原題:Hell Ride

2008年/アメリカ/カラー/84分/R-15 配給:ムービーアイ

2009年05月27日よりDVDリリース 2009年1月17日(土)より、シアターN渋谷、銀座シネパトス、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

(c)2008 The Weinstein Company,LLC.All rights reserved.

公開初日 2009/01/17

配給会社名 0366

解説



クエンティン・タランティーノ プレゼンツ!全米が黙殺した、バイカー・バイオレンス・アクション超問題作、上陸!

エンジン全開、灼熱の荒野に轟くハーレーの爆音!復讐に燃える男たちの壮烈な死闘が、今幕を開ける—。

1960年代末から70年代初頭、低予算のB級アクション映画の中で〈バイカー・フィルム〉は、アメリカで最も人気を集めたジャンルの1つだった。そんな中1969年、デニス・ホッパー監督『イージー・ライダー』が公開された。反体制的なバイカーたちのアメリカ横断の旅、夢と挫折を描いたこの映画は、当時湧き起こったアメリカン・ニューシネマ・ブームの波に乗り、世界的な大ヒット作となった。

しかし『イージー・ライダー』の栄光の陰には、今や憶えている者さえほとんどいない、おびただしい数の〈バイカー・フィルム〉が存在した。そのほとんど映画史から忘れ去られた、良くてB級、果てはZ級の作品群。スリルだけが生き甲斐のバイカーたちは、わめきちらし、略奪を行い、下品で酔っ払いで、女性をレイプの対象としか考えないアウトローども。革ジャンをはおり、ハーレーにまたがって暴走を繰り返す連中たちの映画はしかし、セックス、ドラッグ、ロックンロールといった男の欲望に忠実なアイテムによって、当時の若者たちに強烈にアピールしたのだった。

日本ではほとんど劇場未公開に終わった無数の〈バイカー・フィルム〉を、当時場末の名画座に通い続け、見続けていたのが、“パルプの帝王”クエンティン・タランティーノであった。そして、それら映画に俳優として出演し、ハリウッドのメイン・ストリームから外れた場所で、今なお己の映画道を歩み続けている男が、伝説的カルト・アクター/ディレクター、本作『ヘルライド』で監督・脚本・製作・主演の4役を務めたラリー・ビショップである。
『ヘルライド』は、稀代の映画オタク、タランティーノが、自らリスペクトする伝説の男を監督・主演に据え、かつてのジャンルの復活と再生をかけた、バイカー・バイオレンス・アクションの超問題作だ。

キャストには、タランティーノの呼びかけに応じ、ハリウッド最強の野獣派ともいうべき面々が結集した。主人公・孤高のバイカー、ピストレロには『マッド・ドッグス』のラリー・ビショップ。常にタキシード着用でハーレーをかっ飛ばすジェントには、『レザボア・ドッグス』以降、タランティーノ一家の若頭、マイケル・マドセン。若き狂犬、コマンチにTVシリーズ「24 Twenty-Four」でブレイクしたエリック・バルフォー。復讐の旅に出る彼ら3人を待ち受ける敵のボス、ビリー・ウィングス役に、『ミーン・マシーン』のヴィニー・ジョーンズ。加えて『キル・ビル』のデイヴィッド・キャラディン、そして『イージー・ライダー』のデニス・ホッパーという大ベテランが乱入。老いてなお変わらない、殺気と貫禄をスクリーンに漲らせている。

『ヘルライド』は、そのあまりに反時代的な内容ゆえか、全米ではわずか2週間で打ち切りとなった。批評家からも黙殺同然の扱いを受けたこの映画はしかし、タランティーノが昨年放った『デス・プルーフinグラインドハウス』の試みに連なる、“トラッシュ・レボリューション”とでもいうべき野心作である。ダイヤモンドかトラッシュか—。この映画の真の価値は、興行成績だけでは計れない、そこに脈打つグラインドハウス魂にある!

