原題:我的少女時代

日中国交正常化40周年記念・中国映画の全貌2012

2011年/中国/ヴィスタ(1:1.85)/102分 配給:オリオフィルムズ

2012年10月6日(土)〜11月16日(金)新宿K’s cinema

公開初日 2012/10/06

公開終了日 2012/10/16

配給会社名 1344

解説


中国のヘレン・ケラーと言われる、中国障害者連合会の女性会長チャン・ハイディーが自身の自伝的小説「車椅子の上の夢」を自ら脚色し、フェン・ゼンジが監督、チャオ・ホイリーが製作を担当した。フェン監督とプロデューサーのチャオは夫婦で、本作でクレジット上は分けているが製作も監督も共同で行っている。主演のリー・イーシャオはテレビドラマでは多くの主演作を持つ人気女優、CM出演等モデルとしても活躍している。本作ではこの役にはまった美少女役を軽快に演じて、彼女を見ているだけで癒される思いがする。舞台になった時代は文革の嵐が吹き荒れ下放が始まり中国が混乱していた時代。この時代は日本の第二次大戦時と同じように忘れることのないように繰り返し映画化される。主人公のファン・タンは下放先で医術を独学で身に着け無医村の医者として慕われる。『シュウシュウの季節』のように下放された地でつらい思いをする映画は多いが本作はその地その時を懐かしく振り返る。実話に基づいた物語であり、厳しい時代背景も描かれるのだがそれよりもその地の子供たちや地元の人々との交流を中心に温かく描かれ、心温まる作品に仕上がっている。そのせいか中国共産党結党90周年、辛亥革命100周年記念作品の一本に選ばれた。さらに2011年大学生映画祭で作品大賞を受賞。オープニングとラスト車を運転している現在のファン・タンはチャン・ハイディー自身が演じている。

ストーリー



1960年代後半の文化大革命が始まった中国のある都市。5歳の時に得た病で下半身が麻痺して学校へ行くことができなかった少女ファン・タンは、いつも窓際のベッドで本を読み勉強していた。ある日、ファン・タンはアコーディオンを弾く青年リー・ジェンと出会い親しくなる。しかし、文化大革命のさ中、二人は別々の場所に下放されて引き離される。リー・ジェンは大好きな本も読めず鬱々とした日々を過ごすが、ファン・タンは鍼灸の本を読み独学で治療法を身に着ける。無医村の下放地で彼女は重宝されて治療を受ける人が列をなすようになる。土地の子供たちとも打ち解けた。その中の聾唖の子シャオジンライの父親が車椅子を作ってくれ、往診にも行けるようになる。ファン・タンの一番の願いはシャオジンライの病気を直し話せるように治療することだった。その思いを胸に、眠る時間も惜しみ病気になるほど勉強を続けた。鍼灸には聾唖を治す治療法もあり、シャオジンライに治療を施すがシャオジンライが言葉を発することはなかった。数年が過ぎ、文化大革命も終わりを告げ、ファン・タンの家族は元の家に戻れることになり、村の人々は彼女との別れを惜しみ子供たちも涙ながらに見送ってくれた。そこにシャオジンライの姿はなかったが…。

スタッフ

監督:フェン・ゼンジ(馮振志)
プロデューサー:チャオ・ホイリー(趙慧利)
原作・脚本:チャン・ハイディー(張海迪)

キャスト

ファン・タン:リー・イーシャオ(李依暁)
リー・ジャン:ワン・イー(王毅)

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