庭から昇ったロケット雲
原題:THE ASTRONAUT FARMER
夢をあきらめないこと。父の背中が教えてくれた。
2007年/アメリカ映画/カラー/スコープサイズ/104分/字幕翻訳:田中武人 提供・配給:デスペラード 協力:日活
2008年7月5日(土)より、日比谷シャンテ シネ、シネマート新宿 他全国順次ロードショー
(C) 2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
公開初日 2008/07/05
配給会社名 0796
解説
自分の農場から自分で作ったロケットで宇宙へ行く・・・
夢を追い続ける父親と、その夢を支える家族の感動の物語
かつてはNASAで働く宇宙飛行士だったチャーリー・ファーマー。しかし、宇宙へ行く前に、父親が急死して実家の農場を継ぐことになってしまった。宇宙飛行の夢は破れたかに見えたが、ファーマーは諦めていなかった。自分で作ったロケットで、自分の農場から宇宙へ行くことを誓ったのだ。彼を支えるのは妻のオーディと3人の子供たち。彼らにとって、夢をあきらめないファーマーは父親として誇れる、頼もしい存在だった。世間から様々な妨害にあいながらも、追い続けた自分の夢のために、愛する家族のために、ファーマーは宇宙へ行くことはできるのか・・・?
バカみたいな夢だと言われても、どんな困難にあっても夢を信じること、そして、その夢を支える家族の愛に満ちた、古き良きアメリカを思わせる感動作が、ここに誕生した。
コーエン、ウォシャウスキーに続く兄弟監督、ポーリッシュ兄弟が見た夢
デビュー作『ツイン・フォールズ・アイダホ』で注目を浴びた双子のポーリッシュ兄弟にとって、本作が初めてのメジャースタジオ作品となった。監督のマイケル・ポーリッシュは語る。「チャーリー・ファーマーはエキセントリックだが、自分のやりたいことをやっているだけなんだ。やりたいことをできずに人生を送っている人が殆どだから彼みたいな人が普通じゃないように見えてしまう。だが、人はみな、夢を見る権利がある。夢を追うためには何かをあきらめなければならない。犠牲を伴うということだ。人が夢を追うことをやめてしまうのはその犠牲を払いたくないからだと思う。ファーマーは自分の子供たちには成功をつかむためにはリスクも負うことが大切だと、自ら夢を追うことによって伝えようとしているんだ」。そして、ファーマーの夢に自分たち自身の映画製作の夢を重ね合わせた。彼らの夢に命を吹き込んだのは、個性派俳優ビリー・ボブ・ソーントン。癖のある役柄が多いソーントンがいつになく真っ直ぐな男を好演している。家族を大きな愛で包む妻オーディには、『サイドウェイ』のヴァージニア・マドセン。彼女の“母べえ”のような深い愛情と優しさが物語全体に温かさを生んでいる。大ヒット作『アルマゲドン』では宇宙へと旅立ったブルース・ウィリスが宇宙飛行士仲間として登場するのも話題。その他キャリア豊富な演技派俳優たちに混ざって、愛らしいファーマー家の子供たちを新鋭マックス・シエリオットと、ポーリッシュ兄弟それぞれの愛娘たちが演じており、ポーリッシュ家のファミリー・ムービーともなっている。
ちょっと、宇宙まで———来年には民間での宇宙旅行も実現!
ファーマーの夢は遠くない未来?!
