アメイジング・スパイダーマン2
原題:The Amazing Spider-Man 2
2014年/アメリカ/カラー/142分/ 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2014年08月22日よりDVDリリース 2014年4月25日より公開
(C)2013 CTMG. All Rights Reserved.
公開初日 2014/04/25
配給会社名 0042
解説
自身にとって最大の戦いに直面するスパイダーマン
1962 年にマーベル・コミックで初めてスパイダーマンが登場してから50 年目となる2012 年、全く新しいアングルで生まれ変わった『アメイジング・スパイダーマン』は、全世界で7 億5 千万ドルの興行収入を獲得し、46 か国で初登場1 位を記録、子どもから大人まで世界中の人々を魅了した。
アメリカン・コミックスのヒーローは数々あれど、スパイダーマンが50 年にわたって格別な愛情を持ってファンに語られてきたのは、彼すなわちピーター・パーカーが普通の人間と同じ喜びや悲しみを噛み締める身近な存在であり、人々はときに悩んだり、傷ついたり、調子に乗ったり、エゴに走ったりするピーターに自分たちと同じ熱い血が流れていることを感じ、まさに隣りの男の子の成長を見守るように、エールを贈ってきたにほかならない。〈親愛なる隣人〉(FriendlyNeighborhood)と呼ばれるゆえんである。
『アメイジング・スパイダーマン』では、スパイダーマンが「悪者」のレッテルを貼られたところから、真のニューヨークのヒーローとなるまでのスパイダーマン誕生の秘密を描いた。そこには内なる戦い−ピーター・パーカーとして負っているごく普通の青年としての生き方と、スパイダーマンとしての非凡な責任との間に生じる葛藤があった。だが『アメイジング・スパイダーマン2』では、自身最大の戦いが始まることをピーター・パーカーは知ることになる。
それはニューヨークで最もパワフルな大企業オズコープ社だ。かつてピーターの父親はオズコープ社の研究員であった。ピーターの両親の失踪にも関与していたオズコープ社で今、ピーターの恋人グウェンが働いている。そして、その創始者ノーマン・オズボーンの息子であり、ピーターの幼馴染のハリー・オズボーンがNY に帰ってきた時、ピーターは、最先端の技術と能力を有するオズコープ社の真の恐ろしさと、その周辺でうごめいている強大な敵たちの存在を知る。
続々と現れる強敵がスパイダーマンを追い詰めていく!果たしてスパイダーマンはこの世界で生きのびることができるのか——!?
いま、史上最強との戦いが、始まる。
スパイダーマンに立ちはだかる3大強敵とは−?
オズコープ社という悪の塔から出現する一番目の敵は、高圧電流を操りすべてを破壊するエレクトロ。もともとはオズコープ社でエンジニアとして働くマックス・ディロンだった彼は会社に貢献したことで本来なら称賛されるべき存在にもかかわらず、内気な性格からか社内では目立たず家族も友人もいない孤独な人生を送っていた。そんな彼が偶然スパイダーマンに助けられ、スパイダーマンを友人だと感じ執着してしまう。ところがオズコープ社で感電事故にあって怒りのパワーを電力に変えるエレクトロとなり、突然得た内なるそのパワーに戸惑いタイムズスクエアで暴走しそうになった彼をスパイダーマンが制圧しようとしたことから、スパイダーマン最大のファンから、スパイダーマン最大の敵と変貌するのだ。
第2の敵は、長年音信不通になっていたピーターの友人ハリー・オズボーン、すなわちグリーン・ゴブリンである。ピーターの父リチャードと、ハリーの父でありオズコープ社の創始者ノーマンは、かつて研究パートナーだったが、二人の関係が破たんした時リチャードは消息を絶ち、ハリーは寄宿舎に入れられピーターとハリーの中は疎遠となる。ハリーがノーマン危篤の報を受けNY に帰り、オズコープ社の恐ろしい機密部門の存在を知ると、ピーターとハリーの再会は単なる幼馴染のそれではなく、二組の父子にわたる確執が絡んだ因縁めいたものとなる。グリーン・ゴブリンがスパイダーマンにとって特異な敵であるのは、スパイダーマンを恨み滅ぼそうとするグリーン・ゴブリンと闘いつつも、ピーターとしては、自らの運命を呪い破滅的になっていくハリーに責任の一端を感じ彼を救おうとしているからだ。最後の一人は、ロシア人のアレクセイだ。映画の冒頭で、オズコープ社からプルトニウムを強奪し、その逃走をスパイダーマンに阻まれた彼は、オズコープ社の最新技術により鋼鉄のサイ型パワードスーツで機械化されたライノとなってスパイダーマンを襲う。
そしてこれら『アメイジング・スパイダーマン2 』で初めて明かされる3 人の敵の背後に見え隠れするオズコープ社の機密プロジェクトの存在が、これまでにはなかったこのシリーズの新しいストーリーのコアとなることは間違いない。
3Dで進化し続けるウェブアクションは、スイングから“スパイディ・ダイビング”へ!
