大迫力の3Dで贈る、機械と人の冒険の旅

2011年/日本/カラー/114分/ 配給:松竹

2012年3月10日(土)丸の内ピカデリー他全国ロードショー

(C)2012「おかえり、はやぶさ」製作委員会

公開初日 2012/03/10

配給会社名 0003

解説


宇宙体感3Dで、<はやぶさ>と一緒に
7年・60億キロ—冒険の旅に出よう!
—あなたはきっと、<はやぶさ>と人間が好きになる−

その小さな惑星探査機が、いつしか日本中に勇気をくれた。
2003年5月9日、鹿児島県、内之浦の宇宙空間観測所から打ち上げられた小惑星探査機<はやぶさ>。その時、この小さな機械が、日本中に勇気を与える存在になるとは、誰も予想していなかった。その後、60億キロ、7年間におよぶ宇宙の旅から帰還した2010年6月13日。地球と太陽系の起源を解く鍵となる小惑星イトカワのかけらを地球に届けるという人類初のミッションを成し遂げた<はやぶさ>は、大気圏の中で、燃え尽きていった。
そして、次々と降りかかる予測不可能な困難を乗り越え、世界にいくつもの人類初の成果をもたらした、小さな惑星探査機と、そのプロジェクトチームの“あきらめない”挑戦は、閉塞感の漂う日本の復活の象徴として、多くのメディアで取り上げられ、“はやぶさ”は一躍、日本中に勇気を与える存在になった。

全編3Dの迫力と奥行で贈る、<はやぶさ>と“これから”の人々の物語
『おかえり、はやぶさ』は、全編3Dで、手に汗握る小惑星イトカワへのタッチダウン、たび重なるエンジントラブル、絶望的な通信途絶など、宇宙空間で<はやぶさ>に起こる試練の数々を再現。臨場感に満ちた迫力だけでなく、<はやぶさ>が翼(太陽電池パドル)を広げて太陽からエネルギーを受ける力強さや、宇宙を旅する孤独な姿が、3Dならではの奥行で、まるで心をもった機械の様に迫ってきます。<はやぶさ>と旅をするのは、父親への葛藤を乗り越えて成長していくJAXA(宇宙航空研究開発機構)エンジニア助手と、新人の理学博士の新米コンビと、宇宙を夢みる小学生。そして<はやぶさ>に人生の全てを懸けた、実在の人物をベースにしたプロジェクトチームのメンバーたち。日本の“これから”と“いま”を担う彼らを通して、<はやぶさ>と人々が、実際にどの様な困難に直面して、どう乗り切ってきたのか?その小さな機体にどんな想いを込めたのか?を描きます。そして、初めは単なる機械でしかなかった<はやぶさ>は、様々な人々の想いをのせて、やがて機械を超えた存在になっていきます。
それは、一つの目標に向かって、あきらめずに困難に立ち向かう勇気を与えてくれる、機械と人の冒険の物語。2011年3月11日、これまで経験したことのない未曾有の災害に見舞われた日本。新たな価値観と共に、次の一歩を踏み出す年となる2012年に、今一度“はやぶさ”と冒険の旅に出発しましょう。

<のぞみ>から<はやぶさ>へ、そして次代を担う子供たちに受け継がれる
宇宙開発史
本作では “はやぶさ”のエピソードだけでなく、はやぶさ打ち上げと同年に運用停止となった火星探査機<のぞみ>、これからの宇宙探査を担う<イカロス>など 、成功も失敗も全て次の挑戦の経験として受け継がれていく日本の宇宙開発の歴史が、親子の絆のドラマとして描かれます。
出演は、父への葛藤をかかえたJAXAエンジニア助手、大橋健人に藤原竜也。まっすぐに宇宙への憧れを追い求める理学博士、野村奈緒子に杏、失敗に終わった<のぞみ>プロジェクトの呵責に苦しむ大橋伊佐夫に三浦友和、<はやぶさ>に母親の安否を託す小学生、風也にまえだまえだの前田旺志郎など、宇宙というロマンを世代を超えて伝えるために、様々な年代の俳優陣が集まりました。そしてプロジェクトチームのメンバーには、卓越したリーダーシップで<はやぶさ>チームを牽引するプロジェクトマネージャー、江本智彦に大杉蓮、イオンエンジン開発に懸けた山田幸一に豊原功補、対外協力室長としてプロジェクトの広報に奔走する増沢公孝に中村梅雀が扮し、それぞれ実在の人物像を熱演しています。
監督は、『犬と私の10の約束』『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズ等VFXとドラマ描写の融合に定評のある本木克英。本作でも、迫力の3Dでの宇宙空間や、管制室の緊迫感と共に、<はやぶさ>を通じた人々の人間賛歌ともいえるドラマを丁寧に描きます。

ストーリー






18年もの間、計画されてきた小惑星探査機。
それは、ただの機械だけど、みんなの想いをのせていた。

2003年5月9日──<はやぶさ>宇宙への出発
宇宙の謎を解くカギとなる小惑星イトカワのカケラを拾って、地球に持ち帰る──
成功すれば人類初の快挙となるミッションをおびて、鹿児島県内之浦の宇宙空間観測所から、小惑星探査機<はやぶさ>が打ち上げられた。

2003年12月──「成功するしかない!」 チームの新たな決意
<はやぶさ>が順調な航行を始めた頃、火星探査機<のぞみ>が火星にたどり着くことなく宇宙に消える。打ち上げから5年半、度重なるトラブルと故障により、プロジェクトを終了したのだ。プロジェクトマネージャーの大橋伊佐夫は、国民の税金を無駄にしたと非難の矢面に立たされる。
<はやぶさ>プロジェクトマネージャーの江本智彦は、<のぞみ>の失敗を目の当たりにし、改めて成功を誓う。「これがラストチャンスだ」──江本の言葉に、伊佐夫の息子でエンジニア助手の大橋健人、新人理学博士の野村奈緒子ら若手スタッフも決意を新たにするのだった。

