原題:American Teen

人生なんて痛いもの!だけどみんな生きている!

2008年サンダンス映画祭最優秀監督賞(ドキュメンタリー部門)受賞

2008年7月25日全米公開

2008年/アメリカ/ビスタ/DTS SRD SDDS/101分 配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン

2010年05月14日よりDVDリリース 2009年03月06日よりDVDリリース 2008年10月11日(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー公開

(c) 2007 by PARAMOUNT VANTAGE, a Division of PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

公開初日 2008/10/11

配給会社名 0154

解説



インディアナ州ワルシャワ・コミュニティ高校
学生生活最後の1年
たった5人の本物の<17歳>を通して
<世界>が、いまの<自分>が見えてくる——

アメリカ中西部インディアナ州の地方都市ワルシャワ。白人とクリスチャンと共和党支持者がほとんどを占め、富裕層から経済的に恵まれない家庭まで様々な人々が暮らすアメリカの典型的な町。そこに唯一あるハイスクールに通う学生もまた、どこにでもいるようなティーンたち。体育会系の花形選手、みんなが憧れるプリンセス、女子に人気のイケメン、恋に戸惑うアート志向の女の子、誰からも相手にされないオタク・・・。ジョック(運動部に所属する人気者)やクイーン・ビー(学園の女王様)からナード(ジョックの対極)やギーク(オタク)まで、完全なヒエラルキーの中で毎日を過ごす彼らにとって、学校は社会の縮図でもある。パーティーや同級生とのバカ騒ぎだけが楽しみの者もいれば、周囲との違和感を覚えて自分の殻に閉じこもる者もいる。だが個性や才能、ルックスは異なるものの、それぞれの悩みや喜びを抱え自分自身のことに精一杯で生きているのは皆同じ。特に高校3年生ともなれば、将来への期待と不安で胸が張り裂けんばかり。虚勢を張り、親友の前では弱い面を垣間見せながら、自分の居場所を探し求めて必死にもがく日々。泣いても笑っても卒業まであとわずか、やがて決断のときが訪れる。それは未来の自分を決める人生最初の大舞台。身の周りに起こることだけが世界のすべてだったあの頃。そんな誰もが経験しながらも誰にでも一度しかやってこない高校生活最後の一年を過ごすティーンたちを記録したドキュメンタリーの傑作が誕生した。

フィクションよりもドラマティック、ドキュメンタリーよりもリアル。

監督はハリウッドの名物プロデューサー、ロバート・エヴァンズの破天荒な半生を追ったドキュメンタリー『くたばれ!ハリウッド』(02)で高い評価を得たナネット・バースタイン。彼女は約1年間、ワルシャワ・コミュニティ高校の3年生たちと生活を共にし、少人数の撮影クルーを率いて連日カメラを回し続け、彼らの等身大の姿を瑞々しくスクリーンに刻みつけた。メインキャストは5人の“本物の高校生”たち。田舎町が肌に合わず、映画を学ぶためにカリフォルニア行きを希望するものの恋人と夢の狭間で揺れるハンナ、奨学金のプレッシャーや父親からの期待を一身に背負ってスランプに陥るバスケ部エースのコーリン、マーチングバンドとテレビゲーム以外はからっきしダメ、デートの相手をいつも探している内気なジェイク、裕福な家庭に育ち、才色兼備でありながら性格に多少難のあるメーガン、どんな女の子でもゲットできるほどのイケメンなのに、意外な相手とつき合ったことから仲間と微妙なズレを生じさせてしまうミッチ・・・。そこにはきらびやかなスターは誰一人いない。嫉妬、恋愛、友情、挫折、両親との衝突、そして理想と現実に押しつぶされそうになっているごく普通の“本物の高校生”たち。バースタイン監督はドキュメンタリーとリアル・ドラマを見事に融合させて、今を生きる17歳から18歳の若者の真実に徹底的に迫る。大きな事件は何も起こらず、ありきたりの日常が描かれるだけなのに、フィクションよりもドラマティックで、ドキュメンタリーよりもリアルなエピソードの数々。演技では絶対に表すことのできないティーンの複雑な心情が痛いほどダイレクトに心に響く。

もう一度、「17歳」を体験できるドキュメンタリーの新境地。

また、ザ・ティン・ティンズ、MGMT、ブラック・キッズなど、実際にティーンたちのipodに入っていた今年最も注目されているUK発アーティストの楽曲が溢れ出さんばかりに全編にわたって流れるのをはじめ、各々の妄想や理想像を最先端のアニメーションで描くなど、瞬間を生きる10代のファッションやカルチャーをポップに表現。携帯やパソコンを手放せない21世紀のアメリカに生きるティーンのライフスタイルを余すところなく伝えている。
かつては『アメリカン・グラフィティ』(73)からジョン・ヒューズの一連の学園もの、近年では『エレファント』(03)『JUNO/ジュノ』(07)に至るまでアメリカが常に描いてきた高校生たち。もっとも傲慢でもっともナイーブなこの世代は、不完全であるからこそ魅力に満ちている。無限の可能性を秘めた彼らの姿はアメリカだけに限らず普遍的なもの。各地の映画祭で絶賛を浴び、本年度サンダンス映画祭最優秀監督賞(ドキュメンタリー部門)を受賞した本作は、現在のアメリカ映画の見方の新たな視点が詰まっている。悩み傷つきながらも自らの道を切り開いていく彼らの決意や選択に、同世代を生きる若者たちはもちろん、17歳だったことのある全ての人が共感し、あの「17歳」だった自分の原点に立ち戻らせてくれる。そして彼らの<今>を通し、世界の<未来>がきっと見えてくるはず——。

ストーリー



スタッフ

監督:ナネット・バースタイン 『くたばれ! ハリウッド』 

キャスト

ハンナ・ベイリー
コーリン・クレメンズ
ジェイク・トゥッシー
メーガン・クリズマティック
ミッチ・ラインハルト

LINK

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