ファニーゲームUSA
原題:FUNNY GAMES US
2008年サンダンス映画祭プレミア上映作品
2007年/アメリカ、イギリス、フランス、オーストリア、ドイツ/ドルビーSRD/ビスタサイズ/カラー/111分/字幕翻訳:稲田嵯裕里 提供:東京テアトル、デイライト、アミューズソフトエンタテインメント 配給:東京テアトル/宣伝協力:トルネード・フィルム PG-12
2009年06月26日よりDVDリリース 2008年12月20日(土)より、シネマライズにてロードショー
(C) 2007 Celluloid Dreams Productions - Halcyon Pictures - Tartan Films -X Filme International
公開初日 2008/12/20
配給会社名 0049
解説
The game is simple ルールは簡単
Pick a family 家族を選択し、
Pick a victim 犠牲者を決定。
Shall we begin? さあ、ゲームのスタート
「明日の朝まで、君たちが生きていられるか賭けをしないか?」
湖畔の別荘で夏のヴァカンスを楽しむ3人家族の前に現れた招かれざる客−。それは、純白の手袋、純白のポロシャツに素足を晒した2人の美青年だった。彼らは隣家の遣いで卵を分けてほしいと最初は礼儀正しく振る舞うが、偶然なのか故意なのか2度も卵を落としてしまう。3度目の要求に思わず腹をたてた一家の主婦アンに対し、2人は突然態度を豹変させる。そう、アンは知らぬ内に、彼らの仕掛けた“ゲーム”のスタートボタンを押してしまったのだ…。じわじわと冷酷で残忍な本性を露わにしていく無垢な顔をした青年たち…。彼らの目的は何なのか? ゲームに勝つためには何が必要なのか? 予想もつかない展開が罪もない一家に襲い掛かる。
映画史上かつてない衝撃!新ジャンル、<トリプルエス>SSSとは!?
別荘に侵入し、「ゲーム」と称して罪もない家族を監禁、神経をきりきりと締め上げるような不快感を押しつける2人の美青年。予測不可能な展開に、観客はゲームの犠牲者になったかの様な錯覚に陥る。映画史を覆す手法で完膚なきまでの悪夢をより強烈に再現した、この新感覚<トリプルエス>SSS(サディスティック・ショッキング・サスペンス)ムービーは、観るものすべてを絶対的なゲームへと巻き込み、不条理な暴力の恐怖を叩きつける。動機無き犯罪が多発する現代を生きる者にとって、決して他人事ではないその恐怖を、身をもって体感させる本年度最大の問題作である。
監督は、01年、『ピアニスト』でカンヌ国際映画祭審査委員特別グランプリ、04年には『隠された記憶』でカンヌ国際映画祭監督賞、ヨーロッパ映画賞の監督賞と国際評論家連盟賞を受賞するなど、世界的巨匠として常にその新作が待たれる映画監督ミヒャエル・ハネケ。挑戦的で情容赦のない大胆な映像表現で観客を徹底的に追い詰め、世界を挑発し続けてきた。
本作はハネケが97年に発表した傑作『ファニーゲーム』の彼自身による完全リメイク。前作は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映され、あまりの衝撃に空前の賛否両論を巻き起こした伝説的作品だ。
オリジナルから10年を経た今回の『ファニーゲームU.S.A.』では舞台をアメリカに移し、ナオミ・ワッツ、ティム・ロスら国際派キャストを起用して英語ヴァージョンとして撮影した。そしてそれは一層作品の意図を際立たせることになったのである——すなわちハネケは、ハリウッドの、ひいてはあらゆる映画的バイオレンスに向けて、この痛烈なまでに過激で真摯な挑戦状を叩きつける!
世界最高峰のクルーが集結!
