シェフ！〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜

問題だらけの〈寄せ集めシェフ〉たちが、
高級三ツ星フレンチレストランの厨房に、奇跡を起こす——。
フランス料理界が誇る一流シェフ監修！
レストランの舞台裏からお届けする、美味しい人生の物語。

rodu cパリ有数の超高級三ツ星フレンチレストラン“カルゴ・ラガルド”は、20年間店の“三ツ星”を守り抜いてきたベテランシェフ・アレクサンドルのスランプで大ピンチ。次の審査会で星を一つでも失えば店の運命は終わりなのに、新メニューがひらめかない！そんな折にアレクサンドルが出会ったのが、老人ホームのペンキ塗りをしていたジャッキー・ボノ。彼は天才的な舌を持っているにも関わらず、生意気な性格のせいで数多くのレストランをクビになった若手シェフだった——。更に老人ホームの厨房で働いていた素人シェフたちも仲間に加わり、この問題だらけの＜寄せ集めシェフ＞たちは、何とか由緒あるレストランを守ろうと立ち上がるが……。

料理への情熱が溢れだし、それが故に失敗も多い主人公ジャッキーを演じるのはミカエル・ユーン。そして、三ツ星レストランを支えてきた往年のカリスマシェフ・アレクサンドルに『レオン』『ダ・ヴィンチ・コード』などで知られるフランスの名優ジャン・レノが扮している。また本作の監督・脚本を務めたダニエル・コーエンは、これまで映画ではあまり描かれてこなかった高級フレンチの世界を舞台に、料理に情熱を注ぐシェフたちの姿を、ときにコミカルに、ときにあたたかく描写。パリの三ツ星レストラン「アルページュ」のシェフ、アラン・パッサールや、史上最年少で三つ星を獲得したアラン・デュカス、前衛フレンチの第一人者ピエール・ガニェールら一流シェフへの取材に基づき、美味しい料理が人々の心を幸せにするという真実を、物語の中にやさしく溶かし込んだ。
また本作のもう一つの主役と言えるのが、本編中に登場する数々の料理たちだ。劇中には、シャトーホテル「レ・ゼタン・ドゥ・コロー」のシェフ、ブノワ・ボルディエがレシピを手掛けたというフランスの伝統料理からアヴァンギャルドな分子料理まで、食欲を掻き立てるたくさんのメニューが登場する。気付くと私たちは、そんな美味の裏に隠された人々の悲喜こもごものドラマを目の当たりにしているのだ。この作品は、料理を通じて人生のよろこびを描き上げる、不器用なシェフたちの人間賛歌でもある。寄せ集めの仲間と力を合わせ、無名のシェフが最後に手にするものとはいったい——。