原題:Dawn of a Filmmaker: The Keisuke Kinoshita Story

2013年/日本/カラー/??分/ 配給:松竹

2013年12月05日よりDVDリリース 2013年6月1日(土)全国ロードショー

(C)2013「はじまりのみち」製作委員会

公開初日 2013/06/01

配給会社名 0003

解説


本作では、戦中、惠介が脳溢血で倒れた母を疎開させるために二台のリヤカーを用意し、一台に母を乗せ、もう一台は身の回りの品を積み、兄・敏三と便利屋と三人で山越えした、という木下監督の実話を軸に、血気盛んな映画青年として軍部に睨まれ、松竹を一時離れるきっかけとなった『陸軍』のエピソードを盛り込みつつ、戦争という時代のうねりに翻弄されながら、母を想う子、子を想う母の真実の愛の物語を描き出します。

木下惠介を演じるのは、山田洋次監督や周防正行監督、北野武監督をはじめ、クリント・イーストウッド監督やガス=ヴァン・サント監督、アッバス・キアロスタミ監督など、日本に留まらず世界の巨匠からラブコールを受ける実力派俳優、加瀬亮。そして惠介の母、たま役には『天城越え』(三村晴彦監督)でモントリオール世界映画祭主演女優賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得るとともに、87年に木下惠介脚本の『二十四の瞳』(朝間義隆監督)の大石先生役も演じた実績のある、田中裕子が決定しました。そして、惠介とともにリヤカーを引き山越えをする惠介の兄・敏三役には、『踊る大捜査線』シリーズでのレギュラー出演のほか、映画、舞台と幅広い活動をみせるユースケ・サンタマリア、便利屋役に『アヒルと鴨のコインロッカー』ほか主演作が相次ぎ、演技力に定評のある濱田岳がキャスティングされました。

手放しの人間賛歌ではなく、人間の美しさや醜さ、そして弱さと強さのありのままを肯定し、名もなき市井の人々の本当の姿を愛をもって見つめ続けた木下惠介監督。

ストーリー







時は戦中。政府から戦意高揚の国策映画つくりが要求された時代。木下惠介が昭和19年に監督した『陸軍』は、その役割を果たしていないとして、当局から睨まれ、次回作の製作も中止されられてしまう。すっかり嫌気がさした木下は松竹に辞表を提出し、脳溢血で倒れた母、たまが療養している浜松市の気賀に向かう。失意の中、たまに「これからは木下惠介から木下正吉に戻る」と告げる惠介。
戦局はいよいよ悪化の一途をたどり、気賀も安心の場所ではなくなる。惠介は、山間の氣田に疎開することを決め、晩夏、一台のリヤカーに寝たままの母を乗せ、もう一台には身の回り品を乗せ、兄・敏三と、頼んだ「便利屋」と自分と三人で、夜中の十二時に気賀を出発し山越えをする。十七時間休みなく歩き通し、激しい雨の中リヤカーを引く。ようやく見つけた宿で、母の顔の泥をぬぐう惠介。疎開先に落ち着いて数日後、たまは不自由な体で惠介に手紙を書く。そこにはたどたどしい字で「また、木下惠介の映画が観たい」と書かれていた。

スタッフ

監督・脚本:原恵一

キャスト

加瀬亮
田中裕子
ユースケ・サンタマリア
濱田岳

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