今年は、NASAで日本人宇宙飛行士(3月に土井隆雄氏、12月以降に若田光一氏)の搭乗が予定されており、また10年ぶりに宇宙航空研究開発機構(JAXA)が国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士を新たに募集する、まさに“宇宙イヤー”。そして、遂に来年には、宇宙飛行士じゃなくても参加可能な旅行会社が募集している民間での宇宙旅行が実現されるところまできている。自分の農場から自作のロケットで宇宙へ行くファーマーの夢は、この先、全くあり得ない話でもないのかもしれない。エンドロールに流れるエルトン・ジョンの「ロケット・マン」に、宇宙まで行かなくても、自分の夢へと一歩踏み出せる勇気を貰える。
ストーリー
チャーリー・ファーマー(ビリー・ボブ・ソーントン)には子供のころからの大きな夢があった。それは宇宙飛行士になること。航空宇宙工学の修士を獲得した後、空軍にパイロットとして入隊。ファーマーはNASAの宇宙飛行士訓練プログラムに参加し、着実に夢へ近づいていた。ところがそんなとき、父親が急死し、実家の農場を継がざるを得なくなる。ファーマーの夢は挫折したかに見えたが、彼は夢をそう簡単にあきらめるような男ではなかった。帰郷してから10年、自分の貯金すべてをつぎ込み、彼は自分の手でロケットを作り、自分の農場から宇宙へ行く計画を立てていた。彼の夢を支えるのは妻のオーディ(ヴァージニア・マドセン)と子供たち。サンシャイン(ローガン・ポーリッシュ)とスタンリー(ジャスパー・ポーリッシュ)という娘たちと、15才の息子シェパード(マックス・シエリオット)だ。学校では教えてくれない宇宙や科学の専門知識を父から学び、シェパードは打ち上げの際、“管制官”として父に協力できることを楽しみにしていた。オーディは「夢は信じ続ければかなう」ということを、身をもって父から子供たちに伝えて欲しいと思っていた。オーディの父親ハル(ブルース・ダーン)も、自分が子供たちにしてあげられなかった後悔からファーマーのゆるぎない夢を応援し、精神的な支えとなってくれた。家族の温かい励ましとは反対に、街の人々は彼を変わり者として扱い、銀行はお金を貸さず、カウンセリングまで受けさせられる始末。そんな仕打ちにも負けず、子供たちに学校を休ませて、家族全員で打ち上げ準備を始めた矢先、予期せぬ問題が起きる。1万ポンド(4.5トン)の高レベルのロケット用燃料を確保しようとしたことがFBIの耳に入り、危険人物として捜査員のキルボーン(ジョン・グリース)とマチス(マーク・ポーリッシュ)に監視されることとなる。友人の弁護士マンチャク(ティム・ブレイク・ネルソン)の機転により、彼らをFBIから守るために情報をマスコミに流し、マスコミは<スペース・カウボーイ>と彼の手作りロケットをネタに、連日に渡る取材合戦を始めた。ファーマーは全世界のテレビで変わり者のヒーローとして放映され、それによって皮肉にも多くの支援者を得ることになる。ところが同時にFBI、CIA、FAA(連邦航空局)そして軍隊がロケットをミサイルと見なし、ファーマーを市民の安全を脅かす存在として厳しい目を向け、いつでも計画を阻止できるよう準備していた。そんな時、昔の仲間だったマスターソン大佐(ブルース・ウィリス)が一家を訪ねてくる。彼もまた打ち上げを止めようとしていた。しかし、どんな妨害が入ろうとも、ファーマーは揺るがなかった。彼は追い続けた自分の夢のために、そして愛する家族のために、本当に宇宙へ行くことができるのか・・・?
スタッフ
監督:マイケル・ポーリッシュ(『ツイン・フォールズ・アイダホ』)
脚本:マーク・ポーリッシュ&マイケル・ポーリッシュ
製作:マーク・ポーリッシュ/ポーラ・ワインスタイン/レン・アマト/マイケル・ポーリッシュ
撮影:M.デヴィッド・ミューレン
美術:クラーク・ハンター
編集:ジェームズ・ヘイグッド
音楽:スチュアート・マシューマン
エンディングテーマ「ロケット・マン」(エルトン・ジョン)
キャスト
ビリー・ボブ・ソーントン(チャーリー・ファーマー)
ヴァージニア・マドセン(オードリー“オーディ”・ファーマー)
ブルース・ダーン(ハル)
ティム・ブレイク・ネルソン(ケヴィン・ムンチャク)
マックス・シエリオット(シェパード・ファーマー)
ジャスパー・ポーリッシュ(スタンリー・ファーマー)
ローガン・ポーリッシュ(サンシャイン・ファーマー)
ジョン・グリース(キルボーン)
マーク・ポーリッシュ(マチス)
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