にくめ、ハレルヤ
あの日、瓦礫と化した神戸に <妹>はいたのだろうか —
2006 / 76分 / DVCAM / 16:9 / ステレオ 製作:思考ノ喇叭社 配給・宣伝 : カプリコンフィルム
2010年6月26日より渋谷UPLINK Xにてロードショー
公開初日 2010/06/26
配給会社名 1134
解説
阪神大震災から15年、<記憶>を問う旅がはじまる
この映画は、大阪市の映像文化事業・第2回CO2(シネアスト・オーガニゼーション・エキシビジョン大阪)の企画制作部門において制作された。1995年1月17日に起きた阪神大震災が重要なテーマの一つとなっており、物語の設定は制作された当時と同様、 震災から10年後が舞台となっている。CO2の企画選考会において阪神大震災をテーマとして扱うことが論議を呼んだが、震災の面影を探し求めるように浮遊するカメラワークは、それとせめぎ合うように街の音を録音する裕人が、少女・沙樹に妄執していく姿を生々しく捉え、選考委員の1人であった黒沢清監督より高い評価を得る。その後、国内外の映画祭に参加し各地でも好評を博した。
監督である板倉善之は、熊切和嘉・山下敦弘・柴田剛・石井裕也など近年活躍目覚ましい監督を多数輩出する大阪芸術大学出身、また本作が初劇場公開作となる。
主演の裕人役には自主映画を中心に出演歴を重ね、最近では万田邦敏『×4』での好演も話題の苧坂淳。少女・沙樹に執着していくという繊細そうでありながら大胆な行動をとっていく存在感は、彼なしには成立しなかった。沙樹役には近年映画やドラマに多数出演し、その愛らしさと演技力で人気を集める藤本七海。映画初出演作である本作でもその魅力を存分に発揮している。また、神代辰巳作品など数々の映画に出演する女優・絵沢萠子が、裕人の祖母役として特別出演している。
撮影は『堀川中立売』(柴田剛)、『君と歩こう』(石井裕也)などの高木風太。音響には自身も『GHOST OF YESTERDAY』(PFF審査員特別賞)などを監督する松野泉。彼の音楽ユニット「人工の夜」は、映画の中で主人公・裕人が行う8ミリフィルム映写と音楽のパフォーマンスのモデルになっている。また近年注目を集める『夜光』の監督・桝井孝則もスタッフとして参加するなど、関西インディペンデント映画シーンの注目人物たちがこの映画で交錯している。
ストーリー
僕らは何も知らないまま間違った10年を過ごしたのかもしれない
10年前、阪神大震災で両親を亡くし、祖母とともに叔父の家に引取られた青年・裕人。しだいに震災の記憶もうすれ、平穏にくらしてきた裕人だったが、ある日、認知症が進行してきた祖母の口から、瓦礫の街の記憶、そこに<サキ>という妹がいたことが語られる。祖母の話した<サキ>という名前だけの妹は、裕人を再び震災と直面させることになる。そんなおり、街中で裕人と似た境遇の少女・沙樹と出会う。沙樹は自分の妹<サキ>ではないのか…。祖母の暗示のままに少女・沙樹を連れ出すと、 2人の逃避行が始まった。
スタッフ
監督・脚本・編集:板倉善之
助監督:伊月肇、剱妙子
撮影・照明:高木風太
撮影助手:高田真助
照明助手:星野あい
録音:松野泉
録音助手:余合祐加子
整音:東岳志
メイク:窪田弥生
メイク助手:竹岡美華
美術:内堀義之
美術助手:岡藤真依
衣装:奥井朗海
記録:園部典子
VFX:松浦勝一
音楽:桝井孝則、人工の夜
制作:桝井孝則、奥秀孝、葛原亜也子、塩川節子
ラインプロデューサー:城内政芳
助成:シネアスト・オーガニゼーション・エキシビジョン大阪
製作:思考ノ喇叭社
配給・宣伝 カプリコンフィルム
宣伝協力 ブラウニー
キャスト
苧坂淳
藤本七海
長綾美
デカルコ・マリィ
渡辺大介
平松実季
西村仁志
谷口勝彦
森川法夫
木村文洋
絵沢萠子(特別出演)
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