原題:WOMAN IN BLACK

2012年/イギリス・カナダ・スウェーデン/95分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/G/ 配給:ブロードメディア・スタジオ 宣伝:ティー・ベーシック

2012年12月1日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー

(c) 2011,SQUID DISTRIBUTION LLC, THE BRITISH FILM INSTITUTE

公開初日 2012/12/01

配給会社名 0551

解説


『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフが
新たなキャリアの出発点に選んだ戦慄のゴシック・ホラー

映画史上特筆すべき熱狂を呼び起こした『ハリー・ポッター』シリーズの主演を務め、若くして世界的なスーパーアイドルとなったダニエル・ラドクリフ。2011年の完結編『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』で大役をやり遂げた彼が、その次に挑むべき作品として数ある企画の中から自ら選び取ったのが、このブリティッシュ・ゴシック・ホラー『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』である。

原作は、栄えあるサマセット・モーム賞やウィットブレッド賞などに輝く現代イギリスの人気作家スーザン・ヒルの「黒衣の女 ある亡霊の物語」。1983年に出版されたこのベストセラー小説は、1982年にTVムービー化され、ラジオ・シリーズや舞台劇にもなった名作中の名作だ。そしてこのたび『吸血鬼ドラキュラ』(58)などの怪奇映画で一世を風靡し、『モールス』(10)で復活を果たした老舗のホラーレーベル、ハマーフィルムが、15年もの構想期間を経て執念の映画化を実現。この奇跡的なコラボレーションが実り、全米ボックスオフィスで初登場2位を記録した本作は、世界中で1億2000万ドル以上の興収を叩き出し、ホラー&スリラーのジャンルにおいて近年最も成功を収めたイギリス映画となった。

人里離れた霧の洋館に棲む“黒衣の女”の正体とは?
愛妻を亡くした若き弁護士の運命を描くゴースト・ストーリー

深い霧に包まれた沼地にひっそりとたたずむ洋館。そんな詩的なまでに美しくも不気味な舞台設定のもとで物語が展開していく本作は、恐怖と悲哀に満ちた正統派のゴースト・ストーリーである。人生の大切な伴侶を失った悲運の弁護士であり、一児の父親でもある主人公アーサーに扮したラドクリフは、このうえなく繊細かつ豊かな感情表現を披露。とりわけアーサーが“イールマーシュの館”の内部を探索するシークエンスでは、この世ならぬ超常現象に見舞われながら“黒衣の女”の秘密ににじり寄っていく過程を、迫真のひとり芝居で演じきった。ホラーにありがちな絶叫演技をあえて封印し、今は亡き愛妻の幻影に囚われた男の耐えがたい痛みもひしひしと伝える入魂の演技は、俳優としての確かな成長を印象づける。まさに本作は魔法使いの少年役から脱皮し、真の実力派スターへのステップアップを志したラドクリフにうってつけの作品となった。  

また刺激的なバイオレンス描写に一切頼らず、美術、衣装、ロケーションにこだわり、格調高さすら感じさせるゴシック・ワールドを創造したスタッフの丹念な仕事ぶりも見逃せない。ジャパニーズ・ホラーのテイストも取り入れ、クラシカルなタッチとモダンなホラー演出を巧みに使い分けた監督は、ケリー・ライリー&マイケル・ファスベンダー主演の『バイオレンス・レイク』(08)で絶賛された新鋭ジェームズ・ワトキンス。スーザン・ヒルの原作小説にエモーショナルな改変を加えた脚本家は、『キック・アス』(10)、『X−MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)の注目株ジェーン・ゴールドマン。さらに『裏切りのサーカス』(11)のいぶし銀俳優キアラン・ハインズ、『アルバート・ノッブス』(11)でアカデミー助演女優賞にノミネートされたジャネット・マクティアらの実力派がラドクリフの脇をがっちりと固め、戦慄と幻想、愛と喪失のドラマに深みを与えている。

ストーリー




19世紀末のロンドンに暮らす若き弁護士アーサー・キップス(ダニエル・ラドクリフ)は、4年前に愛妻ステラを亡くして以来、失意のどん底に沈んでいた。そんなある日、事務所のボスから新たな仕事を命じられた彼は、ひとり息子ジョセフをロンドンに残し、田舎町クライシン・ギフォードへの出張に旅立つ。列車を乗り継いで現地に着いたアーサーに課せられたのは、最近他界したアリス・ドラブロウ夫人の“イールマーシュの館”に赴き、彼女の遺言書を見つけ出すこと。ところが沼沢地の島にぽつんとそびえ立つ館にはただならぬ陰鬱なムードが漂い、謎めいた“黒衣の女”が森や窓辺に出没する。やがてこの館の忌まわしい過去と、町の大勢の子供たちが相次いで変死している事実を探りあてたアーサーは、自らも恐るべき呪いの連鎖に巻き込まれていくのだった……。

スタッフ

原作:『黒衣の女 ある亡霊の物語』スーザン・ヒル著(ハヤカワ文庫)
監督:ジェームズ・ワトキンス(『ディセント2』
製作:ブライアン・オリヴァー(『ブラック・スワン』)
脚本:ジェーン・ゴールドマン(『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『キック・アス』)
撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ(『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』)
美術:ケイヴ・クイン(『トレインスポッティング』)
編集:ジョン・ハリス(『キック・アス』)
音楽:マルコ・ベルトラミ(『ハート・ロッカー』)

キャスト

ダニエル・ラドクリフ(『ハリー・ポッター』シリーズ)
キアラン・ハインズ(『裏切りのサーカス』)
ジャネット・マクティア

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