琴子の歌が、祈りが、世界を震わす。 生きろ、生きろ、生きろ。

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2011年/日本/カラー/91分/ 配給:マコトヤ

2012年09月05日よりDVDリリース 2012年4月7日(土)よりロードショー! テアトル新宿、シネ・リーブル梅田、名古屋シネマスコーレ、KBCシネマ1・2 他全国順次

©2011 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

公開初日 2011/11/19

公開終了日 2011/11/27

配給会社名 1144

解説


人が生きることの苦しさと美しさを極限まで描いた「母と子の巨大な愛の物語」。
魂に共鳴する歌声、心揺さぶる詞、独特の世界観と圧倒的な存在感で人々を魅了するシンガーソングライター、Cocco。『鉄男』や『六月の蛇』と新作を送り出すたびに、その類まれな映像言語で世界中のファンを震撼させてきた塚本晋也。それぞれの世界で超然と創作を続けてきたふたりが、共鳴し合い、火花を散らし、映画史上の“奇跡”を作り上げた。
世界がふたつに見える琴子。それでも歌っている時だけはひとつに見える。琴子には、なにより大切な幼い息子・大二郎がいる。彼を守りたい。そう思えば思うほど社会に対して過敏になり、精神のバランスを崩していく。ある日、琴子は見知らぬ男から声をかけられる。男は小説家で、ふと耳にした彼女の歌に魅了されたという。やがてふたりは一緒に暮らしはじめ、世界はひとつになるかと思えたが…。
『KOTOKO』 は、大事なものを守ることが一層難しくなるであろう近い未来、それでも生きなければならないと全力で語りかける愛と祈りの映画だ。

ストーリー










愛する息子を守ろうとするあまり、現実と虚構のバランスを崩していく女性の慟哭と再生の物語。
琴子(Cocco)はひとり、幼い息子・大二郎を育てている。彼女には世界が“ふたつ”に見え、油断すると命にかかわる日々。だから琴子はいつも気が許せない。どんどん神経が過敏になっていく。大二郎に近づいてくるものを殴り、蹴り倒し、必死に子供を守ろうとする。彼女の世界が“ひとつ”になるのは歌っているときだけだ。
小さな体をまるごと琴子に預けてくる大二郎。大二郎の喜ぶことはなんでもする。お手製の玩具を作る。散歩に連れていく。でも大二郎は激しく泣き続けるばかり。外に出る、高い所に立つ。もしも抱いている手を離してしまったら?強迫観念が琴子を追い詰める。ついには幼児虐待を疑われ、大二郎は遠く離れた彼女の姉のもとに。
琴子は自分の体を切ることで、確認しようとする。「存在していいか」と。体は「生きろ」と言う。
姉から連絡がくる。大二郎に会うために沖縄へ向かうリムジンバスの中で、歌をくちずさむ琴子。車内には彼女を見つめるひとりの男。
沖縄の自然の中、大二郎はすくすく育っていた。家族の中で笑顔を取り戻す琴子。しかし貴重な時間は短い。彼女は再び大二郎と別れ、東京へ。
ひとりで毎日を過ごす琴子に、小説家の田中(塚本晋也)が近づいてくる。バスの中で聞いた琴子の歌声に魅了されたという彼を、彼女は暴力で遠ざける。田中は傷だらけになりながらもやってくる。ついには結婚指輪を携えてきた。
自分では答えを出せない琴子は、田中とふたりで大二郎のいる沖縄を訪れる。沖縄で、田中とともに穏やかに眠る大二郎を見て、琴子は心を決める「私は幸せになる」。
しかし琴子に、憎しみと恐怖の遠い記憶が甦る。一緒に暮らし始めた田中を縛り上げ、ボコボコにする琴子。制御のきかない自分を恐れ、暴れる彼女に、田中は「大丈夫です、大丈夫です」と繰り返し、血まみれの体で抱きしめる。「あなたを好きで居続けるってのが仕事だったらいいのにな」。
琴子は、これまでずっとひとりで歌ってきた歌を田中に捧げる。世界はひとつになった、と感じた途端…。

スタッフ

監督:塚本晋也
製作:塚本晋也
企画:Cocco、塚本晋也
原案:Cocco
脚本:塚本晋也
音楽:Cocco
美術:Cocco
撮影:塚本晋也、林啓史
照明:林啓史
特殊メイク・特殊造型:花井麻衣
編集:塚本晋也
整音・音響効果:北田雅也
スチール:天満眞也
助監督:林啓史、藤田奏
制作:斎藤香織
製作:海獣シアター
制作協力:シーオーダブルシーオー
配給:マコトヤ

キャスト

Cocco
塚本晋也

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