原題:Dressing UP

少女は幻想の国にもう一人の自分を見る

・大阪映像文化振興事業CO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪)第8回助成作品 ・TAMA NEW WAVE コンペティション部門 グランプリ&ベスト女優賞受賞 ・お蔵出し映画祭2014 審査員特別賞 ・CO2新人俳優賞受賞(主演:祷キララ) ・田辺・弁慶映画祭 入選 主演女優賞受賞(主演:祷キララ) ・ドイツ・ニッポンコネクション 正式出品 ・大阪アジアン映画祭 インディ・フォーラム部門上映

2012年/日本/68分 制作:配給:ドレッシング・アップ

2015年10月3日(土)〜16日(金)シアター・イメージフォーラムにて限定2週間アンコール上映 2015年8月15日よりシアター・イメージフォーラムにてレイトロードショー

公開初日 2013/05/11

公開終了日 2013/05/17

配給会社名 1410

解説


おかあさんはどんな人だったの?
亡き母の過去をたどるうち、いま、少女の前で世界は残酷に変容してゆく。

 桜井育美は父親とふたり暮らしの中学一年生。授業で「将来の夢」について考えるという課題が出ても、自分の未来を想像することができない。「母親のような立派な人になりたい」というクラスメイトの発言を聞いた育美は、幼いころに死んだ母親がどういう人だったのか興味を持ちはじめる。やがて育美は、父親がずっと隠していた母親の過去を知ってしまう。けっして開けてはならない箱を開けてしまった少女。この世界で生き抜くために、愛を求めてさまよう彼女の見たものとは——

『Dressing Up』は多感な年代の少女が死んだ母親に近づきたいと切望し、追体験するうちに、知らなかった母の隠された闇に魅せられていく姿を描いた作品である。自らの内にいる怪物に気づいた彼女は、いつか自分も母と同じになってしまうのでは、という考えに囚われる。その怖れが反響したかのように想像は現実を侵食しはじめ、やがて世界は彼女の前で変容してゆく。

 けっして開けてはならない箱を開けてしまったことから、世界に対して孤独な闘いを挑むことになる主人公の少女を演じたのは、柴田剛監督『堀川中立売』(2010)や人気バンド・神聖かまってちゃんのMV「夕方のピアノ」(2010)で強烈な個性を放ち話題を呼んだ祷(いのり)キララ。撮影当時は小学6年生ながら堂々たる演技と存在感が高く評価され、第14回「TAMA NEW WAVE」ベスト女優賞、第7回「田辺・弁慶映画祭」主演女優賞、第8回「CO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション)」新人俳優賞と、国内の映画祭で女優賞三冠を果たした。
妻亡きあと、誠実に娘と接し育ててきたつもりが、そのやさしさがかえって彼女の心の奥底を刺激してしまうことになる父親役に鈴木卓爾。『夏の思い出〜異常快楽殺人者〜』(95/斉藤久志監督)に主演後、日本映画に欠かせないバイプレイヤーとして様々な監督の作品で存在感を放っている彼は、『ゲゲゲの女房』(2010)、『楽隊のうさぎ』(2013)などの作品を監督し、映画監督としても高い評価を受けている。今回、監督の強い希望により出演が叶い、その期待にこたえて複雑な感情を持つ父親を繊細に表現している。

監督は安川有果。映画作家の人材発掘と制作支援を目的として2005年に大阪市が立ち上げたCO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション)の企画募集において、選考委員であった黒沢清監督、山下敦弘監督らに選出され本作を監督。撮影当時25歳、初の長編作品でありながら、オリジナリティ溢れるストーリーが話題を呼び、第14回「TAMA NEW WAVE」でグランプリ受賞するなど高い評価を受けた。撮影は映画『超能力研究部の3人』(2014)やテレビドラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」(2014)などの山下敦弘監督作品や三宅唱監督『Playback』(2012)など、新世代の監督たちの作品に欠かせない存在となった四宮秀俊が担当。助監督に監督作『灰色の烏』(2015)が公開されたばかりの清水艶、制作に監督作『螺旋銀河』(2015)が公開待機中の草野なつかが参加するなど、次世代の日本映画を担う注目のスタッフが集結した作品となっている。

ストーリー





育美は父親の友則と二人暮らしの中学一年生。授業で「将来の夢」についての課題が出るが、自分の未来を想像することが出来ない。「母親のような立派な人間になりたい」というクラスメイトの発言を聞いた育美は、死んだ母親がどういう人だったのか興味を持ち始めるが、ある日、友則がひた隠しにしていた母親の過去を知ってしまう。

スタッフ

監督・脚本・編集:安川有果 
撮影:四宮秀俊 
照明:大嶋龍輔 
録音・音楽:松野泉
美術:塩川節子 
衣装:金井塚悠香 
メイク:北川恵里 
特殊メイク:仲谷進(KID’S COMPANY) 
制作統括:濱本敏治 
制作:横田蕗子、草野なつか 
助監督:福田良夫、清水艶
チラシロゴ・イラスト:小林エリカ 
アートワーク:寺澤圭太郎 
テキスト:磯田勉
制作・配給:ドレッシング・アップ  
宣伝:細谷隆広 
宣伝協力:岩井秀世

キャスト

祷キララ  
佐藤歌恋  
渡辺朋弥 
平原夕馨
デカルコ・マリィ 
鈴木卓爾

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