千年の愉楽
第69回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門正式招待
2012年/日本/カラー/107分/ 配給:若松プロダクション、スコーレ株式会社
2013年3月9日 テアトル新宿 ほか全国順次ロードショー
(C)若松プロダクション
公開初日 2013/03/09
配給会社名 0307
解説
紀州が生んだ鬼才・中上健次の代表作『千年の愉楽』を、若松孝二が映画化した。名作と名高いが、その構成の複雑さ、神話的な成り立ちから、映像化は難しいと思われていた作品である。
しかし、奇跡は起きた。中上健次の世界そのものが、海と山に囲まれた小さな路地の風景の中に、見事に立ち現れたのである。ロケ地となったのは、眼下に湾を見下ろし、背後に紀州の深い緑が連なり、斜面に細い路地が巡る三重県尾鷲市の小さな集落、須賀利。
時空を超えて路地の男たちの生き死にを見守るオリュウノオバを演じるのは、若松組の演出を知り尽くした名優・寺島しのぶ。そして、命を溢れさせていく美しい中本の男たちを高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太ら、旬の若手俳優たちが熱演。若松組常連となった井浦新、佐野史郎らがしっかりと脇を固める。
素晴らしいキャスト陣と昭和の薫りが色濃く漂う舞台を得て、若松孝二が、描き上げたのは、匂い立つような命、不条理ゆえに美しい命の讃歌である。
ストーリー
紀州の路地に生を受け、女たちに圧倒的な愉楽を与えながら、命の火を燃やしつくして死んでゆく、美しい中本の男たち。その血の真の尊さを知っているのは、彼らの誕生から死までを見つめ続けた路地の産婆・オリュウノオバだけである。
年老いて、いまわの際をさまよい続けるオリュウの胸に、この路地に生を受け、もがき、命を溢れさせて死んでいった美しい男たちの物語が甦る。
己の美しさを呪うように、女たちの愉楽の海に沈んでいった半蔵。
火を噴くように生きていたいと切望し、刹那の炎に己の命を焼き尽くした三好。
路地から旅立ち、北の地で立ち上がろうともがいて叩き潰された達男。
生きよ、生きよ、お前はお前のまま、生きよと祈り続けたオリュウ。
うたかたの現世で、生きて死んでいく人間を、路地の人間の生き死にを、見つめ続けたオリュウの声なき祈りが、時空を越えて路地の上を流れていく……。
スタッフ
原作:「千年の愉楽」中上健次(河出文庫)
監督:若松孝二
企画:若松孝二、昆絹子
プロデューサー:若松孝二、昆裕子、尾?宗子
ラインプロデューサー:大友麻子
脚本:井出真理
音楽:中村瑞希、ハシケン
撮影:辻智彦、満若勇咲
照明:大久保礼司
録音:福田伸
美術:増本知尋
メイク:小沼みどり
衣裳:宮本まさ江
編集:坂本久美子
音楽プロデューサー:高護
助監督:大友太郎、冨永拓輝、瀧口亮二
特殊メイク:森田誠
キャスティング:小林良二
スチール:岡田喜秀
メイキング:木全哲
キャスト
寺島しのぶ
佐野史郎
高良健吾
高岡蒼甫
山本太郎
染谷将太
原田麻由
井浦新
増田恵美
並木愛枝
地曵豪
安部智凛
瀧口亮二
岡部尚
山岡一
水上竜士
岩間天嗣
大谷友右衛門
片山瞳
月船さらら
渋川清彦
大西信満
石田淡朗
小林ユウキチ
大和田健介
真樹めぐみ
大西礼芳
石橋杏奈
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