原題:The Son of No One

揉み消された二つの事件 鍵を握るのは"相棒" N.Y.市警を舞台に豪華キャストで贈る、珠玉のクライム・サスペンス・アクション!

2010/アメリカ/シネスコ/ドルビーデジタル/95min/PG12 配給:日活 宣伝:アニープラネット

2011年11月02日よりDVDリリース 2011年7月9日(土)より銀座シネパトス他にて全国順次ロードショー!

© 2010 SONOPRODUCTIONS, INC.

ビデオ時に変わった場合の題名 陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル

公開初日 2011/07/09

配給会社名 0006

解説


ニューヨーク市警の2代にわたる警官親子の絆は、父親の相棒だった刑事の
温情を通して思わぬ方向に暗転していく——。チャニング・テイタムが主人公の悩める警官ジョナサンを演じたこの作品は、アル・パチーノ、ケイティ・
ホームズ、ジュリエット・ビノシュ、レイ・リオッタら充実した顔ぶれの名優たちに支えられ、先が読めないクライム・サスペンス・アクション映画として11年1月のサンダンス映画祭でも大きな反響を呼んだ。ディート・モンティエル監督はクィーンズ出身。多様な人種が入り乱れるニューヨークの地元クィーンズの街を見事に活写している。
01年9月11日を境にニューヨークは大きく変わった。威信をかけて治安回復に全力を上げるニューヨーク市警。ジョナサンがクィーンズに転属になったのは、そんなときだった。過去にかかわった2件の殺人事件の暗い思い出から逃れられない警官。それを忘れさせまいとするかのように何者かが送りつけてくる脅迫状。警官の不正な馴れ合いを暴きたてようとする地元紙の女性記者。
自らの権威と仲間の結束を守るため、でっちあげも辞さないN.Y.P.D.の権力構造。人種を超えた友情で結ばれた少年2人が、今は不信感をぶつけ合う悲劇。脅迫状から始まり、絡まりあった人間関係はどう決着していくのだろうか。

この映画のキー・ポイントになっているのが、ニューヨークの低所得者向き公営住宅。多くの黒人やヒスパニックが住み着き、麻薬や犯罪の温床になってきた。アントワン・フークア監督の「クロッシング」(08)は、退職近い警官のリチャード・ギアと刑事のイーサン・ホークらが警官の腐敗により起きた事件に巻き込まれていく。その舞台になったのがブルックリンの公営住宅だった。今回のクィーンズ・ボロ公営住宅もそっくりだ。とくに80年代は物騒な地域として、まともな人間は近づかなかった。荒廃した公営住宅はニューヨークの恥部として悪名が高かった。

監督のディート・モンティエルはハードコア・パンクバンドのボーカリストで小説も書く異色の人材。若いストリ−ト・ファイターをドラマチックに描いた「Fighting」(09)でチャニング・テイタムを主役に起用して成功した。ロバート・ダゥニーJr.主演の「A Guide to Recognizing Your Saints」では、06年サンダンス映画祭で監督賞を受賞している。
ジョナサンを演じるチャニング・テイタムは「ステップ・アップ」「G.I.
ジョー」「パブリック・エネミーズ」などで知性と肉体能力で評価が高まっている若手俳優。今回の警官役で演技が深まった。スタンフォードを演じるアル・パチーノはいわずと知れたアメリカを代表する名優。「狼たちの午後」以来、一貫して第1線で活躍している。本作では中堅の刑事と年老いた警察委員長を演じ分けている。ジョナサンの妻を演じたケイティ・ホームズは「バットマン ビギンズ」「フォーン・ブース」などで人気が出た。私生活ではトム・クルーズと結婚、1人娘がいる。
ジュリエット・ビノシュはフランスの女優だがアメリカ映画にも出演が多く、「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー助演女優賞を受賞、「ショコラ」ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。本作ではニューヨーク在住の向こう意気が強い新聞記者を力演した。ジョナサンの上司・メイザース警部のレイ・リオッタもマーティン・スコセッシ監督の「グッドフェローズ」など数多くの映画に出演してきたアメリカ屈指の名優だ。

ストーリー






9・11事件の翌2002年、ニューヨークのスタテンアイランドに住む警官、ジョナサン・ホワイト(チャニング・テイタム)が夜遅く自宅に戻ってくる。妻(ケイティ・ホームズ)は、ジョナサンが車で2時間もかかるクィーンズ警察署に転勤させられたのが不満だ。2人の間には幼い娘がいるが、持病で発作が起きるのが心配の種だ。クィーンズは治安が悪く、警察幹部のマサーズ警部(レイ・リオッタ)は治安回復に躍起になっている。とくにクィーンズ・ボロ公営住宅は黒人の失業者が多く、犯罪が絶えない。
1986年、13歳のジョナサンは祖母とクィーンズ・ボロ公営住宅に住んでいた。白人のジョナサンは、色の白さからミルクと呼ばれ、黒人たちから目を付けられていた。かばってくれたのは、同じ棟に住む黒人の男の子ヴィニーと妹のヴィッキーだった。ある日、ジョナサン少年は麻薬常習者の銃で、その男を撃ち殺してしまう。ヴィニーが入れ知恵して死体を放置した。このような死体がこの辺で発見されるのは日常茶飯事で、警察も本気で捜査しなかった。
ジョナサンはヴィニーとともにこんなひどい環境から脱出しようと計画していた。そんなとき、ジョナサンは、愛犬を蹴り殺した白人をはずみで階段から突き落とし、男は死んだ。2件の殺人を重く見た刑事のスタンフォード(アル・パチーノ)がジョナサン少年を尋問するが、罪を問うことなくそのまま事件を隠蔽してしまう。かつてスタンフォードは殉職したジョナサンの父親と相棒の警官であった。
だれにも知られていないはずの2つの事件を秘めたまま、ジョナサンは警官になった。しかし、何者かがジョナサンに事件を知っていることを匂わせる脅迫状を送りつけてきた。また地元紙クィーンズ・ガゼットには2つの未解決事件が隠蔽されたことを告発する手紙が送られ、掲載された。ジョナサンが起こした2つの事件の真相を知るものはヴィニーしかいない。ジョナサンは、かつて暮らした住宅を訪れヴィニーに脅迫をやめるよう頼むが、かえって脅迫がエスカレートした。クィーンズ・ガゼットには隠蔽した警官の名前を知らせる手紙が届く。ジョナサンはマサーズ警部の命令でガゼットの女性記者ブリッジス(ジュリエット・ビノシュ)に会い、掲載をやめるよう頼み込むが、ブリッジスは応じない。切羽詰ったジョナサンはヴィニーを殺害しようと考えるが・・・。

スタッフ

監督・脚本:ディート・モンティエル
プロデューサー:アヴィ・ラーナー、ホリー・ウィアーズマ、ジョン・トンプソン
エグゼクティブプロデューサー:トレバー・ショート、ダニー・ディムボート、ジェイク・プシンスキー
ラインプロデューサー:ブライアン・ベル
撮影監督:ブノワ・デローム
編集:ジェイク・プシンスキー
衣装デザイン:サンドラ・ヘルナンデス
音楽:デヴィット・ウィットマン、ジョナサン・エリアン

キャスト

チャニング・テイタム
アル・パチーノ
ジュリエット・ビノシュ
ケイティ・ホームズ
レイ・リオッタ
トレイシー・モーガン
ジェームズ・ランソン

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す