2009 年の『アバター』以降当たり前になってきた感のある3D 映像だが、どの映画にも3D がふさわしいというわけではないことを、この5 年間で観客は十分に知るところとなった。けれど、ニューヨークを自由に舞うスパイダーマンの爽快感、滑空感、そのウェブ・スイングをスリリングにエキサイティングに実感できるのは3D ならでは。スパイダーマンほど3D 映像の醍醐味を堪能できる映画キャラクターはほかにないだろう。
そして今回は、前作からさらにその体感映像が進化。冒頭からスパイダーマンはNY の人々に愛されているヒーローとして登場し、街の人々の声援を浴びながら、摩天楼の間を飛びまわる。そこでは、ストップモーションを駆使した、高低差のあるダイビングのようなダイナミックなスイングがふんだんに展開される。観客はスパイダーマンの目を通して世界を見、スパイダーマンと同じように身体を宙に浮かせ、落ちて行き、ウェブを操り縦横に飛翔する。冒頭のこの” スカイ・ダイビング” ならぬ” スパイディ・ダイビング” で心をわし掴みにされた観客は、今作での3D 映像の進化を確信するに違いない。
そしてその期待通り、最大の敵エレクトロとのバトルシーンの迫力も、過去に類のない映像体験となる。エレクトロは電流を自在に取り込み、最終的には自身が電気そのものとなってしまうため、スパイダーマンは個体としての実体がない敵と戦うことになる。終盤、発電所を舞台に繰り広げられる電流対ウェブの空中バトルはまさに圧巻!それに続き、時計台の鐘楼でのグリ−ン・ゴブリンと化したハリーとの戦いから、スパイダーマン史上最大の悲劇になだれ込むクライマックスは、初めてウェブ・スイングをスクリーンで観たとき以上の胸震える衝撃を味わうに違いない。
ピーターとグウェン、その恋はかつてないほどドラマティックに展開
” スパイダーマン” の他と一線を画するヒーロー映画としてのもう一つの魅力は、言うまでもなくピーター・パーカーがヒーローとしての人生を送りながらも、恋に悩み成長するごく普通の青年である点だ。
ピーターは今まで通り、一人の青年としての自分、恋人としての自分、そしてスーパーヒーローとしての自分との間のバランスをとろうとしている。だが、グウェンの父親が亡くなる直前、グウェンを守るため彼女にはもう二度と近づかないと約束したピーターと、男性に守ってもらおうなどとは全く思っていないグウェンとの間は、いかなる約束よりも深い愛情の絆で結ばれているにもかかわらず、どこかぎくしゃくしたものとなっている。
さらにグウェンがオックスフォード大学からの誘いを受けるに至って、二人の関係には今までにない緊張感が生まれてくる。グウェンが子どもの頃からの夢をかなえるチャンスを得たとき、ピーターは誰もが承知している辛い真実、誰かを愛する上で一番難しいのは愛する相手を手離すことだという真実に向き合わなければならなくなる。10 代の甘い恋から、人生のほろ苦い恋愛の痛みに直面した二人の決断は、誰もが驚きと感動をもって迎えるだろう。
おなじみの顔触れに個性的演技派俳優の参加が、さらにドラマに深みをもたらす
スパイダーマン=ピーター・パーカーには、前作で大抜擢された英国出身のアンドリュー・ガーフィールド。『アメイジング・スパイダーマン』ではごく普通の高校生からスパイダーマンとして成長していく姿を、新しいビジョンで見事に演じきった。今作では誠実かつ責任感を持ちヒーローとして行動する一方で、真の愛に目をそむけてしまう臆病な一面をナイーブに見せている。