旅立ちから2年──<はやぶさ>に願いを託す人々
打ち上げから2年、いつの間にか<はやぶさ>は、宇宙に夢を抱く人々が願いを託す存在になっていた。健人が家族同然の付き合いをしている同僚の大吾の、小学生の息子・風也も、母・多美の病気の回復を<はやぶさ>プロジェクトの成功に託していた。
そんな風也を「俺がいるから大丈夫」と自信たっぷりに励ます健人にも、悩みがあった。人生の大半を<のぞみ>に懸けてきた父が、プロジェクト終了と共に引退し、自分を責め続ける日々を送っているのだ。世間との関わりを避けて原稿や講演会の依頼も断り、同じ道を進む息子の健人にさえ心を開こうとしない。

2005年11月──イトカワへのタッチダウン開始
ついにイトカワの近くに到着した<はやぶさ>。だが、姿勢制御のためのリアクションホイールが3基中2基まで故障、残る1基と小型化学エンジン12基を稼働させて降下を始めた<はやぶさ>は、姿勢を崩してイトカワに不時着してしまう。サンプルが取れたのか?再チャレンジか?意見が分かれるなか、江本は攻めの姿勢を崩さず、2回目のタッチダウンに挑み、見事成功させる。
ひとつミッションを終えて、久しぶりに実家を訪れる健人。助言が欲しいという江本からの依頼を伊佐夫に伝えに来たのだ。しかし、「俺が役に立てることは何もない」と冷たく言放つ伊佐夫に、健人は失望を深めるだけだった。

地球への帰り道──エンジンから燃料漏れ発生
イトカワから離陸し、地球を目指す<はやぶさ>に、燃料漏れが発生。体勢を崩し、このままでは通信が途絶えて宇宙の彼方に消えてしまう。そのとき、健人が大胆な解決策を見出し、どうにか<はやぶさ>の姿勢を立て直すことに成功する。しかし、日頃から健人のスタンドプレーを快く思わない同僚から、父親に関する嫌味を言われた健人は激昂してしまう。
そんな健人に奈緒子は、伊佐夫の講義の「人は宇宙という見えない力に支えられているからこそ、強さと賢さを得た」という言葉に心を動かされて、宇宙研究の道に進んだと打ち明ける。

2005年12月──通信途絶「もう諦めるの?」
プロジェクトチームがホッとしたのも束の間、燃料漏れの悪化により再び姿勢が崩れ、通信の途絶えた<はやぶさ>は宇宙の闇に消えてしまう。チームは広大な宇宙空間から<はやぶさ>の電波を懸命に探すが、過去に宇宙で行方不明になった探査機が見つかったことはなかった。それは、砂漠から1枚の金貨を探しだすほど困難なことなのだ。
<はやぶさ>が行方不明になってから数週間、健人は次のプロジェクトであるイカロスの開発に逃避していた。母の移植手術のため一家で渡米する風也に、「ダメなら次がある。そうはいかないんだ」と教えられ、再び奮い立つ健人。

2006年1月──<はやぶさ>発見! 
奇跡だった。だがそれは偶然ではなく、チームの気の遠くなるような地道な努力が呼び寄せた奇跡だ。臼田宇宙空間観測所のモニターが、イトカワから1万3千キロ、日本とスペインほど離れた場所に漂っていた<はやぶさ>のわずかな電波を捉えたのだ。
奇跡の力は、<はやぶさ>を見守る人々にも、それぞれの形で広がっていく。伊佐夫は、社会復帰を決意、まずは奈緒子からの講演会の依頼を引き受ける。多美の手術は成功、一家は笑顔で帰国する。そしてチームは、イオンエンジン全停止という最後の危機も奥の手で乗り越える。 

2010年6月13日──果たして、最後のミッションの行方は?
<はやぶさ>は、ボロボロになりながら、懸命に飛んだ。地球にイトカワのかけらの入ったカプセルを届けるという、最後のミッションを果たすために──。

スタッフ

監督:本木克英
脚本:金子ありさ
音楽:冨田勲
協力:(JAXA)宇宙航空研究開発機構

製作総指揮:迫本淳一
プロデューサー:田村健一・野地千秋・三好英明
撮影:藤澤順一(J.S.C.)
照明:金沢正夫
美術:西村貴志
録音:鈴木肇
編集:川瀬功
スクリプター:小関ひろみ
装飾:佐藤孝之
VFXスーパーバイザー:村上優悦
助監督:石田和彦
製作主任:田中智明
ラインプロデューサー:小松次郎・山田彰久

製作:「おかえり、はやぶさ」製作委員会
制作協力:松竹映像センター
制作プロダクション:松竹撮影所 東京スタジオ
制作・配給:松竹株式会社

キャスト

藤原竜也:大橋健人(JAXAエンジニア助手)
杏:野村奈緒子(JAXA理学博士)
三浦友和:大橋伊佐夫
(健人の父“のぞみ”プロジェクトマネージャー)
前田旺志郎:岩松風也(宇宙に憧れる小学生)
森口瑤子:岩松多美(病気療養中の風也の母)
田中直樹(ココリコ):岩松大吾(JAXA広報の風也の父)
宮崎美子:大橋小夜子(主人公、大橋健人の母)
豊原功補:山田幸一(JAXAイオンエンジンチームリーダー)
大杉漣:江本智彦(“はやぶさ”プロジェクトマネージャー)
中村梅雀:増沢公孝(JAXA対外協力室長)

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