原題:ningen

トロント国際映画祭2013「Contemporary World Cinema」部門

2013年/日本、トルコ/カラー/日本語、中国語/104分/ 配給+宣伝:メディア総合研究所

2013年11月2日(土)より、東京渋谷の映画館・オーディトリウム渋谷で、1週間だけの限定先行上映!

公開初日 2013/11/02

配給会社名 1463

解説


本作では、日本神話やギリシャ神話でもシンボライズ化されている黄泉の国の逸話をヒントに、狸と狐の化かし合いをプロットに混ぜ込んでいます。自身が運営する会社が経営難に陥ったことから精神を病んでいく中小企業の社長(じつは狸)が、さまざまな人間との出会いを通して、「人間とは何か」「生きるとは何か」「愛とは何か」をふたたび見つけるまでをファンタジー豊かに描いています。主役の迷える社長を演じているのは、メディア総研の経営者である社長の吉野眞弘自身であり、社内のシーンに登場するスタッフたちも実際の社員たちがエキストラ参加しており、まさに全社一体となって製作された、世界的にも稀有なインディペンデント映画となっています。

ここまで書くと、素人による映画という印象を与えるかも知れませんが、監督含め制作サイドはプロの布陣によるもの。今回メガホンを取ったのは、文化と国境を越えてメディア総研と摩訶不思議な縁を持った、チャーラ・ゼンジルジ(トルコ出身)とギョーム・ジョヴァネッティ(フランス出身)のデュオ監督。
撮影現場では、日本語はもちろん、英語、トルコ語、フランス語までもが飛び交い、新宿・歌舞伎町から古都・京都、東北・恐山のイタコの巫女文化まで、あらゆる要素が混じり合うなか、決められた台本はなく、シチュエーションのなかで出演者たちが個々に振る舞い、自分の言葉で語っています。即興的演出と演技によって人物のエモーションを掬いとるという監督独自の方法論によって撮影は進行しました。

その困難な現場で撮影を担当したのは、岩井俊二監督の『花とアリス』などで知られる角田真一、録音はベテランの鈴木昭彦。一般人による主演、そして制作クルーを除いて素人集団によって製作された、この希有なCool-Japan映画がトロント国際映画祭でどこまで観客に受け入れられるのか、今後の動向に注目して行きたいと思っています。

ストーリー



狸と狐の化かし合い。男に化けた狸と女に化けた狐が街に出て行くところから物語は始まる。時はあっという間に過ぎ、主人公である吉野に化けた狸は結婚し、中小企業を経営していたが、女に化けた狐はどこへ行ったのか?やがて自身の会社が経営不振となり、心も体も弱り果ててしまった吉野は、療養所でひとりの女性と出会う。取り戻した穏やかな日々、旧友との再会と別れ。そこでふと目にした狐と狸のおとぎ話が自分の人生に重なっていると気づいた時、彼の中で何かが目覚める。本当に求めていた“彼女”= 狐を探して吉野は旅に出る—

スタッフ

監督:チャーラ・ゼンジルジ(トルコ)、ギョーム・ジョヴァネッティ(フランス)
撮影:角田真一
録音:鈴木昭彦
ライン・プロデューサー:田中深雪
プロデューサー:谷元浩之
製作:株式会社メディア総合研究所、II Film

キャスト

吉野眞弘
李小牧
和島政子
鮎川めぐみ
福田訓久

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