ピーターの恋人グウェンも前作同様、エマ・ストーンが演じる。自立したパワフルなヒロイン像は、ピーターがスパイダーマンとして生きる上には彼自身のアイデンティティを犠牲にしなければならないことを理解してはいながらも、自身の夢のためにピーターとの別れを決意するという、難しい心情を聡明に演じている。
そして、今回スパイダーマン最大の敵であるエレクトロを演じるのは『RAY /レイ』でアカデミー賞を受賞したジェイミー・フォックスだ。孤独で周囲の人々に無視され続けてきたマックス・ディロンと、エレクトロとなって初めて注目される喜びを知り悪へと暴走してしまう屈折したヴィラン像の2面性をさすがの演技力で説得力をもって見せつける。
今作でもう一人注目すべきなのは、のちにグリーン・ゴブリンとなるピーターの幼馴染ハリー・オズボーンを演じる『クロニクル』で注目のデイン・デハーンだ。裕福でエレガントな青年から、父の代から受け継いだ呪われた運命を知り、ピーターを憎むゴブリンに変貌する姿は、その端正なマスクがより、彼の悲劇を際立たせ痛々しく胸に迫る。
さらに3 番目の敵ライノことアレクセイには、『それでも夜は明ける』『サイドウェイ』のポール・ジアマッティが、出番は少ないながら次作での活躍を予感させる重要なシーンで登場する。また、ハリーの秘書フェリシアに『今日、キミに会えたら』のフェリシティ・ジョーンズが数カットのみ出演しているのも今後の展開の上で気になるところだ。常にピーターを見守っている慈愛ある伯母メイ・パーカーと、前作では数カットしか出演しなかったピーターの父リチャードには、引き続きサリー・フィールドとキャンベル・スコットが扮し、人生の選択に迷うピーターの道しるべ役として重要なシーンを担いドラマに深い感動をもたらしている。
監督はもちろん『(500)日のサマー』で瑞々しい青春を描いた手腕が大絶賛され、『アメイジング・スパイダーマン』で、長編第2 作にして全世界で7 億5000 万ドルの興行収入を稼ぎだしたマーク・ウェブ。すでにハリウッド大作監督としての風格を見せた本作の演出ぶりは、再び全世界を驚かすに違いない。
ストーリー
スパイダーマンとなって街の犯罪者と戦うピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)。いまやスパイダーマンはニューヨークのヒーローであり人気者。TVや新聞で彼の活躍を目にしない日はなかった。人々に愛され、自信をもち、自分自身ヒーローであることを楽しんでいるピーター。一方で恋人グウェン(エマ・ストーン)との仲は、どこかギクシャクしたものになっていた。死んだグウェンの父ステイシー警部との「グウェンには近づかない」という約束を破って彼女とつき合っている自分をやましく思う気持ちが、ピーターのわだかまりとなっていたのだ。
高校の卒業式の日、グウェンは総代としてスピーチをすることになっていた。ピーターの晴れ姿を心待ちにしているメイ伯母さん(サリー・フィールド)の姿も会場に見える。そんな大切な日でさえ、ピーターは犯罪者を追っていた。巨大企業オズコープ社からプルトニウムを強奪したロシアのギャング、アレクセイ(ポール・ジアマッティ)の暴走を止め、その間には巻き込まれそうになったオズコープ社の電気技師マックス(ジェイミー・フォックス)を救い、卒業式には遅刻。まるでステイシー警部の亡霊を避けるかのように、グウェンを避け、スパイダーマンとして活躍するピーターに「スパイダーマンのあなたは好きだけれど、愛しているのはピーター」と言って、グウェンは別れを切り出す。