ストーリー

復讐の道は、地獄への道−。

“あの子のために大切にとっておいて。きっと約束を守ってね”—腹に矢を受け、天を仰いだピストレロ(ラリー・ビショップ)の脳裏に、そう囁く美しい女の姿が浮かんだ・・・。

ピストレロ、ジェント(マイケル・マドセン)、コマンチ(エリック・バルフォー)は、バイカー・チーム、〈ヴィクターズ〉のメンバー。対抗するグループ〈シックス・シックス・シックス〉にメンバーの一員、セント・ルーイを殺された3人は、墓場に集い奴らへの復讐を誓った。
手始めにトレーラーハウスにいた〈シックス〉メンバーたちを血祭りにあげた3人は、そのリーダーであるビリー・ウィングス(ヴィニー・ジョーンズ)たちを追って、それぞれ復讐の旅に散った。

謎の女、ナダ(レオノラ・ヴァレラ)のもとを訪れたピストレロは、ビリーたちの背後に、一線を退いたはずの大物、デュース(デイヴィッド・キャラディン)が暗躍していることを知る。彼女の情報によれば、LAに集結しつつある〈シックス〉一派は、〈ヴィクターズ〉のシマを狙っているというのだ。そしてその理由は、1976年に虐殺されたチェロキー・キズム(ジュリア・ジョーンズ)というインディアンの女に関係があるらしいとも…。
ジェントは追跡のさなか、手下たち3人と馴染みの店でビ—ルジョッキを傾けていたが、〈シックス〉に寝返るそぶりを見せた2人を撃ち殺し、ケジメをつけた。不穏な動きが〈ヴィクターズ〉内に広がっていた。
一方コマンチは、仲間と共にエディ・ゼロ(デニス・ホッパー)という老人を問い詰めていた。一行は、〈シックス〉一味の居場所を知っているというエディの案内でバイクを走らせた。転倒したエディのサイドカーにコマンチが近づいた瞬間、マシンガンの銃声が轟いた。ジェントの命で待ち伏せしていた男が、密かに裏切りを画策していたメンバーたちを皆殺しにしたのだった。

ピストレロ、ジェント、コマンチの3人は、ダニー(ローラ・カユーテ)が経営するバー、「インフェルノ」に集い、ビリーとの最終決戦の決意を固めた。
そしてその晩、ピストレロは、コマンチを連れ、とあるモーテルを訪れる。そこには椅子に縛られたデュースがいた。かつて〈ヴィクターズ〉のメンバーだったエディがデュースを捕らえ、監禁していたのだった。さらにピストレロはコマンチに思いがけない過去の因縁を語り始めた—。32年前に殺された女、チェロキーは、デュースと共にLSD、コカイン密売で大もうけをしたのだが、チェロキーがデュースを裏切り、大金が入った手提げ金庫を隠したために殺されたこと、そしてコマンチはチェロキーの息子であったこと・・・。ピストレロは彼女との約束に従い、コマンチに母の仇を討たせた—。

エディは、デュースの首が入ったバスケットを手土産にビリーたちのアジトを訪れる。そしてエディの先導で決戦の場となるハイウェイを疾走するビリーたちの前に、遂に3人の復讐者が立ちはだかった。生き残るのは果たしてどちらか。遥か昔に隠された金庫の行方は・・・。

スタッフ

監督・脚本・製作:ラリー・ビショップ
製作:マイケル・スタインバーグ、シャナ・スタイン
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、クエンティン・タランティーノ
撮影監督:スコット・ケヴァン
美術デザイン:ティム・グライムス
衣装デザイン:アリエラ・ウォルド=コーへイン
編集:ウィリアム・イェー、ブレイク・ウェスト
音楽:ダニエレ・ルッピ
バス・オカリナ&ピアニカ演奏:アレッサンドロ・アレッサンドローニ
音楽監修:メアリー・ラモス
スタント・コーディネーター:ジミー・N・ロバーツ、ジェフ・ダシュノウ
バイク・コンサルタント:ジャスティン・ケル

キャスト

ラリー・ビショップ
マイケル・マドセン
エリック・バルフォー
ヴィニー・ジョーンズ
レオノア・ヴァレラ
ローラ・カユーテ
ジュリア・ジョーンズ
デイヴィッド・キャラディン
デニス・ホッパー

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