原題:Soudain le vide

2010年/フランス/35mm/カラー/ドルビー/英語/143分/R18+ 配給:コムストック・グループ、トルネード・フィルム

2011年01月07日よりDVDリリース 2010年5月15日よりシネマとうきゅうスクエアにてロードショー

(C)2010 FIDELITE FILMS – WILD BUNCH – LES FILM DE LA ZONE - ESSENTIAL FILMPRODUKTION – BIM DISTRIBUZIONE – BUF COMPAGNIE

公開初日 2010/05/15

配給会社名 0708/0633

解説


全世界が震撼した衝撃作『アレックス』から7年、一作ごとにパワフルな衝撃作で論争を巻き起こし、観客を挑発し続けるフランスの鬼才ギャスパー・ノエ。カンヌ、そしてサンダンスを熱狂させた、彼の7年ぶりとなる全世界待望の最新作ももちろん、これまで以上に強烈でセンセーショナルな刺激で見る者を圧倒する。それは、究極の愛と快楽を求める孤独な魂が、欲望渦巻くサイケデリックな魔都“TOKYO”を浮遊する、かつてないスタイルのバーチャル・トリップ・ムービー。
『アバター』のSFXクリエーター、ピエール・ブファン率いるフランスのVFX工房BUFが創造した<マジックマッシュルーム3D>映像感覚で繰り広げられる、セックス、ドラック、死、そして輪廻転生…、その驚異のビジュアルは3D映画以上に脳髄を刺激する、まったく新しい映像体験として、すでに世界中の観客たちをハイパーにトリップさせている。
TOKYO。あてもなく日本にやってきたオスカーは定職を持たず、日々ドラッグに溺れながら、ジャンキー仲間の紹介でディーラーをして金を稼ぎ、最愛の妹リンダを日本に呼び寄せた。だが、彼女はやがて夜の街で知り合った男マリオに誘われ、ストリップ劇場のポールダンサーとして働くようになっていた。ある晩、オスカーは警察の取り締まりを受け、銃で撃たれてしまう。彼の意識はしだいに薄れ、その魂はかつてない陶酔に包まれながら肉体から離脱した。愛するリンダと離れたくないオスカーの魂は、死を受け入れることができず、欲望と犯罪が渦巻くTOKYOに翻弄される妹の姿を追って、夜の街をさまよい、浮遊するのだった…。
出演は、リンダを演じる『リミッツ・オブ・コントロール』『サイダーハウス・ルール』のパス・デ・ラ・ウエルタ、オスカーの友人ビクターを演じる、ジエーン・カンピオン監督の『BRIGHT STAR』など出演作が目白押しのイギリス注目の新人オリー・アレクサンダー、ビクターの母親を演じる元スーパーモデルで、『ブリジット・ジョーンズの日記』や『スパイダー』などに出演したサラ・ストックブリッジの他は、オスカーを演じるナサニエル・ブラウン、その友人アレックスを演じるシリル・ロイ、麻薬密売人ブルーノ役のエド・スピアーなど、多くが映画初出演。またマリオを演じる丹野雅仁は、数多くの三池崇史監督作品で助監督を務め、『イツカ波ノ彼方ニ』『ラブレター 蒼恋歌』などの監督作もある日本人演出家である。
撮影はノエの『アレックス』をはじめ、『エコール』『変態村』『デス・サイト』『変態島』など、ヨーロッパの異形な作品を次々と手掛けている名手ブノワ・デビー。音楽も『アレックス』に続きダフト・パンクのトーマ・バンガルテルが担当。VFX監督はピエール・ブファン、VFXを手掛けるのは『ファイト・クラブ』『マトリックス』『スパイダーマン3』『アーサーとミニモイの不思議な国』『スピードレーサー』、そして全世界で大ヒット中の『アバター』などを手掛けるフランスが世界に誇るCGI工房BUF、VFX監督のピエール・ブファンはその創設者でもある。

ストーリー


TOKYO。繁華街の裏通り。オスカーとリンダの兄妹は、街のネオンサインを臨む古いビルの小さな部屋に二人で暮らしていた。あてもなく日本にやってきたオスカーは定職を持たず、日々ドラッグに溺れながら、ジャンキー仲間の紹介でディーラーをして金を稼ぎ、最愛の妹リンダを日本に呼び寄せたのだった。リンダは兄との再会を喜び、東京での生活を楽しんでいたが、やがて夜の街で知り合った男マリオに誘われ、ストリップ劇場のポールダンサーとして働くようになっていた。
ある晩、オスカーは友人のビクターに依頼されたドラッグを持って、バー“VOID”に向かっていた。だが、その場に通報を受けた警察の特捜チームが急襲した。オスカーはトイレの個室に逃げ込むが、銃を携帯していると勘違いされ、警官に胸を撃たれてしまう。オスカーの意識は次第に薄れ、やがてその魂は彼の肉体から離脱した。様々な光に包まれ、オスカーの魂は、かつてない陶酔を感じながら空中を浮遊し始めるのだった。
オスカーの脳裏に、幼い頃の両親との愛に満ちた生活や妹リンダとの楽しげな日々など、過去の幸せな光景が走馬灯のように駆け巡った。だが、その至上の幸福感は、兄妹の目の前で起きた交通事故による両親の突然の死という悪夢で寸断される。事故によって保護者を失った兄妹は引き離され、別々の養護施設で育てられたのだった。過去の記憶が混濁しながら洪水のようにオスカーを襲う中、彼は、幼い頃からいつも「ずっと一緒にいよう」と誓い合っていた、愛するリンダを想っていた。彼の魂は、自らの肉体が検死室に横たわっている姿や火葬場で荼毘に付される光景を見ながら、死を受け入れることができずに、欲望と犯罪が渦巻くTOKYOの街を浮遊し、リンダから離れようとはしなかった。やがてその魂は、ラブホテルでセックスをしている男女を求めて彷徨を続けた。その中には男に抱かれるリンダの姿もあった。激しく求め合う男と女は、生のエネルギーに満ち、まばゆい光を発していた。そして、その光こそ、迷える魂たちが目指す、輪廻転生への出口だった…。

スタッフ

監督/脚本:ギャスパー・ノエ
製作:ブラヒム・シウア、ヴァンサン・マラヴァル、オリヴィエ・デルボスク、マルク・ミソニエ、ピエール・ブファン、ギャスパー・ノエ
撮影:ブノワ・デビー
音響効果:トーマ・バンガルテル(ダフト・パンク)
SFX:ピエール・ブファン
協力:アニエスベー
配給:コムストック・グループ

キャスト

ナサニエル・ブラウン
パズ・デ・ラ・ウエルタ
シリル・ロイ

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