの兄弟は、毎朝シリアルを食べ、学校へ通い、母カレンはみんなを学校へ送った後にスーパーで働き、夜はパブでも仕事をする。どこにでもある毎日。でも、違うのは父親がいないこと。父親は刑務所にいる。
会えるのはほんのわずかな面会時間だけ。季節は巡り、子供は成長し、一緒にいない時間が非情に流れていく…。

スタッフ

監督:マイケル・ウィンターボトム
製作:メリッサ・パーメンター
製作総指揮:アンドリュー・イートン
脚本:ローレンス・コリアット、マイケル・ウィンターボトム

キャスト

ジョン・シム
シャーリー・ヘンダーソン
ショーン・カーク
ロバート・カーク
ステファニー・カーク
カトリーナ・カーク
ダレン・タイ

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