2012年/ カラー/ シネマスコープ/ 119分 配給:東京テアトル

2012年7月7日より、スバル座他にて運命を変える全国ロードショー

©2012「スープ」製作委員会 © 「生まれ変わりの村」森田健(河出書房新社)

公開初日 2012/07/07

配給会社名 0049

解説


娘の記憶を失いたくない……!
娘を想う父親の深い愛情が染み渡る珠玉のドラマ

いつの時代であっても、娘を想う父親の気持ちに限りはない。たとえ命を落としてしまい、“あの世”に行ってしまったとしても、娘の幸せを祈り続ける。本作の主人公、渋谷健一はまさにそんな父親である。

渋谷はインテリア・デザイン会社に勤めるうだつのあがらない50歳。妻とは2年前に離婚してしまい、それがきっかけで、娘の美加との関係性もギクシャクしている。何とかして娘との関係を何とか修復したいと願う渋谷だったが、いつもすれ違いばかり。そんな中、美加の15歳の誕生日の翌日、渋谷は上司の綾瀬由美とともに、落雷事故で命を落としてしまう。

渋谷と由美が降り立ったのは“あの世”だった。この世界をさまよう中で、二人は「伝説のスープ」の存在を知る。このスープには、飲むと来世で別人となって生まれ変わることが出来るが、前世の記憶はなくなってしまうという言い伝えがあった。娘のことを忘れたくない渋谷は、娘のことを忘れずに生まれ変わりたいと強く願い、「伝説のスープ」の秘密を探ろうとするが…。

この映画は、娘に対する父親の深い愛情模様を、ユーモアを交えながらも、しっかりと紡ぎ出した珠玉のドラマである。

あなたなら前世の記憶を消してしまう伝説のスープを飲みますか?

「死んでも生まれ変われる」という本作の設定のベースとなったのは、前世を記憶する人たちが数多く生息する中国奥地の村を徹底取材した森田健による「生まれ変わりの村」(河出書房新社刊)。VOL1,2,3の3冊で累計12万部を売り上げたベストセラーノンフィクションとなる本書で紹介された、飲めば前世の記憶を失ってしまうという「スープの伝説」は、本作の重要なモチーフとして物語に深みを与えている。

死んでもなお、娘への想いを貫いた父の愛の物語は、人間関係が希薄になったといわれる現代だからこそ、静かに染み渡ってくる。そして映画を観た後は、改めて自分自身の人生や、家族の絆について考え直す機会となることだろう。

個性派俳優・生瀬勝久、意外にも本作が初の映画“単独”主演作
娘の幸せを強く願う父親像は、これまでのイメージを覆す新境地

娘に伝えられなかった想いを伝えるために、あの世で奮闘する男・渋谷健一を演じるのは、シリアスからコメディまで巧みに演じ分ける個性派俳優の生瀬勝久。『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』では小池徹平とのダブル主演を果たしているが、意外なことに、単独の映画主演作は本作が初。コミカルでエキセントリックな役柄の多い生瀬だが、本作では現世に娘を残したまま亡くなり、あの世で苦悩する父親を好演している。そして渋谷と一緒にあの世へ行くことになる上司、綾瀬由美役に、確かな演技力と、凛とした存在感で数々のドラマや映画に出演する小西真奈美。生瀬とはドラマ『きらきら研修医』などでの共演経験があり、本作でも息の合った演技を見せている。

脇を固める登場人物にも個性豊かな豪華キャストが集結した。渋谷が思い続ける娘の美加役に、初主演映画『バルーンリレー』が公開される注目の新人女優・刈谷友衣子。渋谷と由美があの世で出会う人々に、1960年のデビュー以来、映画・テレビなどで長きキャリアを誇る松方弘樹、劇団☆新感線の看板俳優・古田新太、若手実力派女優の谷村美月、ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』、映画『SAYURI』の大後寿々花などが参加し、ドラマに華を添えている。

さらに16年後の現世に登場する人々には、若手注目株が集結した。生瀬演じる渋谷健一の生まれ変わりである高校生・三上直行役に、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら』『探偵はBARにいる』『天国からのエール』など近年、映画出演作の公開が続く野村周平。直行が想いを寄せる転校生・西村千明役に映画『告白』で注目を集め、映画『Another』『桐島、部活やめるってよ』などの話題作への出演が続く橋本愛。直行のクラスメイト・美崎瞳役に『マリア様がみてる』『ロストハーモニー』の広瀬アリスが出演。今もっとも勢いのある若手俳優たちが繰り広げるアンサンブルにも注目だ。

その他、成長した美加役として演技派女優の伊藤歩、直行の父母として、入江雅人、堀内敬子らも名を連ねている。

本作のメガホンをとったのは、『首領の一族』『暗黒街の帝王』などスタイリッシュな映像美で高い評価を受ける大塚祐吉。本作では、豪華キャスト陣によるアンサンブルを見事にまとめあげ、親と子どもの絆を謳いあげる珠玉のドラマを生み出した。

ストーリー








渋谷健一(生瀬勝久)はインテリア・デザイン会社に務める50歳。会社の同僚から陰で「ゾンビ」と揶揄されている彼は、何をやるにも生気が感じられない男である。会社の成績も今ひとつの渋谷はまさにクビ寸前の崖っぷち社員で、社長からは上司の綾瀬由美(小西真奈美)を渋谷の仕事のサポート役に押し付けられてしまう始末。

妻とは2年前に離婚。娘の美加(刈谷友衣子)はいまだに両親の離婚に納得していない様子で、そのギクシャクした関係は平行線をたどったままだ。しかし今日は美加の15歳の誕生日。娘との関係を何とかしたい渋谷は、由美のアドバイスに従い、15本のバラの花束をプレゼントすることにする。

しかしフラワーショップでバラをラッピングしているまさにそのとき、渋谷の携帯に、美加が友人の千春と一緒に服を万引きをしたという連絡が入ってくる。驚いた渋谷は急いでブティックに駆け付けるが、「何でこんな時だけ恰好つけてるの? お母さんに逃げられたくせに」と吐き捨てる美加。まさに痛いところを突かれた渋谷はカッとなり、思わず娘の頬を引っぱたいてしまう。しかし、その瞬間に後悔の念にかられた渋谷は、何も言わずに去っていく娘の後ろ姿をただただ見つめることしかできなかった。これが父の姿で娘と対面する最期の瞬間になってしまうとも知らずに…。

スタッフ

監督・脚本:大塚祐吉
主題歌:「会いにいくよ」wacci(Epic Records Japan)
製作:太代眞裕/ 二村慈哉/ 北牧裕幸/ 三藤守弘
プロデユーサー:三井昭彦/ 村瀬博之/ 柳田和久
撮影:豊田実
照明:川辺隆之
録音:飴田秀彦
美術:山下修侍
編集:米田博之
音楽:安部潤 
宣伝:TOブックス
文献:「生まれ変わりの村」森田健(河出書房新社)
配給:東京テアトル
製作:2012「スープ」製作委員会

キャスト

生瀬 勝久
小西真奈美
刈谷友衣子
野村周平
広瀬アリス
橋本愛
大後寿々花
入江雅人
堀内敬子
凛華せら
堀部圭亮
池田鉄洋
谷村美月
山口紗弥加 
伊藤歩 
羽野晶紀
古田新太
松方弘樹

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