悪夢のゲームに巻き込まれるファーバー家の妻アンを演じるのは、ナオミ・ワッツ。リンチ、クローネンバーグなどの作家映画から、『キング・コング』などのハリウッド大作まで幅広く活躍する人気女優であるワッツは、今回プロデューサーもつとめる。夫のジョージに、『海の上のピアニスト』の名優ティム・ロス。息子ジョージには、本作に続きクリント・イーストウッドの『Changeling』など話題作への出演が続く名子役デヴォン・ギアハート。
一家を恐怖のドン底に陥れる2人組の美青年のリーダー、ポールには、『ラストデイズ』などで注目される美形俳優マイケル・ピット。同じくピーターを『サンダーバード』の個性派ブラディ・コーベットが演じる。
また、撮影はジャン=ピエール・ジュネ(『デリカテッセン』)やデヴィッド・フィンチャー(『セブン』)、ウォン・カーウァイ(『マイ・ブルーベリー・ナイツ』)ら、並居る世界の巨匠たちとのコラボレーションにおいて数々の革命的な映像を手掛けてきた鬼才ダリウス・コンジ。本作は基本的にオリジナルとほぼ同じアングルで撮影されているが、コンジならではの奥行きのある美しい映像によって、より重厚で鋭利な恐怖と戦慄の空間の創造に成功している。音楽はオリジナル版と同じく、ヘンデル、マスカーニのオペラやモーツァルトの室内楽といったクラシックから、ジョン・ゾーンのノイズ・サウンドへと一転。内容に合わせユニークな選曲で観る者を捕らえる。
ストーリー
ある夏の日。ヨットを牽引した4WDがハイウェイを軽快に走っていく。ハンドルを握る夫のジョージ・ファーバー、助手席には美しい妻アン、後部座席には息子のジョージが座っている。愛情に満ち、経済的にも恵まれた理想的な家族の姿。一家はその日から数週間、湖の別荘で過ごす予定を立てていた。
車が湖の別荘地に到着すると、一家は隣の別荘の住人でゴルフ仲間でもある気心の知れたフレッドとイブが、白い手袋をはめ、白いポロシャツと半ズボンという出で立ちの見知らぬ青年の2人組と一緒に庭に立っている姿を目にする。アンは彼らに声をかけ、ヨットを湖に出すのを手伝ってほしいと頼むのだった。
一家が別荘で暮らす支度を進めているとフレッドが仕事仲間の息子だという青年ポールを連れて現れる。2人の協力を得てヨットを湖に出すと、父子は一緒にヨットのマストを組み立て始め、アンは台所で夕食の準備を始めていた。ゲーム開始の知らせがまもなく鳴ることにも気づかずに…。
徐に、玄関先にもう1人の青年、ピーターが訪れる。彼は、隣のイブの遣いで、卵を4個分けてほしいと頼みに来たのだ。丁重な態度の彼にアンは快く卵を渡すが、玄関ではピーターが卵を床に落とし、すべて割れてしまっていた。アンが「気にしないで」と割れた卵を掃除すると、ピーターは低姿勢ながらも図々しく、卵をもう4個くれないか、と言い出す。アンが渋々と卵を冷蔵庫から出して渡そうとしたとき、ピーターは流しの横に置いてあったアンの携帯電話を誤って水の中に落としてしまう。アンは怒鳴りつけたい気持ちを抑えて、ピーターに卵を渡すとようやく家から追い出した。
だが、その直後、玄関の外では愛犬のラッキーが異様に吠え始める。アンが玄関に向かうと、そこにはラッキーに吠えたてられたピーターとポールが家の中に入って立っていた。
彼らは犬にほえられて卵をまた落としてしまったので、もう一度卵をもらえないかという。彼らの態度を気味悪く思ったアンが怒り出すと、そこに夫と息子が戻ってくる。
夫のジョージがアンに代わって事情を問いただすとポールはアンが誤解しているのだと言い張り、執拗に卵を要求する。それが口論となってポールに罵倒されたジョージは、思わず彼の頬を平手打ちしてしまう。すると突如ピーターが、玄関に置いてあったゴルフ・セットからドライバーを取り出し、ジョージの膝を打ち砕いた!
瞬時に残忍で冷酷な本性を現したポールとピーターは、一家を居間に押しやり薄笑いを浮かべながら「今から12時間後にお前たち3人が生きているか、死んでいるか賭けをしよう」と持ちかける。悪い冗談にしか聞こえないこのゲームの始まりとともに青年たちの行動はしだいにエスカレートし、一家をじりじりと責め立てる。各々が脱出と逆襲をあの手この手に試みるが、青年たちは恐ろしいほど冷静で計算高く、常に彼らの一歩先を読んでいた。やがて、青年たちがすでに隣のフレッド一家を惨殺していたことも明らかになる。果たして一家に助かる手はあるのか?タイムリミットは刻々と迫り来る…。戦慄の夜が明けたとき、ゲームの覇者としてこの場所に生き残るのは一体誰なのだろうか?
スタッフ
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
製作:クリス・コーエン、ハミッシュ・マカルパイン
プロデューサー:ヘンガメ・パナヒ、クリスチャン・ボーテ、アンドロ・スタインボーン
撮影監督:ダリウス・コンジ
美術:ケヴィン・トンプソン
編集:モニカ・ヴィッリ
衣装:デヴィッド・ロビンソン
キャスト
ナオミ・ワッツ
ティム・ロス
マイケル・ピット
ブラディ・コーベット
デヴォン・ギアハート
ボイド・ゲインズ
シオバン・ファロン・ホーガン
ロバート・ルポーネ
スザンヌ・ハネケ
リンダ・モラン
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