そして、この日スパイダーマンに助けられたマックスは、たまたまスパイダーマンに親しく声をかけられただけだったのに、友達もいない孤独な人生を送っていただけに、スパイダーマンの大ファンとなり、自らをスパイダーマンのパートナーだと信じ込んでしまっていた。
そのころオズコープ社の御曹司であるピーターの幼馴染ハリー・オズボーン(デイン・デハーン)が難病を患う父ノーマンの危篤の報を受け、永年の海外の寄宿舎生活からニューヨークに戻ってくる。互いに幼い時に父親と引き離された辛い経験を共有する二人にとって、会わずにいた数年間の隔たりはあっと言う間にないものとなった。
一方、オズコープ社では、自分の誕生日だったのに残業を言いつけられ、一人で研究所の電気不具合を修理していたマックスが、実験用の電気ウナギの水槽に落ち感電事故にあう。一時は死んだと思われ死体安置所に置かれるが、人知れず息を吹き返し、高圧電流を操るエレクトロとなって街で暴れ出す。ところが、かつて自分を救ってくれたスパイダーマンが、自分のことをすっかり忘れ、警察と一緒に制圧側に回っていることに怒り、拘束されたオズコープの秘密収容所でスパイダーマンへの復讐を誓う。
また、ハリーは父の死の床で自分が父と同じ難病にかかっており、それを治すにはオズコープ社が秘密に研究していたクモの毒素から作った治療薬が必要だと聞かされ、スパイダーマンの血清が手に入れば自分の命は助かると思い込む。
そこで、スパイダーマンの写真を撮って新聞社に売り込んでいるピーターを通じて、スパイダーマンの血を得ようとする。だが、それはハリーの命をさらに危険にさらすと判断したピーターに断られ、オズコープ社に隠されていたクモの毒素を自分に投与。すると病気が治るどころか、凛々しい形相が毒々しいグリーン・ゴブリンに変貌。ハリーもまたスパイダーマンを憎むようになる。
ついに、ハリーはグウェンを拘束し、収容所に入っていたアレクセイをサイ型アーマーと一体化した怪物ライノに仕立て、エレクトロとともに凶力なタッグを組んで、一気にスパイダーマンをこの世界から抹消しようとする−。
リチャードとノーマンの時代に行われていた恐ろしいオズコープ社の秘密研究が、今再びそれぞれの息子、ピーターとハリーに受け継がれ、さらに巨大な悪の連鎖を生みオズコープ社に結集した。グウェンとの愛を取り戻すため、3 敵に立ち向かうピーターだったが・・・。
果たして世界は今度こそスパイダーマンを失うのか。ドラマはシリーズ史上、最も壮絶なクライマックスへ—。
スタッフ
監督:マーク・ウェブ
原作:スタン・リー、スティーブ・ディッコ
原案:ジェームズ・バンダービルト
脚本:アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー、ジェフ・ピンクナー
撮影:ダン・ミンデル
美術:マーク・フリードバーグ
衣装:デボラ・L・スコット
キャスト
アンドリュー・ガーフィールド
エマ・ストーン
サリー・フィールド
ジェイミー・フォックス
シャイリーン・ウッドリー
デイン・デハーン
ポール・ジアマッティ
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