原題:Je t’aime moi non plus

新宿武蔵野館90周年記念作品

1976年/フランス映画/カラー/ビスタサイズ/85分/R18+ 配給:株式会社メダリオンメディア 共同配給:シュートシネマ

2010年07月02日よりDVDリリース 2010年6月5日(土)より、新宿武蔵野館にてレイトショー公開!!

(C)1976 STUDIO CANAL/HERMES SYNCHRON

サブ題名 【デジタル・リマスター版】

公開初日 2010/06/05

配給会社名 0736

解説


『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』————この作品は、今を遡ること34年前の1976年3月、パリで初公開された。
セルジュ・ゲンズブールの初監督作品であり、“エルメスのバーキン”としてのちに有名となったジェーン・バーキンの代表作である。
フランスで公開されるや、そのスキャンダラスな内容と映像から、イギリスを始め海外では発禁映画となり、日本でもフランス公開から遅れること7年後の1983年に初めて公開された。しかし日本初公開時は、その描写のきわどさから性的場面は修正されるとともに、原語のフランス語でなく英語版で上映されたため、オリジナル版ではなかった。
それから更に12年後の1995年にようやくフランス語ヴァージョンが公開されることになり、この時も修正が加えられたが、多くのファンに賞賛され、大ヒットした。
そして15年後の2010年、ついに今回オリジナル・ヴァージョンがデジタル・リマスター版でリバイバルされることとなる。
物語は、“ゲイの青年”が、偶然出会った“少年のような娘”と恋に落ちるが、彼の恋人である男の嫉妬から奇妙な三角関係となり、青年は本当は誰を愛していたのか? 彼を愛した娘はどうなるのか?・・・・、といったたわいもない話だが、そこには“愛の不確実さ”、“愛のすれ違い”が静かな中にも激しく描かれている。
篇中で繰り返される音楽も、彼らの心象風景を描写しているようで、いつの間にか観る者の心に忍び込んでくる。また、娘が恋した青年と愛し合うシーンで流れる、インスト・バージョンの主題曲“Je t’aime moi non plus”の切ないメロディも秀逸である。
時代は変わっても、この作品が多くの人の心を捉えるのはセルジュ・ゲンズブールという時代の最先端を駆け抜けた才能と、ジェーン・バーキンという永遠に輝きを失わない女優のすばらしさはもちろんのこと、スキャンダラスな内容と裏腹に、肉体だけではないピュアな恋愛風景が描かれているからではないだろうか。
それに、フランス映画界の名優であるジェラール・ドパルデュー(『あるいは裏切りという名の犬』『シラノ・ド・ベルジュラック』)やミシェル・ブラン(『仕立て屋の恋』『プロスペローの本』)が出演しているのも興味深い。
ご覧になった方々のそれぞれの心に、寄せては返すさざなみのように、静かな感動がきっと訪れるだろう。

ストーリー



フランスのとある田舎町。
ゲイのカップル、クラスキー(ジョー・ダレッサンドロ)とパドヴァン(ユーグ・ケステル)は、廃品運搬の仕事をして日々生活している。いつものように今日もふたりはおんぼろトラックに乗り込みゴミ集積場へと向かう。そんな日々を送っていたある日、彼らふたりは一息入れるために小さなバーに立ち寄る。
その店には、タンクトップにジーンズ姿の華奢でキュートな少年が働いていた。
クラスキーはオーダーするために「ヘイ!坊や」とその少年の背に向けて声をかける。
カウンター越しに振り向く少年。その瞬間、クラスキーは少年と思っていたその子が実は娘だと知って驚く。その娘の名前はジョニー(ジェーン・バーキン)。
クラスキーは、そのボーイッシュな娘に興味を抱き、トラックに乗せたり、町の娯楽場へ連れて行ったりする。
やがてクラスキーとジョニーの間に恋心が芽生え、関係を持とうとするが、哀しいことにゲイであるクラスキーは肉体的に女性を愛することができない。
その姿を見て嫉妬する恋人のパドヴァンだったが、クラスキーはそんなことは気にもせずジョニーと付き合いを続ける。
そんな危うい関係の中、パドヴァンはクラスキーの裏切りが許せず、ついにはジョニーがひとりバスルームにいるところを狙って暴行をはたらこうとする・・・。抵抗するジョニー・・・、ところがそこにクラスキーが現れる。
奇妙で危うい三角関係に戸惑う彼らに、やがて運命は静かに呟く・・・・。

スタッフ

製作:ジャック・エリック・ストラウス
監督・脚本・音楽:セルジュ・ゲンズブール
撮影:ウイリー・クラン/ヤン・ル・マッソン
美術:テオ・ムーリス

キャスト

ジェーン・バーキン
ジョー・ダレッサンドロ
ユーグ・ケステル
ルネ・コルデホフ
ジェラール・ドバルデュー  

LINK

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